技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

生体情報計測を用いたヒトの“受容性・快適性”の定評評価と製品開発

生体情報計測を用いたヒトの“受容性・快適性”の定評評価と製品開発

東京都 開催 会場 開催

概要

嬉しい、心地よい、美しいなど、消費者の無意識的な評価をいかに定量するか。
本セミナーでは、“ラケットの打球感”や“ハイレゾ再生機”“集中力UPの紙素材”など、ユニークな事例を豊富に解説いたします。

開催日

  • 2019年7月8日(月) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 瞳孔、表情、脳波、視線の動静と感性・感情との相関
  • 非侵襲かつ簡便な計測技術の具体的な活用法

プログラム

第1部. 生体情報計測を用いた製品 (コンテンツ) の受容性・快適性の評価

(2019年7月8日 10:00〜12:00)

 人間が物の価値をどのように捉えるかは、経済学の分野では長年にわたる主要なテーマである。これは効用 (Utility) という架空の金銭的な指標として扱われ、ミクロ経済学などではこの価値基準に対してどのように人間が判断し行動するかが議論の対象とされてきた。例えば100円の商品と200円の商品を選ぶ場合、200円の商品をより好むといったものである。この場合、より価値のある方を欲するのは、その個体がより快適に生きるために合理的であると解釈される。しかし、しばしば人間の行動はこのような合理的な解釈が困難な場合がある。例えば、宝くじをはじめとするギャンブルはほぼ損をするようにできているし、保険制度などのシステムの掛け金なども同様であるが、多くの人が利用している。
 本講座ではこのような矛盾点に対するアプローチとして、実験経済学、実験哲学、ニューロエコノミクス、ニューロマーケティング、感性解析などを説明する。

  1. 効用と選択
    • 効用とは何か – 経済学における価値の考え方 –
    • 選好と行動 – スモールデシジョン –
    • リスクと合理性 – リスク回避のパラドックス –
    • 現実社会の様々な矛盾 – 宝くじ、保険、重大事故 –
    • 実験哲学に見る矛盾 – トロッコ問題、正義とは何か –
    • 4種類の自己の投影 – 記憶の想起、心の理論、未来の予測、 –
  2. 感性解析
    • なぜ感性解析が必要なのか
    • ハイブリッド感性解析システム – 瞳孔、表情、脳波 –
    • 脳波とは何か – 脳活動の計測の方法 –
    • 脳波の解析方法 – β派と深部解析 –
    • fakeとreal – 表情の嘘と脳波、瞳孔 –
    • コンテンツに対する評価
    • 異性に対する好み
    • 感性解析システムの今後
    • 質疑応答

第2部. 生体情報に基づく「使用感・触感」の快適性の評価

(2019年7月8日 12:45〜14:45)

 本講座では、脳波等の生体情報を計測し、その信号の時空間特性をフラクタル解析により定量化することにより、ヒトの感性を計測する技術を紹介する。具体的には、打球感が心地よいテニスラケットの開発、ハイレゾ再生機の開発、ソフィスタ、コットン、ポリエステルの線素材の触覚に係る感性計測、さらには、集中力Upの紙素材の開発等について紹介する。

  1. カオス・フラクタルの基礎
  2. 感性工学の重要性
  3. 脳波におけるフラクタル性
  4. フラクタル次元に基づいた感性計測の基礎
  5. テニスラケットの開発事例
  6. ハイレゾ再生機の開発事例
  7. ソフィスタの素材の触覚に係る感性計測
  8. 集中力Upの紙の開発
  9. タッチパネル式非常電話の開発
  10. トニックシャンプーの開発
    • 質疑応答

第3部. 表情解析による感性・情動の定量評価技術

(2019年7月8日 15:00〜17:00)

 感性・感情・情動の計測における非侵襲かつ簡便な手法として近年急速に注目を集めている表情解析。その発祥と歴史、そして科学的な根拠や理論を分かりやすく説明するとともに、国内外での具体的な最新事例を紹介します。
 さらに後半には、世界の最先端表情解析ツールを使用し、実際のデモンストレーションを含めて現在の最新手法を紹介、実践的なフィールドワークのレベルまで詳細に解説します。 後半の最後には質疑応答とあわせてツールによる表情解析のワークショップを実施しますので、簡単な表情解析を実際に体験していただくことも可能です。

  • 「表情解析」とは何か?
  • 行動分析と表情解析 (随意行動と不随意行動)
  • 表情解析の歴史と変遷
  • ベースとなるFACS理論の解説
  • 他の生理手法との比較と併用の可能性
  • 初期の事例紹介 (オランダ・『未来のレストラン』)
  • さまざまな産業界における現在の最新事例報告
  • 「表情解析ツール」のご紹介
  • 研究・実験・プロジェクトの進め方とフィールドワーク
  • 長所/短所と今後の展望
  • ワークショップ「表情解析を実際に体験してください」
  • 質疑応答

講師

  • 小林 洋平
    株式会社 NIPRO LFR総合研究所
    副主席
  • 中川 匡弘
    長岡技術科学大学 大学院工学研究科 技術科学イノベーション専攻
    教授
  • 梅澤 真司
    株式会社ソフィア・サイエンティフィック 先端科学機器部
    代表取締役

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/22 賞味期限設定のためのアレニウス式を用いた加速試験のポイント オンライン
2024/4/24 香り成分の心理生理学的有効性評価技術と商品開発への展開 オンライン
2024/4/24 脳波計測・処理・解析・機械学習の基礎と応用および脳波データの活用方法 オンライン
2024/5/2 脳波計測・処理・解析・機械学習の基礎と応用および脳波データの活用方法 オンライン
2024/5/9 ウェアラブル生体情報センシングと感覚フィードバックを組み合わせたサービス展開 オンライン
2024/5/13 触り心地/テクスチャーの知覚メカニズム・評価技術と商品開発 オンライン
2024/5/15 外観目視検査員教育法と見逃し・バラツキ低減技術 オンライン
2024/5/20 色と質感の感性評価 オンライン
2024/5/21 基礎からわかる生体信号の計測と情報解析・データマイニングのコツ オンライン
2024/5/21 官能評価の基礎と高級感の解明・商品開発への活かし方 オンライン
2024/5/24 商品開発のための感性・官能評価用アンケート設計と物性値への落とし込み オンライン
2024/5/28 自動車シートの座りを人間工学の眼で観る オンライン
2024/5/29 非侵襲脳機能計測法を用いた神経科学の基礎とウェアラブル脳波計の最新動向・脳波の計測手法 オンライン
2024/5/30 官能評価における脳波計測の基礎 オンライン
2024/7/5 手触り感・触覚認知のメカニズムと触感評価ノウハウおよび材料・商品開発への落とし込み オンライン
2024/7/8 色彩を活用した印象表現による商品パッケージの作成と商品検索推薦への応用 オンライン
2024/7/19 色彩を活用した印象表現による商品パッケージの作成と商品検索推薦への応用 オンライン

関連する出版物

発行年月
2023/10/20 食品賞味期限設定における商品別事例と官能評価対応ノウハウ
2023/3/31 “使いやすさ”の定量評価と製品設計への落とし込み方
2021/11/30 ヒトの感性に寄り添った製品開発とその計測、評価技術
2021/6/30 人工知能を用いた五感・認知機能の可視化とメカニズム解明
2021/2/26 高級感を表現する要素技術と評価法
2020/7/31 生体情報センシングと人の状態推定への応用
2020/4/30 生体情報計測による感情の可視化技術
2019/2/28 においを "見える化" する分析・評価技術
2018/6/30 ヒトの感性に訴える製品開発とその評価
2018/5/31 最先端医療機器の病院への普及展望と今後の製品開発
2017/6/30 生体情報センシングとヘルスケアへの最新応用
2017/5/31 車載センシング技術の開発とADAS、自動運転システムへの応用
2017/5/31 スキンケア化粧品の官能評価ハンドブック
2016/4/28 ドライバ状態の検出、推定技術と自動運転、運転支援システムへの応用
2014/10/27 化粧品に求められる使用感の共有と感性価値の数値化・定量化
2014/5/10 生体信号処理技術(脳波) 技術開発実態分析調査報告書(CD-ROM版)
2014/5/10 生体信号処理技術(脳波) 技術開発実態分析調査報告書
2013/8/20 文具大手7社 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2013/8/20 文具大手7社 技術開発実態分析調査報告書
2012/7/30 製品音の快音技術