技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

ポリイミドの無色・透明化技術

ポリイミドの無色・透明化技術

~低熱膨張性、高耐熱性との両立~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年3月8日(金) 10時00分 17時00分

修得知識

  • ポリイミドの合成
  • ポリアミド酸の貯蔵
  • 熱イミド化、化学イミド化の差異
  • 分子設計による高透明ポリイミドの開発
  • 熱物性の制御
  • ポリイミドの透明化における分子設計と物性制御の取り組みに関する考え方

プログラム

第1部 無色透明ポリイミドの材料設計とその特性、応用

(2019年3月8日 10:00〜12:30)

 耐熱性に優れ、しかも溶媒に溶けて、塗工・乾燥するだけで寸法安定性の高い無着色透明絶縁フィルムを得るための分子設計上抑えておくべきポイント、製造する際の留意点および求められる用途について詳細に解説します。本セミナーには透明耐熱樹脂開発従事者が直面する課題解決のためのヒントが転がっています。

  1. 透明耐熱性樹脂とは (基礎編)
    1. 透明耐熱性樹脂の必要性
    2. 透明ポリイミド樹脂の着色・脱色の原理
    3. 透明ポリイミド樹脂の重合および製膜上の問題点
    4. 透明ポリベンゾオキサゾールの製造法と問題点および着色・脱色の原理
    5. 特性評価法
  2. ガラス代替材料への適用を目的とした透明耐熱樹脂の開発事例 (応用編)
    1. 各社開発の透明ポリイミドの例
    2. 脂環式透明ポリイミド:重合反応性、溶解性および低熱膨張性に対する立体構造の影響
    3. 超低熱膨張性透明ポリイミド
    4. 脂肪族モノマーを使用せずに低熱膨張性ポリイミドの透明化を実現するための方策
    5. 複屈折の制御
    • 質疑応答

第2部 合成法から貯蔵安定性、フィルム化、高透明化

(2019年3月8日 13:15〜15:15)

 ポリイミドは古くて新しい材料であると言えます。スーパーエンプラであるポリイミドは、カプトンやユーピレックスなどとして、長く製造され、用途も確定しています。一方で、LEDランプの封止材等に用いられる高透明高耐熱性ポリイミドや、ポリマーメモリーなどとして用いられるポリイミドは過去に存在しなかった全く新しい材料です。これは、ポリイミドの分子設計が比較的容易であり、多くの用途に適合させやすいためであります。しかしながら、ポリイミドが古い材料であることから、最先端材料を考える際に、ポリイミドの基本的な本質を顧みる機会が失われていると感じます。そこで、本講演では、ポリイミドの合成から物性まで幅広く取り上げ、今後開発されるであろう最先端ポリイミドのポテンシャルを十分に発揮できるための基礎的な内容を丁寧に説明したいと思います。
 本講演は、ポリイミドの開発・製造に携わる研究者・技術開発者のための基礎であり、ポリイミドの合成、ポリアミド酸の貯蔵、熱イミド化、化学イミド化の差異、分子設計による高透明ポリイミドの開発、熱物性の制御などを理解し、実施することができるようになります。

  1. ポリイミドの合成
    1. 溶液重合
    2. 二段階合成法
    3. 前駆体法
    4. 一段合成法
    5. 高温溶融法
    6. 固相合成法
    7. ポリアミド酸の貯蔵安定性
  2. イミド化
    1. 温度の影響
    2. 残留溶媒の影響
    3. 分子量変化
    4. 秩序構造
    5. 結晶構造
    6. 延伸フィルム内での構造
    7. CT錯体
    8. 膜靭性
  3. 光学特性
    1. CT錯体
    2. 透明化のための分子設計
    3. 屈折率・複屈折
    • 質疑応答

第3部 透明ポリイミド用ワニスの開発と応用

(2019年3月8日 15:30〜17:00)

 透明ポリイミドを開発するにあたり、ポリイミドとしての特徴と透明性をどの様に両立させてきたか、また工業的に有用な材料とするために何を考えてきたのか、ご紹介します。

  1. 三井化学のポリイミド開発とポリイミドの基礎
    1. ポリイミド概要
    2. ポリイミドの歴史
    3. 三井化学のポリイミド開発
  2. ポリイミドの透明化検討
    1. 三井化学における初期の検討
    2. 三井化学における透明ポリイミド開発の方向性
    3. ポリイミドの透明化における理論的アプローチ
    4. 透明ポリイミドプロトタイプの開発
  3. 透明ポリイミドの物性制御
    1. CTE (熱線膨張係数) の制御1
    2. CTE (熱線膨張係数) の制御2
  4. 三井化学の透明ポリイミド用ワニス
    1. 基本銘柄
    2. ワニスから得られるポリイミドフィルムの特徴
  5. 透明ポリイミド用ワニスの展開と応用
    • 質疑応答

講師

  • 長谷川 匡俊
    東邦大学 理学部 化学科
    教授
  • 芝崎 祐二
    岩手大学 工学部 応用化学・生命工学科
    准教授
  • 浦上 達宣
    三井化学 株式会社 機能材料研究所 フィルム・シート部材グループ
    主席研究員

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 54,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 59,400円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 108,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 162,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/22 高分子インフォマティクスの応用事例 オンライン
2024/4/22 プラスチック強度設計の基礎知識 オンライン
2024/4/22 高分子材料 (樹脂・ゴム材料) における変色劣化の機構とその防止技術 オンライン
2024/4/22 溶融製膜/溶液製膜によるフィルム成形技術の基礎と実際 オンライン
2024/4/23 ナノ触診原子間力顕微鏡 (AFM) による高分子材料の解析技術 オンライン
2024/4/24 樹脂材料のEV駆動モータ/パワーデバイスへの実装に向けた高電圧絶縁特性の基礎と評価法 オンライン
2024/4/24 ヒートシールの基礎と材料設計および品質管理・不具合対策 オンライン
2024/4/24 高分子の絶縁破壊メカニズムとその劣化抑制技術 オンライン
2024/4/24 熱分析による高分子材料 (プラスチック・ゴム・複合材料) の測定・解析の基礎とノウハウ オンライン
2024/4/24 プラスチック用添加剤の基礎と選び方・使い方のポイント、その注意点 オンライン
2024/4/24 ディスプレイ向け光学フィルムの基礎・市場と高機能化技術トレンド オンライン
2024/4/24 高分子材料の粘弾性の基礎と応力/ひずみの発生メカニズムとその制御・評価技術 オンライン
2024/4/24 天然植物繊維を強化材とする複合材料の基礎と応用 東京都 会場
2024/4/25 押出成形のDX化と活用技術 オンライン
2024/4/25 5G高度化とDXを支える半導体実装用低誘電特性樹脂・基板材料の開発と技術動向 オンライン
2024/4/25 プラスチックフィルムの表面処理・改質技術と接着性の改善評価方法 オンライン
2024/4/25 レオロジー測定・データ解釈の勘どころ オンライン
2024/4/25 結晶性高分子における力学物性と高次構造の関係 オンライン
2024/4/25 破壊工学の基礎と高分子材料での実践 オンライン
2024/4/25 高分子結晶化のメカニズムと評価法 オンライン