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高周波対応基板の開発動向と銅/樹脂の密着性向上

高周波対応基板の開発動向と銅/樹脂の密着性向上

~低伝送損失化へ向けた「樹脂材料の低誘電率、低誘電正接化」「平滑銅への高接着性」~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年3月6日(水) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 ミリ波応用製品の開発動向と高周波基板への要求条件

(2019年3月6日 10:00〜11:30)

 近年ミリ波レーダが軽自動車にも搭載される等普及が進んでいる。また第5世代の無線通信ではミリ波が注目されるなど、様々なシーンにミリ波製品が使われるようになることが期待されている。ミリ波製品の近年の状況や、そこで使われている技術の解説を行い、今後の製品に要求される部品や材料に対する要求条件を明確化していく。本講座はこれからミリ波製品への適用を考えている部品メーカや材料メーカのエンジニアをはじめとして、ミリ波製品に興味を持つ初心者を対象としている。

  1. ミリ波応用
    1. ミリ波センサー
      • 自動車の周辺の障害物を検知して交通事故の低減や自動運転に向けてミリ波レーダ応用が進んでいる。また道路側にミリ波レーダを設置する応用も考えられている。また自動車や道路への応用以外にも、セキュリティセンサーやさまざまな応用へも期待さ れている。
    2. ミリ波通信
      • ミリ波帯は他のマイクロ波帯に比べて広帯域の確保が容易であり、数Gbps~数10Gbpsクラスの非常に高速なデータレートの実現が可能である。どのようなシーンでミリ波通信が有効であるか、どのような技術が必要となるかを解説する。またWi – GigやE – band通信、第5世代のミリ波通信の近年の状況についてもレビューしていく。
  2. ミリ波回路技術
    • ミリ波製品を実際に実現するにはミリ波MMICやアンテナ等の回路やミリ波での低損失な基板材料が必須となる。最近の技術動向や今後の高周波基板材料の要求条件等について述べる。
    • 質疑応答

第2部 低誘電損失特性を持つ高周波デバイス用銅張積層板の開発

(2019年3月6日 12:10〜13:40)

 情報通信インフラの高度化に伴い、高周波信号を高効率に利用できる電子機器の普及が進んでいる。一方で、高周波用プリント配線板では、高周波信号によって絶縁材料の分子運動が誘起され、配線板の発熱や信号の減衰、遅延などの原因となる。そのため、多層化が容易で誘電損失の低い絶縁材料が求められている。本講座では、低誘電損失材料として熱硬化性PPE共重合体 (アリル化PPE) に着目し、アリル化PPEの合成、製造条件の最適化、スチレン誘導体との複合化に関する検討事例、および当該樹脂複合化物を絶縁材料に用いた高周波デバイス用銅張積層板の開発事例について紹介する。

  1. 低誘電損失特性を有する熱硬化性アリル化PPEの合成
    1. 酸化カップリング重合法
    2. アリル化PPEの分子量・分子量分布と誘電特性との相関
  2. アリル化PPEの不均一系重合法の開発
    1. 酸化カップリング重合法の課題と不均一系重合法の適用
    2. 不均一系重合によるアリル化PPEの特性評価
  3. 低誘電損失複合材 (アリル化PPE/BVPE複合化物) の開発
    1. アリル化PPE/BVPE複合化物の特性評価
    2. 複合化物の相分離構造評価
  4. 開発材を用いた低誘電損失多層基板の開発
    • 質疑応答

第3部 低伝送損失基板を実現する低誘電・高接着ポリイミド樹脂

(2019年3月6日 13:50〜15:20)

  1. 開発背景
    1. プリント基板の技術トレンド (高周波対応)
    2. 伝送損失とその改良方針について
    3. プリント基板材料 (硬化性材料) の主要成分について
  2. ポリマー設計
    1. ポリイミドについて
    2. ポリマー設計方針 (加工性改良)
    3. ポリマー設計方針 (低誘電化)
  3. 新規ポリイミド樹脂「PIAD」
    1. 製品概要
    2. 樹脂特性
  4. 新規ポリイミド樹脂「PIAD」応用例
    1. 低誘電カバーレイ、ボンディングシート
    2. 低伝送損失FCCL
    3. 平滑銅箔対応低誘電プライマー
    • 質疑応答

第4部 分子接合技術による次世代配線形成技術

(2019年3月6日 15:30〜17:00)

 高周波分野では、抵抗損失と誘電損失の低減が求められており、極性が少ない低誘電・低誘電正接の絶縁材料と低粗度の導体間の接合信頼性を確保する必要がある。分子接合技術は、材料Aと化学反応する官能基と、材料Bと化学的に反応する官能基から構成された2官能性化合物X(分子接合剤)を用いて、材料Aと材料B間を共有結合で接合する技術である。材料や接合条件への依存性を低減でき、高分子やセラミックス、金属などの材料を接合できる。分子接合技術を使った高周波分野、及びその他の次世代配線形成について紹介する。

  1. 分子接合技術の基礎
  2. めっき応用
    1. フレキシブルプリント配線板
    2. 半導体
    3. Pdレスめっき
    4. 選択めっき
  3. 樹脂密着応用
  4. 貼合せ応用
  5. 分子接合技術で期待できる分野
    • 質疑応答

講師

  • 大橋 洋二
    株式会社 富士通研究所 ネットワークシステム研究所 ワイヤレス基盤技術プロジェクト
    主管研究員
  • 布重 純
    株式会社 日立製作所 研究開発グループ 材料イノベーションセンタ 材料プロセス研究部
    ユニットリーダ 主任研究員
  • 田﨑 崇司 (田崎 崇司)
    荒川化学工業 株式会社 研究開発本部 ファイン・エレクトロニクス開発部
    PIグループリーダー
  • 八甫谷 明彦
    株式会社ダイセル スマートSBU
    グループリーダー

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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