技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

酸化物系全固体電池の界面制御とイオン伝導性向上

酸化物系全固体電池の界面制御とイオン伝導性向上

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年2月7日(水) 10時30分 16時30分

プログラム

第1部 酸化物系固体電解質の開発動向と実用化への課題

(2018年2月7日 10:30〜12:10)

 リチウムイオン電池の全固体化は、これまで携帯機器の電源として普及してきたリチウムイオン電池の信頼性を大幅に向上させ、車載用・定置用への道を開くものと期待されている。硫化物系固体電解質電池では現行リチウムイオン電池に匹敵するエネルギー密度、出力密度を見通すことのできる材料系が開発され、化学的に安定で取り扱いの容易な酸化物系固体電解質の使用に対する期待が高まっているが、現状の電池性能は硫化物系に遠く及ばない。
 本講では、酸化物系固体電解質を使用して全固体電池を作製する際の問題点ならびにその解決に向けた取り組みを紹介する。

  1. リチウムイオン電池の全固体化
    1. リチウムイオン電池の課題
    2. 全固体化への期待
  2. 酸化物系固体電解質
    1. 固体電解質開発の経緯
    2. 硫化物系固体電解質と酸化物系固体電解質
  3. 酸化物系固体電解質電池
    1. 薄膜電池
    2. バルク型電池
  4. 酸化物型全固体電池実現へのアプローチ
    1. 計算科学への期待
    2. 単結晶薄膜を用いた界面イオン輸送の基礎研究
    • 質疑応答

第2部 酸化物系固体電解質LLTOの特性と高性能化

(2018年2月7日 13:00〜14:40)

 次世代リチウムイオン電池と目されている全固体電池・Li空気二次電池に使用されるであろう固体電解質には、ガラス系・酸化物系・硫化物系など、いくつかの候補物質が開発のしのぎを削っている。
 本講演では、酸化物系の候補材料の一つであるLLTOの高性能化に関して理解が深まるとともに、それ以外の材料の知識、市場動向、原料供給などに関する情報にも言及する。

  1. 車載用LLTO (全固体電池) の市場
    1. 固体電解質の分類
    2. 主な全固体電池の開発メーカーの概要
    3. ロードマップ
    4. 市場規模
  2. 東邦チタニウムのLIB材料開発の取り組み
    1. LIB用チタン酸化合物開発の経緯
  3. LLTOの紹介
    1. ぺロブスカイト型リチウムイオン伝導性酸化物
    2. リチウムイオン伝導のメカニズム
    3. 製造プロセス
    4. リチウムイオン伝導度の評価
    5. 機械的特性
    6. LLTOを用いた金属リチウム空気二次電池
    7. モーター駆動による空気電池のデモンストレーション
  4. 資源
    1. Li資源
    2. Ti資源
    • 質疑応答

第3部 酸化物系バルク型全固体電池作製に向けた粉体焼結による固固界面形成

(2018年2月7日 14:50〜16:30)

 リチウムイオン電池に用いられる有機電解液を酸化物固体電解質に置き換えたバルク型全固体電池が実現できれば、安全性の飛躍的な向上が期待できる。しかし、電池として作動するためには、置き換えた酸化物固体電解質の粉体同士の固固界面や電極活物質との固固界面を焼結する必要があり、その際に大きな課題を抱えている。
 本講座では、材料選択・焼結プロセスそれぞれのアプローチから固固界面を形成した酸化物系バルク型全固体電池の実例を紹介する。

  1. 酸化物系バルク型全固体電池の開発動向
    1. 酸化物系バルク型全固体電池への期待と課題
    2. 粉体を用いて固固界面形成した固体電池の研究例
    3. 全固体電池作製に向けた粉体焼結による固固界面形成の方法
  2. 低温焼結可能な酸化物固体電解質を用いた固固界面形成
    1. 酸化物固体電解質の焼結とイオン伝導性
    2. Li2CO3 – Li3BO3系固体電解質を用いた固体電池
    3. LISICON型固体電解質を用いた固体電池
  3. 高イオン伝導性酸化物固体電解質の低温緻密化による固固界面形成
    1. 加圧焼成による酸化物の低温緻密化
    2. 低温緻密化によるNASICON型固体電解質を用いた固体電池
  4. まとめ、今後の展望
    • 質疑応答

講師

  • 高田 和典
    国立研究開発法人 物質・材料研究機構 エネルギー環境材料研究拠点
    拠点長
  • 堺 英樹
    東邦チタニウム 株式会社 技術開発本部 開発部
    主席技師
  • 奥村 豊旗
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域 電池技術研究部門 蓄電デバイス研究グループ
    主任研究員

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 54,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 59,400円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 108,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 162,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/4 リチウムイオン電池・全固体電池電極の新しい製造プロセス オンライン
2024/4/5 リチウムイオン二次電池における電極界面の設計・評価と特性改善 オンライン
2024/4/10 リチウムイオン電池のリユース & リサイクルにおける諸規制 オンライン
2024/4/10 分散型電源システムの最新動向と事業展開 オンライン
2024/4/11 リチウム二次電池の循環使用 オンライン
2024/4/12 今注目のxEVと車載パワーエレクトロニクス、高周波対応基板材料、ポリマー光導波路 (POW) の動向 オンライン
2024/4/12 EVにおける超急速充電の課題と対応 オンライン
2024/4/15 スラリーの挙動と制御およびリチウムイオン電池電極スラリー化技術と評価方法 オンライン
2024/4/16 2024年の蓄電池市場・政策動向とビジネスチャンスの掴み方 東京都 会場・オンライン
2024/4/16 アニオン交換膜 (AEM) 型水電解技術の展望と材料設計 オンライン
2024/4/17 「バイポーラ (対局) 構造型電池」および「三次元構造型電池」の設計開発、今後の展望 オンライン
2024/4/19 リチウムイオン電池のドライ電極の技術動向とプロセスの検討 オンライン
2024/4/24 リチウムイオン電池のウェットプロセスとドライプロセス オンライン
2024/4/24 スラリーの挙動と制御およびリチウムイオン電池電極スラリー化技術と評価方法 オンライン
2024/4/24 HEV/EVにおけるバッテリー/エネルギー・マネジメント技術と劣化解析シミュレーション演習 オンライン
2024/4/25 固体酸化物形電解セルの基礎と特徴、及び可逆型の開発 オンライン
2024/5/17 入門 インピーダンス測定法とリチウムイオン電池への応用 オンライン
2024/5/30 EVを始めとした次世代自動車の普及展望とリチウム、コバルトなどLiB用金属資源の今後 オンライン
2024/5/31 xEV用リチウムイオン電池の輸送規則 オンライン
2024/6/7 xEV用リチウムイオン電池の輸送規則 オンライン

関連する出版物

発行年月
2019/11/29 リチウムイオン電池の分析、解析と評価技術 事例集
2019/11/15 2020年版 燃料電池市場・技術の実態と将来展望
2019/9/20 2019年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2019/5/24 2019年版 蓄電池・キャパシタ市場の実態と将来展望
2019/4/1 車載用LIBの急速充電性能・耐久性と市場
2019/3/22 2019年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2019/3/22 2020年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2019/2/22 2019年版 車載用・産業用蓄電池市場の実態と将来展望
2019/1/31 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発と活用集
2018/12/14 2019年版 次世代自動車市場・技術の実態と将来展望
2018/11/30 EV・HEV向け電子部品、電装品開発とその最新事例
2018/10/31 リチウムイオン電池における高容量化・高電圧化技術と安全対策
2018/8/1 全固体リチウムイオン電池の展望
2018/7/31 全固体電池の基礎理論と開発最前線
2018/2/26 再生可能エネルギーと大型蓄電システムの技術と市場
2018/2/23 2018年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2017/11/30 次世代電池用電極材料の高エネルギー密度、高出力化
2017/8/25 2017年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2017/5/25 EVに最適なバッテリーマネジメント技術と市場
2017/4/27 実務対応・LiBの規格と安全性試験のEV対応 2017