技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

車載用LIBの急速充電性能・耐久性と市場

車載用LIBの急速充電性能・耐久性と市場

~Quick Charging Performance & Durability for Automotive Li-Ion Batteries and Market Trend~

概要

本レポートでは、急速充電に関してのLIBの特性、LIB材料の充放電特性、劣化診断技術や充放電管理などを解説いたします。
また、市場の項目では、ここ数年間の車載用LIB、およびLIB材料の市場・業界動向をレポートいたします。

ご案内

 電気自動車 (EV) の普及に向けて、充電時間の短縮、航続距離の伸長、車両価格の低減が一層求められてきた。これに伴い、車載用リチウムイオン電池 (LIB) の大容量化が進行している。
 容量が増えれば、その分だけ充電時間が長くなる。しかし、多くのユーザーは、そんなに長い時間は待てない。この解決法としては、“急速充電”が検討されている。充電電圧を高くしたり、充電電流を多くしたりして、短い時間で充電する。ところが、急速充電には電池を早く劣化させてしまうという短所がある。LIB は、充放電サイクルを重ねるにしたがって容量が減少してしまう。
 すなわち、走って充電を繰り返すとLIBにとっては厳しい条件になる。それゆえに、電池の電気化学と回路設計の技術向上、更にはバッテリーマネージメントシステム (BMS) 技術の実用化が不可欠である。
 さらに、電池が劣化することで、電池の安全性も損なわれる。LIBを構成する各部材がどのように劣化し、安全性を含めた電池の特性に影響を及ぼすかという観点が重要である。
 本レポートでは、このような解決策として急速充電に関してのLIBの特性、LIB材料の充放電特性、劣化診断技術や充放電管理などを解説する。また、市場の項目では、ここ数年間の車載用LIB、およびLIB材料の市場・業界動向をレポートする。

目次

第1章 EV、PHV用リチウムイオン電池の特性と急速充電

  • 1. はじめに
  • 2. リチウムイオン電池 (セル) の構成、特性と電極構造
    • 2.1 セルの電気化学的な構成
    • 2.2 基本特性 エネルギー、パワーとサイクル
    • 2.3 正・負極材の多様性と選択
    • 2.4 電極構造 (1) 捲回電極 (円筒と角槽)
    • 2.5 電極構造 (2) 積層電極 (ラミネート)
  • 3. 充・放電、過充・放電、発熱と冷却
    • 3.1 電極電位、端子電圧と充放電制御
    • 3.2 充電、放電とサイクル
    • 3.3 過充電、過放電と電解液
    • 3.4 発熱、冷却と性能劣化
  • 4. EV、PHSの電池システム (1) 型式と冷却
  • 5. EV、PHSの電池システム (2) 走行と効率
  • 6. 急速充電、通常充電とシステム
  • 7. 安全性 (試験) 規格との関係
  • 8. 高速充電への全固体セルの可能性
  • 9. まとめ
  • 追補

第2章 LIB材料チタン酸化合物の充放電特性

  • 1. はじめに
  • 2. 固体電解質
  • 3. 作製方法
  • 4. 機械的特性
  • 5. イオン伝導度
  • 6. 次世代リチウムイオン電池への適用可能性
  • 7. リチウム空気電池の電池特性
  • 8. おわりに

第3章 自動車 (HEV/EV) から見たエネルギーマネジメント技術

  • 1. はじめに
  • 2. 自動車の電動化
    • 2.1 世界の自動車産業界の現状
    • 2.2 世界の海洋産業界の現状
  • 3. エネルギーマネジメント技術
    • 3.1 リチウムイオンバッテリーの現状
    • 3.2 状態監視とマネジメント制御上の課題
  • 4. エネルギーストレージの劣化診断技術
    • 4.1 ユークリッド空間とマハラノビス距離
  • 5. おわりに

第4章 劣化診断技術

  • 1. はじめに
  • 2. クラウドバッテリー
  • 3. リチウムイオン電池の劣化診断技術
    • 3.1 交流インピーダンス法
    • 3.2 矩形波インピーダンス法
    • 3.3 時間領域からのアプローチ
  • 4. おわりに

第5章 急速充電対応SOH管理技術

  • 1. はじめに
  • 2. 急速充電におけるSOH評価技術の重要性
    • 2.1 急速充電における充放電管理
    • 2.2 従来の充放電管理方式の問題点
    • 2.3 SOHに対するKPIの必要性
  • 3. SOHの定義と劣化の分類
    • 3.1 SOHの定義
    • 3.2 容量低下の分類
  • 4. 急速充電におけるLi-ion電池の内部状態
    • 4.1 Li-ion電池の充電フェーズ
    • 4.2 電池の電気的な構造
    • 4.3 定電流充電フェーズでの内部状態
  • 5. SOHの推定ためのKPI (Key Performance Indicator) の提案
    • 5.1 SEIの成長とSOH減少との関係
    • 5.2 ボルツマン分布
    • 5.3 アーレニウス式の物理的意味と限界
    • 5.4 KPI (Key Performance Indicator) によるSOHの推定
    • 5.5 化学ポテンシャルμの推定方法
    • 5.6 電池上昇温度の推定方法
  • 6. SOHの計測
    • 6.1 SOHの計測の必要性
    • 6.2 SOHと1kHzインピーダンスとの関係
    • 6.3 1kHzインピーダンスと誘電緩和
  • 7. おわりに

第6章 車載用LIBの市場

  • 1. 世界の車載用LIBの市場動向
  • 2. 車載用LIBの企業別シェア
  • 3. 中国政府の動向 (車載用1編)
  • 4. 中国におけるLIB業界
    • 4.1 中国のLIBメーカーの動向
    • 4.2 主な車載用LIBメーカーの工場建設の状況
    • 4.3 中国における大学研究
  • 5. 韓国のLIBメーカーの動向
  • 6. 中国政府と韓国のLIBメーカーとの関係
  • 7. 全固体電池
  • 8. 中国のLIBメーカー
  • 9. 日本・韓国のLIBメーカー

第7章 車載用LIB材料の市場

  • 1. 概要
  • 2. 中国政府の動向 (LIB材料編)
  • 3. 正極材
    • 3.1 概要
    • 3.2 正極材の市場動向
    • 3.3 正極材メーカーのマーケットシェア
    • 3.4 中国における正極材の動向
    • 3.5 正極材メーカー
  • 4. 負極材
    • 4.1 概要
    • 4.2 炭素系材料
    • 4.3 新材料
    • 4.4 負極材の市場動向
    • 4.5 負極材メーカーのマーケットシェア
    • 4.6 中国における負極材の動向
    • 4.7 負極材メーカー
  • 5. セパレーター
    • 5.1 概要
    • 5.2 セパレーターの市場動向
    • 5.3 セパレーターメーカーのマーケットシェア
    • 5.4 中国におけるセパレーターメーカーの動向
    • 5.5 セパレーターの今後の展望
    • 5.6 セパレーターメーカー
  • 6. 電解液・電解質
    • 6.1 概要
    • 6.2 電解液溶質材料
    • 6.3 電解液の市場動向
    • 6.4 電解液メーカーのマーケットシェア
    • 6.5 中国における電解液メーカーの動向
    • 6.6 電解液メーカー

執筆者

菅原 秀一

泉化研株式会社

代表

堺 英樹

東邦チタニウム 株式会社
技術開発本部
分析センター

主管

有馬 理仁

大和製罐 株式会社
技術管理部
エネルギーソリューション開発室

開発リーダー

鳩野 敦生

株式会社 サンエー

出版社

お支払い方法、返品の可否は、必ず注文前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本出版物に関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(出版社への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

体裁・ページ数

A4判 並製本 258ページ

ISBNコード

978-4-904482-61-2

発行年月

2019年4月

販売元

tech-seminar.jp

価格

80,000円 (税別) / 88,000円 (税込)

メールマガジン登録割引

メールマガジンに登録なさる方は、定価の10%割引価格にてご購入いただけます。

  • メールマガジンを登録なさる場合
    • 冊子版: 108,000円 (税別)
    • PDF版 (CD): 108,000円 (税別)
    • 冊子 + CDセット: 117,000円 (税別)
  • メールマガジンを登録なさらない場合
    • 冊子版: 120,000円 (税別)
    • PDF版 (CD): 120,000円 (税別)
    • 冊子 + CDセット: 130,000円 (税別)

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/25 全固体電池における技術・研究開発の現状と今後の動向 オンライン
2024/11/26 リチウムイオン電池のリサイクル・リユース技術と市場の動向 オンライン
2024/11/26 欧州のサーキュラーエコノミー政策と自動車産業 オンライン
2024/11/27 xEV用バスバー・接続と絶縁樹脂の技術動向 オンライン
2024/11/27 リチウムイオン電池の電極構成、特性と新型電池の材料技術、今後の展開 オンライン
2024/11/28 リチウムイオン電池のBMS設計と高精度残量推定手法・劣化予測手法 オンライン
2024/12/4 リチウムイオン電池のBMS設計と高精度残量推定手法・劣化予測手法 オンライン
2024/12/4 リチウムイオン電池の電極構成、特性と新型電池の材料技術、今後の展開 オンライン
2024/12/5 燃料電池、水素、アンモニアの最新動向と今後のビジネスチャンス オンライン
2024/12/6 全固体電池における技術・研究開発の現状と今後の動向 オンライン
2024/12/7 自動車用パワーエレクトロニクスの基礎と技術動向 東京都 会場
2024/12/9 EVの熱マネジメントシステムと冷却・加熱技術 オンライン
2024/12/10 リチウムイオン電池のウェットプロセスとドライプロセス オンライン
2024/12/11 導電性カーボンブラックの配合・分散技術と電池特性への影響 オンライン
2024/12/13 リチウムイオン電池セパレータのコーティングによる機能付与 オンライン
2024/12/18 導電性カーボンブラックの配合・分散技術と電池特性への影響 オンライン
2024/12/19 全固体電池および固体電解質の研究動向と今後の課題・展望 オンライン
2024/12/20 バッテリマネジメントとバッテリパック設計の要点 オンライン
2024/12/20 導電性カーボンブラックの特性、選定、分散技術 オンライン
2024/12/23 固体酸化物形燃料電池の材料技術、セル作製と可逆動作セルの開発 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/6/24 EV用リチウムイオン電池のリユース&リサイクル
2024/6/19 半導体・磁性体・電池の固/固界面制御と接合・積層技術
2023/11/30 EV用電池の安全性向上、高容量化と劣化抑制技術
2023/11/29 リチウムイオン電池の拡大、材料とプロセスの変遷 2023 [書籍 + PDF版]
2023/11/29 リチウムイオン電池の拡大、材料とプロセスの変遷 2023
2023/11/15 EV用モータの資源対策
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢) [書籍 + PDF版]
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢)
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題) [書籍 + PDF版]
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題)
2023/6/14 車載用リチウムイオン電池リサイクル : 技術・ビジネス・法制度
2023/6/9 2023年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2023/5/19 世界の充電インフラ 最新業界レポート
2023/4/6 電池の回収・リユース・リサイクルの動向およびそのための評価・診断・認証
2023/3/10 2023年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2023/2/28 リチウムイオン電池の長期安定利用に向けたマネジメント技術
2022/10/17 リチウムイオン電池の拡大と正極材のコスト & サプライ
2022/10/17 リチウムイオン電池の拡大と正極材のコスト & サプライ (書籍 + PDF版)
2022/9/16 2022年版 蓄電池・蓄電部品市場の実態と将来展望
2022/9/14 リチウムイオン電池の製造プロセス & コスト総合技術2022 (進歩編)