技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

抗体薬物複合体の構造解析とリンカー設計・精製戦略

抗体薬物複合体の構造解析とリンカー設計・精製戦略

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年5月10日(水) 10時30分 16時30分

プログラム

第1部. 抗体薬物複合体 (ADC) の精製と分析

(2017年5月10日 10:30〜12:00)

 近年、抗体医薬品の伸びは目覚ましく世界の医薬品売り上げの上位10品目の中で6品目を抗体医薬品が占めるに至った。しかし、抗体医薬品を用いた治療には比較的大量の抗体タンパク質が投与されることからその治療に関して新たなブレークスルーが求められている。
 抗体分子の分子認識機能を用いたターゲッティング療法は過去20~30年以上にわたり開発が進められて来たが最近非常に有効な方法として抗体薬物複合体 (ADC) の開発が認められ治療に用いられるようになった。しかし、ADCの開発においては考慮すべきポイントが多いこと。
 ここではADCの開発動向及びこれまで開発されてきたADCの作用メカニズムとその特徴を概観し、医薬品として製造する際の精製戦略及び品質分析における考慮点などを上げると共に一部の例を紹介する。

  1. ADCの市場と開発状況
  2. 抗体医薬品開発の戦略
  3. 日本におけるADCの承認状況
  4. ADCの開発状況
  5. ADC医薬品の規制状況
  6. ADCの開発と作用メカニズム
  7. ADC薬物の細胞毒性メカニズム
  8. ADC合成Linkerとその特徴
  9. ADC薬物 (Drug) とMab、Linkerの結合様式
  10. 抗体医薬品の世代変化とADC Vehcle
  11. 抗体薬物複合体の分析と精製
  12. 規制及び品質面の考慮点
  13. ADC 製造設備要件
  14. まとめ
    • 質疑応答

第2部. UPLC/MSシステムによるADCの特性解析

(2017年5月10日 12:45〜14:15)

 UltraPerformance Liquid Chromatoguraphy (UPLC) と四重極飛行時間型質量分析計 (Q-Tof MS) ならびにデータ解析ソフトウェアを組合せた統合システムによる抗体薬物複合体 (ADC) の特性解析について講演する。
 システイン結合型ADC (Cys-ADC) 、リジン結合型ADC (Lys-ADC) それぞれについて、インタクトレベルでの特性解析、薬物抗体結合比 (DAR) の測定の実例を紹介する。
 また種々のタンパク質消化酵素を用いたペプチドマッピングによる結合部位の特定、ならびに各々の結合部位における占有率の算出についても紹介する。

  1. インタクト
    1. 疎水性相互作用クロマトグラフィー (HIC) によるCys-ADCの分離
    2. サイズ排除クロマトグラフィー質量分析法 (SEC/MS) による脱糖鎖したCys-ADCの測定
    3. 逆相液体クロマトグラフィー質量分析法 (RP-LC/MS) によるLys-ADC測定
    4. 専用ソフトウェアによるDAR算出
  2. ペプチドマップ
    1. トリプシン消化したCys-ADCのペプチドマップによる結合部位確認
    2. トリプシンおよびAsp-Nにより消化したLys-ADCの結合部位確認ならびに占有率の算出
    • 質疑応答

第3部. 抗体薬物複合体の構造解析とリンカー設計

(2017年5月10日 15:15〜16:45)

 抗体薬物複合体 (Antibody-Drug Conjugate; ADC) において、リンカーは、抗体と薬物を結合するはたらきを持つが、血中では薬物が抗体に安定に結合し、一方、病変部位においてのみ、速やかに薬物を放出できるような構造でなければならない。ADC開発においては、抗体が到達する場所や薬物の作用機序にマッチしたリンカーを設計・合成することが必須である。均一構造のADC合成は、薬物の安全域を広げ、薬物動態や薬効が均一なることや、合成時の再現性の点から現在精力的に研究されている。
 本セミナーでは最近の均一構造ADC の合成の進展に焦点を当て、抗体への結合様式、薬物放出方法を概説する。 また、ADC に用いられ始めた薬物や薬物放出の確認手法についても触れる。

  1. ADC 開発におけるリンカーの重要性
  2. 初期のリンカーの構造と問題点
  3. 均一構造ADCの作成の意義と試みの例
  4. 生物直交性反応の進展と抗体への付加、薬物放出
  5. 抗体とリンカーの結合様式
    1. 酵素による抗体アミノ酸配列特異的付加法
    2. 糖鎖を介した結合法
    3. in vitro タンパク合成法による部位特異的非天然アミノ酸の導入
  6. 薬物とリンカーの結合様式と放出機構
    1. 酵素による薬物放出
    2. 光による薬物放出
  7. ADC に用いられる新しい薬物
    • 質疑応答

講師

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 54,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 59,400円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 108,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 162,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/12/24 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2024/12/24 インド・中国における医薬品薬事戦略と現地対応ノウハウ オンライン
2024/12/24 核酸医薬品の品質管理および分析・評価のポイント オンライン
2024/12/24 体外診断用医薬品における承認申請書作成ノウハウおよびPMDA相談のポイント オンライン
2024/12/25 承認申請・メディカルライティングコース オンライン
2024/12/26 簡便化、抜け防止の観点をふまえたGMP SOP/製造指図記録書の形式・作成 (改訂) ・記入方法 オンライン
2024/12/26 原因解明に基づいた軽減戦略、擬陽性の削減戦略、スクリーニングのプラットフォームと管理戦略の提案 オンライン
2024/12/26 再生医療等製品/細胞治療製品における規制要件の理解と申請書作成のポイント (入門講座) オンライン
2024/12/26 原薬GMP/ICH Q7・Q11の要件理解と原薬プロセスバリデーション実施時の注意点 オンライン
2024/12/27 PIC/Sを踏まえた治験薬GMPガイドラインと運用上の注意点および三極 (日米欧) 規制の解説 オンライン
2024/12/27 医薬品製造現場におけるコスト削減と少人数体制のQC/QA業務効率化 オンライン
2024/12/27 医薬品製造施設 (バイオ、合成原薬、固形製剤、無菌製剤) の構造設備に関わるGMP講座 オンライン
2024/12/27 ICH品質関連ガイダンス視点から考えるCTD-Q記載要求事項と効率的申請資料作成法 オンライン
2025/1/6 開発段階に応じた治験薬GMP対応とICH Q14 (分析法の開発) への取り組み オンライン
2025/1/6 中小製薬企業のためのテーマ創出・研究開発・製品戦略の策定・推進 オンライン
2025/1/6 EU規制をベースにしたPharmacovigilance監査の基礎 オンライン
2025/1/7 動物細胞におけるバイオリアクターの装置・操作設計/スケールアップと大量培養における注意点 オンライン
2025/1/7 医薬品モダリティ (抗体/核酸/中分子/再生医療) の実用化とDDS技術の特許戦略 オンライン
2025/1/7 再生医療等製品の製造現場におけるGCTP適合性調査対策のポイント オンライン
2025/1/8 アレニウス式加速試験におけるプロット作成と予測値の取扱い オンライン

関連する出版物

発行年月
2011/8/24 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座
2011/8/3 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2011/7/10 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書
2011/7/5 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針
2011/7/1 コンピュータバリデーション実施の手引き
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
2011/5/26 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション (中級編)
2011/5/25 超入門 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション
2011/4/20 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応実践講座
2011/1/28 3極GMP/局方における無菌性保証と査察対応
2011/1/25 供給者監査実施のノウハウと注意点
2010/12/1 「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応準備の手引き
2010/11/29 FDA Part11査察再開と欧州ANNEX11要求対応
2010/11/25 EDC適合性調査と医療機関事前対応
2010/8/20 3極GMP査察対応シリーズ
2010/5/27 CMCレギュレーションとドラッグマスターファイル(DMF)作成入門
2010/4/20 高血圧対応製品の研究開発動向と市場分析
2009/6/5 非GLP/GLP試験・医薬品製造の国内・海外委託と適合性調査対応
2009/2/23 社内監査の手引き
2009/2/10 臨床試験におけるEDCに関する信頼性調査への対応実践講座