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高圧水素タンクの材料設計と劣化評価

高圧水素タンクの材料設計と劣化評価

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、金属、CFRP、ゴムなどの高圧、低・高温下での水素劣化の要因解明と耐久性、信頼性の評価、最新の規制動向について詳解いたします。

開催日

  • 2017年3月28日(火) 10時00分 16時20分

修得知識

  • CFRP製圧力容器の補強方法
  • フィラメンントワインディング法によるCFRP製圧力容器・グリッド構造の成形方法
  • 有限要素法を用いたCFRP製圧力容器の解析方法

プログラム

第1部 CFRP製圧力容器の補強方法とその効果

(2017年3月28日 10:00〜11:20)

 CFRP製圧力容器の破裂圧力の向上と軽量・低コスト化を目的に、既存のCFRP製圧力容器を形状記憶合金ワイヤとグリッド構造で補強し、その効果を実験と有限要素法解析で評価した結果について紹介する。

  1. フィラメントワインディング成形
  2. 自動車用CFRP製圧力容器
    1. 圧縮天然ガス自動車用容器
    2. 燃料電池自動車用容器
  3. CFRP製圧力容器の補強方法
    1. 形状記憶合金ワイヤによる補強
    2. グリッド構造による補強
  4. 破裂実験による補強効果の検証
    1. 形状記憶合金ワイヤで補強したCFRP製圧力容器
    2. グリッド構造で補強したCFRP製圧力容器
  5. 有限要素法解析
    1. 形状記憶合金ワイヤで補強したCFRP製圧力容器
    2. グリッド構造で補強したCFRP製圧力容器
  6. 最適構造設計
    1. 形状記憶合金ワイヤで補強したCFRP製圧力容器
    2. グリッド構造で補強したCFRP製圧力容器
    • 質疑応答

第2部 高圧ガス容器・CFRP複合容器の設計・要求課題と開発動向

(2017年3月28日 11:30〜12:50)

  1. はじめに
  2. 水素の供給プロセス
  3. 各種の高圧水素容器
  4. CFRP高圧複合容器の製造方法
    1. アルミニュウム合金 (A6061) ライナの製造方法
    2. ブラスティックライナ (PL) の製造方法
    3. CFRP層の製造方法
  5. 水素の急速充填時の温度挙動
  6. これまでに実施された各種の高圧水素関連安全性評価試験
  7. CFPP複合容器への要求仕様
    1. 各種の試験項目とその目的・概念
    2. CNGV及びFCV搭載容器用技術基準の比較
  8. CFRP複合容器の設計上の留意点
    1. CFRP層の設計
    2. Type3ライナ用アルミニュウム合金 (A6061 – T6)
      1. 水素脆化
    3. Type4口金用ステンレス
      1. 水素脆化
    4. Type4ライナ用プラスティック
      1. 低熱伝導率
      2. 水素透過性能
      3. 繰返し高圧水素環境下でのプラスティックライナの耐久
  9. 水素ステーション用蓄圧器の設計上の留意点
    1. 水素脆性
    2. Type1及びType2容器の導入事例
  10. 今後の課題
    1. 海外の技術基準の動向
    2. 規制緩和への取組
    3. 鉄鋼材料の蓄圧器用高圧水素容器への適用
    4. Type4容器用プラスティックライナの耐久性の検証と開発
  11. まとめ
    • 質疑応答

第3部 ハイブリッド水素容器の開発とその特性

(2017年3月28日 13:30〜14:50)

 水素は、燃料電池を動力源として搭載した燃料電池自動車の燃料として注目され、現状のガソリン自動車と同等の航続距離を確保することが可能な水素貯蔵システムが必要とされている。
 常温常圧下で気体の水素を貯蔵するために、従来は高圧圧縮水素、液体水素、水素貯蔵材料等を用いる方法が挙げられる。しかしこれらの方法では、水素貯蔵特性、利便性、安全性、コストなどの面で一長一短がある。
 今回は、軽量複合高圧容器と水素貯蔵材料を組み合せ,小型で軽量の貯蔵システムの構築が可能なハイブリッド水素貯蔵容器及びそれを用いた水素貯蔵システム、及び、水素貯蔵材料の開発に関して紹介する。

  1. はじめに
    1. 水素の特性
    2. 水素貯蔵システムについて
  2. 高圧圧縮水素貯蔵システム
    1. 高圧圧縮水素貯蔵について
    2. 高圧圧縮水素貯蔵の課題
  3. ハイブリッド水素貯蔵システム
    1. ハイブリッド水素貯蔵容器の概要
    2. ハイブリッド水素貯蔵容器の特性
    3. ハイブリッド水素貯蔵システムの開発
  4. ハイブリッド水素貯蔵システムと水素貯蔵材料
    1. 水素貯蔵材料の性質について
    2. 水素貯蔵材料の特性とハイブリッド水素貯蔵システム
    3. 高圧水素と材料
    4. 水素貯蔵材料の開発
    5. ハイブリッド水素貯蔵システムの安全性と耐久性
  5. まとめと課題
    • 質疑応答

第4部 高圧水素ガス中での材料評価技術

(2017年3月28日 15:00〜16:20)

 高圧水素ガスに曝された材料の強度や延性が低下する現象は水素脆化と呼ばれ、貯蔵タンクの安全性を低下させる。この脆化現象を克服するには高圧水素ガス中での評価試験が必須である。
 本講座では、弊社が保有する試験機を中心に、高圧水素ガス中での曝露試験・引張試験・疲労試験による材料評価技術、高圧での圧力容器の評価技術、拡散性水素の分析ついて、評価事例を交え紹介する。

  1. 鋼の水素脆化
    1. 鋼中への水素侵入
    2. 鋼中での水素の特異な状態
    3. 水素脆化のメカニズム
  2. 高圧水素ガス中での評価技術
    1. 高圧水素ガス中での曝露試験
      1. 評価事例「一定荷重下での鉄鋼材料のき裂進展に及ぼす水素の影響」
    2. 高圧水素ガス中での引張試験
      1. 評価事例「各種材料の引張強度に及ぼす水素の影響」
    3. 高圧水素ガス中での疲労試験
      1. 評価事例「繰り返し荷重下でのステンレス鋼のき裂進展速度に及ぼす水素の影響」
  3. 水素ガスを用いない評価技術
    1. 高圧容器の評価技術
    2. 拡散性水素の分析
    • 質疑応答

講師

  • 坂田 憲泰
    日本大学 生産工学部 機械工学科
    専任講師
  • 高野 俊夫
    JFEコンテイナー 株式会社 高圧ガス容器事業部
    技監
  • 竹市 信彦
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 エネルギー・環境領域 電池技術研究部門 新エネルギー媒体研究グループ
    グループ長
  • 小出 賢一
    日鉄住金テクノロジー 株式会社 尼崎事業所 材料評価部 材料機能評価室
    主幹

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

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