他家細胞の品質・安全性確保とその入手法および培養法
東京都 開催
会場 開催
開催日
-
2016年12月9日(金) 10時30分
~
17時15分
修得知識
- 他家細胞の治験・商業利用に必要な仕組み
- 他家細胞の治験・商業利用の取組みの事例
- 高品質な他家細胞の入手ソース
- 安全性の高い培養法
プログラム
第1部. 他家細胞の安全性・品質を巡る規制動向と今後の方向性
(2016年12月9日 10:30〜12:00)
先般、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律 (通称:再生医療安全性新法) 」、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 (通称:薬機法) 」が整備され、再生医療等製品の特性を踏まえた規制の構築が進んだ。これを受け、更なる再生医療等製品の実用化が望まれるところである。
本講演の中では、これまでの経緯も踏まえ、特に非臨床段階での安全性・品質に関する規制の状況について紹介すると共に、臨床研究から治験へのヒトへの介入研究段階での論点を整理し、規制に対して適切に対応するために、「現状のベストサイエンス」によって明らかにされるべき安全性・品質評価の内容について紹介する。
- これまでの経緯について
- 整備された法的枠組みとその概要について
- 行政側の政策について
- 規制の整備状況について
- 再生医療安全性新法と薬機法の差違について
- 安全性ならびに品質評価での要求事項について
- 多能性幹細胞に関する造腫瘍性の議論について
- 今後への期待
- 質疑応答
第2部. 他家細胞の安全性管理、品質管理
(2016年12月9日 12:45〜14:15)
他家細胞の安全性管理、品質管理においては、まず基礎となる細胞を培養する技術・知識が必要不可欠である。本講座では細胞培養に関する技術や知識に関してもう一度見直しを行いながら、他家細胞の培養においてリスクとなりうる要点を整理し、安全性管理、品質管理に関して概略を解説する。
特に微生物やウイルス等の感染リスク、造腫瘍性などの安全性管理と細胞生存率、細胞同一性試験などの品質管理について、その内容・対応について学ぶことでスキルアップを目指します。
- 細胞バンク事業における細胞培養の基礎
- 細胞培養における問題点・リスクの整理
- 微生物感染リスクに対する管理
- ウイルス感染リスクに対する管理
- 造腫瘍性に対する管理
- その他の安全性管理
- 細胞生存率等の品質管理
- 細胞同一性確保のための検査の重要性
- 日常の細胞培養管理方法
- 細胞保管・輸送等における品質管理
第3部. 多能性幹細胞由来免疫制御細胞による他家細胞の拒絶反応抑制技術
(2016年12月9日 13:30〜14:45)
近未来の医療として考えられていた多能性幹細胞 (PSC) を用いた再生医療はもはや現実のものとなってきている。理想的には、患者自身の細胞から作製したiPS細胞から必要な細胞・組織を分化誘導し、移植するという方法であろう。
しかし現実的には、ES細胞やiPS細胞バンクに由来する細胞や組織を移植することになると推測される。つまり、そのほとんどのケースで免疫学的に他者間での移植となるため、免疫抑制剤の使用を避けては通れない。現代の免疫抑制剤は非常に優れているが、いまだ問題点も多く、移植片特異的な免疫抑制法の開発が強く望まれている。私たちは、多能性幹細胞を用いる新時代の移植医療において効果を発揮する免疫制御法の開発を目指し研究を行っており、その一端をご紹介したい。
- 臓器移植と拒絶反応
- 他家移植医療において留意する免疫学的事項
- PSCを用いる移植医療において考慮すべき免疫学上の留意点
- 移植医療と免疫制御
- 免疫抑制剤を使用し続けることにより生じる諸々の問題
- 免疫抑制剤離脱を可能にする免疫制御の方法
- PSCを用いる移植医療に適用する免疫制御法の構想
- PSC由来免疫制御性細胞
- PSCを用いる移植医療に適用する免疫制御法の実験例
- PSCを用いる免疫制御法の現行移植医療への応用
- 質疑応答
第4部. 移植用他家間葉系幹細胞の入手方法と高品質細胞の大量増幅および製剤化
(2016年12月9日 15:00〜16:30)
細胞/組織の輸入/輸出には多くの障壁があるので、国内で、細胞/組織を入手する方法が望まれている。株式会社ツーセルは、大阪大学の未来医療センターおよび整形外科と協力して、膝手術での余剰 (残余) 滑膜検体 (医療廃棄物) より間葉系幹細胞を分離、培養している。そして、これらの細胞を基礎研究のみならず治験や商業利用へ活用できる仕組みをつくった。すなわち当初の包括同意 (研究、全臨床、治験、商業利用) 以外に、商業利用のためにドナーの再同意を得ている。
本日は、ヒト移植用組織 (滑膜) の具体的な入手方法、無血清培地STK1/2を用いた高品質の間葉系幹細胞の大量増幅および移植用細胞製剤gMSCの製造について述べる。またヒト臍帯由来間葉系幹細胞の入手状況についても述べる。
- 大阪大学未来医療センターおよび整形外科との共同研究
- 大阪大学未来医療センターの幹細胞バンク
- 大阪大学およびツーセル社倫理委員会での承認
- ドナーの包括同意と再同意
- ドナーの選択
- 細菌、マイコプラズマ、ウイルス検査
- HLA型解析
- 血清不使用による安全性の確保
- 臨床用無血清培地中の生物由来材料の安全性検討
- 臨床用無血清培地による高品質細胞の大量培養
- gMSC1の製剤化
- gMSC1による治験の準備
- gMSC1の品質管理
- 他家臍帯由来間葉系幹細胞の入手方法
- 他家細胞と自家細胞の品質、安全性、培養コスト
- 他家間葉系細胞治療の今後の展望
- 質疑応答
講師
浅野 武夫 氏
大阪大学
大学院 医学系研究科
医療経済産業政策学寄付講座
准教授
小原 有弘 氏
国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所
培養資源研究室
研究リーダー
和田 はるか 氏
北海道大学
遺伝子病制御研究所
免疫生物分野
講師
加藤 幸夫 氏
株式会社 ツーセル
研究本部
取締役 / 本部長
主催
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