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空中ディスプレイの立体像表示技術と応用可能性

空中ディスプレイの立体像表示技術と応用可能性

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、何も無い空間に映像を浮かべたり、絵や文字を書き込んだりできる新しいディスプレイ技術とその応用、市場性について解説いたします。

開催日

  • 2016年11月22日(火) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 ライトフィールドディスプレイの原理と応用可能性

(2016年11月22日 10:00〜11:30)

 ライトフィールドは光を7次元の情報をもつ光線ととらえて取り扱う概念で、近年、急速に研究が進んでいる。ライトフィールドディスプレイは、このライトフィールドを再現するディスプレイで、光をより正確に再現するためのディスプレイ技術であり、光学とコンピュータサイエンス、エレクトロニクスの統合技術である。今後、ライトフィールドの再現性能を向上させるという観点で、ディスプレイ技術が進化することが予想される。
 本講義では、ライトフィールドの考え方について基礎から始まり、ライトフィールドディスプレイの原理、ライトフィールドディスプレイの応用例、最新の研究動向について解説する。

  1. ライトフィールドの基礎
    1. ライトフィールドとは何か
    2. ライトフィールドの定式化
    3. ライトフィールドの背景・歴史
    4. ライトフィールドの理論的基礎・特性
  2. ライトフィールドディスプレイの原理
    1. 標本化方式ディスプレイ
    2. テンソルディスプレイ
  3. ライトフィールドディスプレイの応用
    1. 立体ディスプレイ
    2. 焦点調節機能付きライトフィールドディスプレイ
    3. ヘッドマウントディスプレイへの応用
    4. メガネ型ディスプレイへの応用
  4. ライトフィールドディスプレイの最新研究事例
    1. コンピュータサイエンス分野の研究事例
    2. 光学分野の事例
    • 質疑応答

第2部 再帰反射シートを用いた空中映像の表示技術

(2016年11月22日 12:10〜13:40)

 SF映画で描かれるような空中に浮かぶ透明なスクリーンをジェスチャーで操作するシステムや、空中に映像が飛び出しているディジタルサイネージを目指した研究について、紹介します。
 導入部では、情報の存在を見せない状況から顕在化することで観察者の注意を喚起するアンコンシャス画像技術について紹介します。
 次に、視覚による奥行き知覚のメカニズムについて説明します。その後、再帰反射による空中結像技術 (AIRR) について、原理と特長を解説します。
 さらに、3次元カメラを併用した空中インタフェースや、等身大の空中映像を形成する大画面空中ディスプレイ、3次元映像の空中表示など、最近の空中ディスプレイ研究の成果を紹介します。

  1. はじめに
    1. 研究の動機
    2. アンコンシャス画像技術
  2. 視覚による奥行き知覚のメカニズム
    1. 眼の構造と機能
    2. 奥行き知覚の生理的要因
    3. 奥行き知覚の心理的要因
  3. 再帰反射による空中結像 (AIRR)
    1. AIRRの原理
    2. AIRRの特長
    3. AIRRによる空中LEDスクリーンの形成
  4. 最近の空中ディスプレイ研究の進展
    1. 空中スクリーンを用いたインタラクション
    2. 大画面空中ディスプレイ
    3. 空中3Dディスプレイ
  5. おわりに
    1. まとめ
    2. 今後の展開
    • 質疑応答

第3部 ホログラフィック3次元ディスプレイの開発動向と広視域・大画面化技術

(2016年11月22日 13:50〜15:20)

 近年、映像技術は2018年の8K放送の実用放送化、VR/ARウェアラブル技術の普及など盛んになっています。更なる高臨場感ディスプレイの開発に向けて3次元映像技術に対する期待が高まるものと期待されます。
 その中でホログラフィー技術は古くから期待されていますが、実用化に向けて技術的ハードルが高いものと認識されていると思います。
 しかしながら重要なキーデバイスである空間光変調素子の研究・開発において、高速動作、狭ピッチなどの魅力的な素子が生まれています。
 本講座では、システム開発及び要素技術開発の両面からホログラフィーによる3次元ディスプレイの現状を紹介し、今後の展望を述べます。

  1. ホログラフィーの原理
  2. 電子ホログラフィック3次元ディスプレイ
    1. システム構成
      • 空中像再生
      • ウェアラブルタイプ
    2. 電子ホログラフィック3次元ディスプレイの課題
  3. 電子ホログラフィック3次元ディスプレイの研究動向
    1. 広視域化
    2. 再生像の拡大
    3. 空間光変調素子の開発動向
  4. 位相変調型ホログラフィック3次元ディスプレイ
    1. 利点と欠点
    2. 位相分布最適化
    3. 2値位相分布による3次元ディスプレイ
  5. 今後の展望
    • 質疑応答

第4部 空中像光学系を用いた現実拡張

(2016年11月22日 15:30〜17:00)

  1. 研究領域の俯瞰
    1. 画像を光線の集合として捉える
    2. 要素技術から現実拡張へ
  2. VRにおける空中像の意義
    1. 接眼光学系
    2. ハンドヘルドディスプレイ
    3. 空中像提示
    4. プロジェクションマッピング
  3. 空中像の光学系
    1. 鏡による虚像
    2. レンズによる実像
    3. 実像鏡による実像
  4. 空中像光学系を用いた現実拡張
    1. Above by Behind
      • MARIO
      • OpaqueLusion
      • MRsionCase
    2. On by Under
      • LumisightTable
      • HoVerTable
    3. On by Behind
      • EnchanTable
      • beyooooonD
    • 質疑応答

講師

  • 小池 崇文
    法政大学 情報科学部
    教授
  • 山本 裕紹
    宇都宮大学 大学院工学研究科 先端光工学専攻
    教授
  • 的場 修
    神戸大学 システム情報学研究科 システム科学専攻
    教授
  • 苗村 健
    東京大学 大学院 情報学環
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
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  • 2名様以上でお申込みの場合、
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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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