技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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本書は、画像認識の基礎と応用、特にHLAC特徴を用いた学習型汎用認識方式とその応用を纏めたものである。
認識(一般に情報)システムの構成法においては、特に理論的なアプローチと数理的な手法が重要かつ有効である。その基礎となるのが、画像などの多変量データを解析するための手法である多変量解析手法であり、また確率統計的手法である。そして、それらの更に基礎となるが、線形代数である。この観点から、著者はこれまでパターン認識の理論、特に特徴抽出理論の研究を行なってきた。そして、その実践的な応用として、多変量解析手法の画像処理及び認識への応用、更にHLAC 特徴と多変量解析手法を組み合わせた学習型汎用認識方式を提案し、画像認識や動画像認識などへの多様な応用展開を行なってきた。
これらの研究成果を纏めて、併任先の東京大学機械情報工学科および同大学院知能機械情報学専攻において「パターン情報学」と「知能情報学」の講義を行なってきた。また、それらを1 日ないし2 日のチュートリアル形式に短縮して、トリケプスのセミナー講演等を行なってきた。本書は、それらの内容に加筆補充して本の形に纏めたものである。その意味で、本書は画像認識に関する種々の手法を広く紹介したいわゆる教科書ではない。基礎から応用まで、言わば根から幹、枝葉まで、著者のこれまでの研究を通しての思想を一本の木として筋を通し、特に画像認識の側面を概説したものである。これによって、読者は、画像認識の基本的な枠組や基礎、及び一般的で汎用的な手法を習得して、それぞれの応用課題に展開応用していただきたい。
HLAC 特徴を用いた学習型汎用認識方式の提案自体は、約35 年前(1978 年)と古く、注目特許や学会の賞も受賞していたが、1980 年代後半から世の中はニューラルネットワークのブームとなり、また著者も国のRWCプロジェクトで忙しく、その後注目されずにいた。近年になって、併任先の大学での学生指導テーマとして再展開し、成果発表が学会の多くの賞に繋がったこともあって、再認識されるようになった。
画像認識(視覚システム) への期待は、近年、益々大きくなっている。防犯分野での監視カメラ、生産分野での製品の外観検査、医療分野での各種の画像解析や組織検査など、多岐の分野にわたっている。これらのニーズに呼応して、画像認識の研究が国際的にも
盛んに行われていて、様々な手法が提案されている。本書が、これらの基礎からの理解として、画像処理や画像認識分野で研究及び開発に活躍される読者、またその分野を志す若い学生の読者にとって参考になれば幸いである。
本書全体の構成は、大きくは基礎編と応用編から成っていて、以下の通りである。
序論(1 章)では、画像認識の諸側面と、ニーズ(応用分野)及びシーズ(方法論)について概観する。
基礎編では、まず、画像処理及び画像認識の一般的な枠組と基礎的な事項について述べ(2 章)、基礎としての多変量解析手法(3 章)、更に画像認識を含むパターン認識の一般的な枠組と特徴抽出の理論について概説する(4 章)。特に幾何学側面としての不変特徴抽出と統計的側面としての判別特徴抽出の2 段階からなる特徴抽出が重要であることを示して、それぞれの理論と手法を解説する。そして最後に、これらの理論の実践として提案した、高次局所自己相関(HLAC/CHLAC) 特徴と多変量解析手法を組み合わせた「適応学習型汎用認識システム(ARGUS)」の構成方式について説明する(5 章)。
応用編では、まず、画像処理・認識への多変量解析手法の直接的な応用事例について紹介し(6 章)、続いて、適応学習型汎用認識システム(ARGUS) の具体的な応用として、HLAC 特徴を用いた画像認識(7 章)、CHLAC 特徴を用いた動画像認識(8 章)、更に、対応関係の学習と検索(9 章)、時系列データの解析と認識(10 章)への応用事例をできるだけ数多く紹介する。
画像認識の基礎としての多変量解析やパターン認識の、更に基礎となる線形代数や確率統計については、必要最小限の知識を簡潔に纏め付録とした。参考にしていただきたい。
なお、本書での手法の多くは、(独立行政法人)産業技術総合研究所の知財(特許やソフトウェア)となっている。利用については知財部に照会されたい。
第I部 基礎編
第II部 応用編
開始日時 | 会場 | 開催方法 | |
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発行年月 | |
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