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電磁波吸収・シールド材料の設計と高周波・広帯域化

電磁波吸収・シールド材料の設計と高周波・広帯域化

~電波帯域ごとの材料の選定方法と設計指針を徹底解説~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年9月7日(水) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 電磁波シールド“紙” – カーボンナノチューブ複合紙の開発とその応用 –

(2016年9月7日 10:00〜11:30)

 近年、ナノテクノロジー分野で注目されているカーボンナノチューブについて、その特徴を紹介する。カーボンナノチューブの数ある応用の中から一風変わったものとして、紙との複合材である「カーボンナノチューブ複合紙」を紹介する。
 「紙」であることから「柔らかさ」を持ち、複合具合で導電性もコントロール可能である。これが電磁波シールドとしても使用可能であることを電磁波シールドの基礎、またほかの応用例とともに紹介する。

  1. カーボンナノチューブとは?
    1. カーボンナノチューブの歴史
    2. 優れた特徴・性質
    3. 多数の応用性
  2. カーボンナノチューブ複合紙とは?
    1. なぜ複合材か?
    2. なぜ和紙か?
    3. 作製手法
    4. 応用展開
  3. 電磁波シールドになる“紙”!?
    ~カーボンナノチューブ複合紙の電磁波シールド応用~
    1. 電磁波吸収の基礎
    2. シールド特性の測定・評価法
    3. カーボンナノチューブ複合紙のシールド性能
    4. “紙シールド”の応用性
  4. まとめ・今後の展望
    • 質疑応答

第2部 電磁波吸収材料の吸収周波数の高周波化・広帯域化

(2016年9月7日 12:10〜13:40)

  1. 電磁波
    1. 電磁波とは
    2. 周波数帯名称
    3. 電磁波の発生方法
    4. 電磁波のセンシング方法
  2. 電磁波吸収体
    1. 定義
    2. 原理 (吸収メカニズム)
    3. 種類 (形態等)
  3. 電磁波吸収帯材料の電気磁気的な性質
    1. 導電率,複素誘電率,複素透磁率
  4. 電磁波の反射・透過のメカニズム
  5. 電磁波吸収体の設計指針
    1. 設計指針
    2. 材料選択
    3. 形状選定
  6. 電磁波吸収体の評価方法
    1. 材料評価法,
    2. 吸収特性の評価法
    • 質疑応答

第3部 電磁波シールド材料のメカニズムと材料設計の考え方

(2016年9月7日 13:50〜15:20)

 電波吸収体は、今日では無線LAN (2.4GHzと5.2GHz) 、携帯電話及びスマートフォン (800MHz~2.0GHz) 、bluetooth (2.4GHz) 、電力線通信 (~2GHz) 、実用化したETC (Electronic Toll Collection、自動料金支払いシステム、5.8GHz) や、自動改札システム (13.56MHz) 、交差点での衝突防止システム (700MHz) 、自動車衝突防止システム (Intelligent Transport Systems、高度道路交通システム、76GHz) のような遠方界応用の場合高周波帯域の電磁波が利用されている。一方、近傍界応用としてパソコン及び携帯電話・スマートフォンの内部, 自動車のインバータからのノイズ抑制には電磁波抑制シートが多く使用されている。
 遠方界応用から近傍界応用まで使用される周波数、電波種に従って電波吸収体材料及び電波吸収構造が変化している。遠方界から近傍界の特性評価方法、特性シミュレーションの実例を示して概説する。

  1. 電波吸収とは
    1. 空間をどのように電波は伝播するか
    2. TE波、TM波、円偏波とは
    3. 界面で電波はどのように反射するか
    4. 電波が物質に入射するときの反射、吸収、透過
    5. 材料は電波をどのようにして吸収するか
    6. 電波吸収と電波シールドの違いとは
    7. 導電性電波吸収体とは
  2. 空間で使用する電波吸収体の設計 (遠方界) とは
    1. 材料定数をどのようにして測るのか
    2. 同軸導波管法 (400MHz~23GHzによる材料定数の測定
    3. 空間法 (~110GHz) による材料定数の測定
    4. 自由空間による電波吸収特性 (反射損失、中心周波数) はいかにして測るのか
    5. 自由空間TE波斜入射特性とは
    6. TM波斜入射特性とは
    7. 円偏波斜入射特性とは
  3. 電波抑制 (シールド) シートの設計法 (近傍界)
    1. 磁性シート、誘電性シート、磁性・誘電性シートの複素透磁率
    2. 複素誘電率の高周波特性評価
  4. 近傍界測定法とは
    1. イントラ・デカップリング・レシオ (ITDR) 法
    2. インター・デカップリング・レシオ (IDR) 法
    3. トランスミッション・アッテネーション・パワー・レシオ (TAPR) 法
    4. ラジエーション・スプレッション・レシオ法
    5. TAPR法による誘電体シートの評価, 磁性体シートの評価,導電性シートの評価
    6. EEM-FDM法による導電性シートのTARPシミュレーション
    • 質疑応答

第4部 電磁波吸収ゴムシートの設計とEMCの設計例

(2016年9月7日 15:30〜17:00)

 従来のノイズ抑制シート等の電磁波吸収ゴムシートは、EMC対策として使用されてきたが、困ったときの絆創膏であった。これでは、いつまでの対策部品であり、設計段階からの参入は困難である。
 そこで、電磁波吸収シートの設計と、EMC問題を設計段階から使用できるように高周波増幅器を例にとり、理論設計を行い、シートの設計部品化を行った。今後、当該シートの設計部品化を強く望む。

  1. はじめに
    1. 会社紹介
  2. 電波吸収・ゴムシートの製造と基礎特性の把握
    1. 軟磁性金属粉末の箔片化処理
    2. 混合 (ミキシングロール)
    3. 圧延 (カレンダーロール)
    4. 複合材料断面の軟磁性金属粉末の電子顕微鏡観察
    5. 複合材料のμr、εrの把握
    6. 同軸短絡法によるμrの測定
    7. 粒子含有量、粒子形状・配向、粒子径の複合材料特性への影響
    8. 導波管Sパラメータ法による異方性定数の測定
  3. 電波吸収・ノイズ抑制ゴムシートのEMC対策
    1. 高周波 (例えば、準ミリ波、ミリ波) 電子機器筐体内カップリング抑制の最適設計
    2. 回路基板 (マイクロストリップ線路) 上に貼付したコモンモードノイズの抑制効果の測定および解析
    3. トロイダル型ローパスフィルター効果
  4. ゴムシートの適用事例
    • 質疑応答

講師

  • 大矢 剛嗣
    横浜国立大学 大学院 工学研究院
    准教授
  • 吉門 進三
    同志社大学 理工学部 電子工学科
    教授
  • 山本 孝
    防衛大学校
    名誉教授
  • 齋藤 章彦
    大同特殊鋼 株式会社 技術開発研究所 軟磁性材料研究室
    主席研究員

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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