第1部. ヒトiPS細胞のin vitro神経毒性評価試験への応用
(2016年1月14日 10:30〜12:00)
医薬品等の化学物質が引き起こす種々の神経毒性は、主 にin vivo曝露試験を用いて評価されているが、生物種差、 コスト、動物愛護等の観点から多くの問題を有し、より 効果的な代替試験法の開発が求められている。近年開発 されたiPS細胞は、倫理的課題を回避した手法で樹立され たヒト多能性幹細胞であり、in vitro創薬・毒性研究への 応用に大きな期待が寄せられている。そこで本講演では、 ヒトiPS細胞を応用したin vitro神経毒性評価試験の概要と、 本技術の可能性を考察する
- 神経毒性評価試験の標準試験法とその問題点
- 神経幹細胞とは
- 神経幹細胞を用いたin vitro神経毒性評価試験の問題点
- iPS細胞とは
- iPS細胞を用いたin vitro神経毒性評価試験の優位性
- iPS細胞作製・培養技術
- iPS細胞からの神経上皮前駆細胞/神経幹細胞への分化誘導技術
- iPS細胞を応用したin vitro神経毒性評価試験の実例
- iPS細胞を応用したin vitro神経毒性評価試験の課題
- まとめ
第2部. ヒトiPS細胞の薬剤安全性評価への応用
(2016年1月14日 12:45〜14:15)
2007年にヒトから樹立されたヒトiPS細胞は様々な体細胞から樹立できることから、創薬分野での応用を含めたいち早い産業への応用が期待されている。本講演では、ヒトiPS細胞由来機能細胞の実用化・市販化の状況について最新の知見について、薬剤安全性評価の観点から紹介したい。
- 薬剤安全性評価とヒトiPS細胞由来機能細胞に対する期待
- 創薬過程における薬剤安全性評価の必要性
- 利用可能なヒト細胞の種類 (細胞株、初代培養細胞、そしてヒトiPS細胞由来機能細胞)
- ヒトiPS細胞の樹立方法および培養方法について
- ヒトiPS細胞の歴史と最新の高品質なヒトiPS細胞の樹立・培養方法について
- ヒトiPS細胞から肝細胞への分化誘導方法
- ヒトiPS細胞由来肝細胞の市販化の状況
- ヒトiPS細胞由来肝細胞に対する課題とその解決法
- ヒトiPS細胞由来肝細胞の不足している機能とは何か
- 機能を向上させるための方法として、3次元培養や共培養などの手法を紹介
- ヒトiPS細胞だからこそできる安全性評価
- 肝細胞パネルや疾患特異的なヒトiPS細胞由来肝細胞を作成することにより、既存の細胞では不可能であった薬剤安全性評価が可能になることへの期待
第3部. ヒトiPS細胞の薬剤安全性評価の為の分化細胞のプロファイリング
(2016年1月14日 14:30〜15:45)