技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー
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(2014年9月2日 12:30〜13:50)
明星大学 教育学部 (理科コース) 教授
清宮 義博 氏
窒化アルミニウム (AlN) は高熱伝導性、高絶縁性の特性を併せ持つことから、パワーデバイスやLEDの絶縁放熱基板材料への応用が期待されている。
しかし、AlN基板は焼結助剤を介した焼結体であることから壊れやすく、それに加えてAlN本来の優れた熱伝導率が得られないのが大きな問題となっている。
著者は、窒素雰囲気中でルツボに充填したアルミニウム粉末にAl塊を無加圧浸透させることによって常圧下で、しかもアルミニウムの溶解温度直上でAl/AlN複合体を作り出すことに成功した。
この手法の最大の特徴は、制御不可能とされていた燃焼合成反応を制御可能にしたことである。その結果、反応時の熱処理条件を変えることでAl母相中のAlN体積率を任意に選ぶことが出来る。
つまり、材料の利用目的に応じてAlに近い性質を持つ状態から、AlNに限りなく近い状態まで任意に選べる。
この種の複合材料は原材料がセラミックスと金属であるためお互いに濡れることは無く、母相Al中に人工的にAlNを加えることが出来たとしても、それぞれの界面で剥離が生じ複合材料本来の性質が得られないのが通常である。
しかしながら、著者が提案する手法は燃焼合成反応を制御して溶融アルミニウム中からAlNを生成するため、最初から濡れた状態で複合体を形成することで複合材料特有の性質が得られる。
こうして作り出された複合材料は従来の焼結材とは異なり、通常の金属が持つ性質からセラミックスに至る性質がそのまま材料に反映しており、壊れにくく扱いやすいのが最大の特徴である。
講演では、低コストで生成したAl/AlN複合材料を原料として、いろいろな手法で得られた複合材料を紹介すると同時に実用材料への可能性について提案したいと考えている。
(2014年9月2日 14:00〜15:10)
名古屋大学 大学院工学研究科 マテリアル理工学専攻 材料工学分野 教授
宇治原 徹 氏
様々な半導体デバイスの性能向上において、半導体素子から発生する熱の放熱を以下に効率よく行うかが、重要な課題となっている。
たとえば、電子デバイスの場合は放熱がプロセッサなどの速度を律しているし、最近、省エネ技術の要として注目されているパワーデバイスにおいては、大電力を扱うことから、その重要度がより一層高い。
半導体素子からの放熱の改善においては、絶縁性基板、封止材、接着剤、グリースなどの熱伝導の向上が必要となる。
一般に、樹脂などの熱伝導率向上においては、比較的熱伝導率の高い材料をフィラーとして混合する手法が用いられる。窒化アルミニウム (AlN) は、高熱伝導性と高絶縁性を併せ持つ。そのためフィラー材として大きな期待が寄せられている。
しかし、AlNフィラー材の作製コストが高いという問題があった。我々は最近、比較的容易にAlNフィラーを作製できる手法を開発した。
しかも、この方法により形成されるフィラーはウィスカー (ひげ結晶) 状のものであり、より一層の熱伝導率向上が期待できる。
(2014年9月2日 15:20〜16:40)
長岡技術科学大学 工学部 物質・材料系 無機材料工学講座 准教授
田中 諭 氏
窒化ケイ素 (Si3N4) は、熱伝導性と機械的強度に優れた材料であり、炭化ケイ素 (SiC) 半導体の放熱基板としての実用化が期待されている。
窒化ケイ素の結晶構造は、六方晶系であり、c軸方向に粒成長することが知られている。
また、窒化ケイ素は、c軸方向に高い熱伝導率を示すことから、c軸を特定方向に配向させることによって、高熱伝導率化が期待できる。
従来押出し成形やシート成形によって配向セラミックスが作製されているが、配向方向は特性発現方向とは一致しない点が問題であった。
これに対して磁場配向プロセスでは、基板に粒子を垂直に立てることが可能であり、非常に将来性のあるプロセスであると言える。
本講演では、磁場中配向技術の原理や実際のプロセスについて、アルミナを例として紹介する。
そして、窒化ケイ素について、実験結果を用いて、説明を行う。最後に、他の適用例についても、紹介したい。
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