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CFRPの特性向上に向けた 繊維表面処理および含浸性改善技術

CFRPの特性向上に向けた 繊維表面処理および含浸性改善技術

~炭素繊維のポリマーコーティング、CNT析出 電極酸化による水酸基導入、CFRTPの含浸性改善~
東京都 開催 会場 開催

概要

CFRPのさらなる特性向上を検討する上で、炭素繊維と樹脂の接着性、なじみ、含浸性向上は重要なポイント!
そのための、炭素繊維の表面処理・改質技術や、熱可塑性CFRPの含浸性改善手法の研究開発事例を解説します。

開催日

  • 2013年4月23日(火) 11時00分 16時20分

受講対象者

  • CFRP の応用製品に関連する技術者、開発者
    • 自動車
    • 航空機、ヘリコプター
    • 船舶
    • ロケット、航空宇宙機、人工衛星
    • 軍用機
    • リニアモーターカーの車体、内装
    • 太陽電池パネル
    • 風力発電
    • プラント
    • 機械部品
    • 電池部材
    • 電子電気部品
    • 医療機器
    • 住宅・土木・建築材料
    • スポーツ用品 (自転車、釣具、ゴルフ、ラケットなど)
  • CFRP により軽量化、高強度化、振動減衰、耐疲労などを求めている方
  • CFRP に関連する技術者

プログラム

第1部 ポリマーコーティングおよびカーボンナノチューブ析出による炭素繊維の表面改質と繊維およびその複合材料特性の向上効果

(2013年4月23日 11:00〜12:20)

炭素繊維は比強度および比剛性に優れ、繊維強化プラスチック (FRP:fiber reinforced plastics) 等の強化材として幅広く用いられており、このような複合材料は航空宇宙産業をはじめとして様々な産業分野で用いられてきている。炭素繊維は様々な前駆体から形成され、ポリアクリロニトリル (PAN) 系とピッチ系からなる炭素繊維が主要なものとして市販されている。個々の炭素繊維の物理的および機械的特性は前駆体や熱処理過程により変化に富んでいる。PAN系炭素繊維は一般的に高強度であり、ピッチ系炭素繊維は高剛性、高熱および電気伝導性である。このような炭素繊維の形状、構造および機械的特性に注目し、多くの研究がなされてきた。特に機械的特性に関しては1970年代より高強度/高剛性化が急速に進み、1990年代で強度 (6 GPa) /剛性 (900 GPa) に達している。このような高強度および高剛性炭素繊維ではより高度な要求 (高性能や多機能等) に応えられる材料開発が必要である。
本講演では、炭素繊維の改質方法として、ポリマーコーティングとCNT析出について紹介する。特に、炭素繊維として高強度PAN系および高剛性ピッチ系炭素繊維を用い、これらの改質を行った際の炭素繊維およびその複合材料 (繊維束複合材料) の引張特性に及ぼす影響について述べる。また、CNTを析出させた炭素繊維については、熱伝導特性に及ぼす影響についても述べる。

  1. はじめに
    1. 研究背景
    2. 炭素繊維表面の改質技術
    3. 研究目的
  2. 材料
    1. 材料
    2. 材料の表面/構造/組織
  3. 炭素繊維表面の改質
    1. 炭素繊維表面の改質方法
    2. 改質状態とその構造
  4. 炭素単繊維の特性評価
    1. 引張特性
    2. 熱伝導特性
  5. 複合材料の特性評価
    1. 材料および作製方法
    2. 複合材料の断面性状
    3. 引張特性
  6. おわりに
    1. 研究成果のまとめ
    2. 今後の展望
    • 質疑応答

第2部 電極酸化反応による炭素繊維の表面酸化・水酸基導入とCFRPへの応用

(2013年4月23日 13:00〜14:20)

炭素繊維 (CF) に水酸基を導入する簡便な方法を開発した。このCFは親水性が高く、電極材料、CFRP (carbon fiber reinforced plastics) 、修飾電極、DDS (drug delivery system) などへの幅広い応用が可能になった。

  1. CFの電極酸化による水酸基の導入
    1. 硝酸ラジカルを用いたCFの間接電極酸化
    2. 水酸基の定量
  2. 水酸基の修飾とその応用
    1. DDSへの応用
    2. 修飾電極への応用
  3. 強化プラスチックへの応用
    1. フェノール樹脂とのCFRPの合成
    2. エポキシ樹脂とのCFRPの合成
  4. Ni-H電池の電極としての利用

  • 質疑応答

第3部 連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の含浸性改善による力学特性の向上

(2013年4月23日 14:30〜16:20)

 連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の成形における問題点を挙げ、含浸性の向上のために開発された繊維状中間材料について概説する。
 またこれらの中間材料を用いた、連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料のハイサイクル成形技術について述べる。

  1. はじめに
    1. 連続繊維強化複合材料の研究開発動向
    2. 連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料成形の問題点
  2. 連続繊維強化熱可塑性複合材料成形のための中間材料
    1. 含浸における基礎事項
    2. 様々な中間材料の長所と短所
  3. 混繊技術を用いた連続繊維強化熱可塑性複合材料成形用繊維状中間材料の開発
    1. サイジング剤量および混繊プロセスの違いが混繊糸の特性に及ぼす影響
    2. サイジング剤量および混繊プロセスの違いが一方向材料の力学的特性に及ぼす影響
    3. 混繊糸における撚り加工が一方向材料の力学的特性に及ぼす影響
  4. 連続繊維強化熱可塑性樹脂複合材料の界面と含浸の協調関係
    1. サイジング剤の影響
    2. マレイン酸変性の影響
    3. 界面特性と含浸特性の両立 (繊維の表面処理)
    4. 界面特性と含浸特性の両立 (In-situ樹脂ハイブリッド)
  5. 連続繊維強化熱可塑性複合材料のハイサイクル成形技術
    1. 電磁誘導加熱システム
    2. 引抜成形システム

  • 質疑応答

講師

  • 内藤 公喜
    国立研究開発法人 物質・材料研究機構 高分子系ハイブリッド複合材料グループ
    グループリーダー
  • 柏村 成史
    近畿大学 理工学部 理学科
    教授
  • 仲井 朝美
    岐阜大学 工学部 機械工学科
    教授

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん

5F 第4講習室

東京都 品川区 東大井5丁目18-1
品川区立総合区民会館 きゅりあんの地図

主催

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受講料

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: 42,667円 (税別) / 44,800円 (税込)
複数名
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