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セルロースナノファイバー・樹脂複合材料の技術動向と展望 / セルロース及び関連多糖類の基礎とモダン活用 (2日間)

セルロースナノファイバー・樹脂複合材料の技術動向と展望 / セルロース及び関連多糖類の基礎とモダン活用 (2日間)

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーはセルロースナノファイバーのセミナーを2テーマセットにしたコースです。
セット受講で特別割引にてご受講いただけます。
通常受講料 : 89,250円 → 割引受講料 63,000円

開催日

  • 2012年6月28日(木) 11時00分 16時30分
  • 2012年6月29日(金) 13時00分 16時30分

受講対象者

  • セルロースナノファイバーの応用分野の技術者、研究者、開発者、企画担当者
    • 高分子複合材料
    • 医療材料
    • 食品素材
    • 化粧品素材
    • エネルギー関連材料
  • セルロースナノファイバーの技術者、研究者、開発者、企画担当者
  • これからセルロースナノファイバーに携わる方
  • セルロースナノファイバーで課題を抱えている方

プログラム

第1部 セルロースナノファイバー創製技術と樹脂複合材料化の課題・展望

(2012年6月28日 11:00〜13:00)

 天然繊維の代表であるセルロースに関して、まず、これまで製造が困難であった「ナノファイバーとはどういうものか」 ということを概説する。
 次に、トップダウン的加工法として最近開発した、天然セルロース繊維を表面から分子・ナノレベルの分子集合体を引き剥がす、水のみによる微細化およびナノ分散水化法 (水中カウンターコリジョン法) およびその応用例を紹介する。
 さらに、セルロースナノファイバーを用いる複合材料化について、「ナノファイバーは細ければ細いほど利点があるのか?」の観点から検討する。

  1. はじめに
  2. ナノファイバーとは
    1. ナノサイズファイバー
    2. ナノ構造ファイバー
    3. ナノファイバーテクノロジー
  3. セルロースナノファイバーの創製
    (水中カウンタ-コリジョン法の概説を中心にして)
  4. 微生物産生セルロースナノファイバー・ネットワークへのACC法の応用
    1. マイクロバイアルセルロース・ネットワーク (ペリクル)
    2. マイクロバイアルセルロース・ネットワーク (ペリクル) からナノセルロースの創製
    3. セルロース繊維のナノ微細化とポリ乳酸とのコンポジット材料の創製
  5. 今後の複合材料化の課題・展望
    1. ナノファイバーは細ければ細いほど利点があるのか?
    2. おわりに
    • 質疑応答

第2部 セルロースナノファイバー/樹脂複合化技術と強化樹脂の物性

(2012年6月28日 13:40〜15:10)

 植物系天然資源、中でも木質系天然資源は極めて豊富で、再生産可能な資源の代表である。木材からは短い繊維=パルプが取れるが、それらは「紙」として普段の生活にはなくてはならない存在である。このパルプ、その引張強度は数百GPaと意外に強い。しかし、もっとすごいのはパルプの強さの源にある。
 竹を含め、多くのパルプはセルロース、ヘミセルロース、リグニンからなる。これらの割合はパルプの取り出し工程に影響されるが、元は2:1:1である。これらの成分の中、パルプの強さは結晶性部分を含んだセルロースのナノ繊維、MFC (Micro Fibrillated Cellulose) にある。パルプに強いせん断力を加え、解すとMFCが分離される。竹および木質パルプからは、処理の仕方によりさまざまな形態のMFCが分離できる。このMFC、微細繊維方向の引張強度は約2GPa、ヤング率も100GPaを超えると言われる優れもの。母材を樹脂 (プラスチックス) とする複合材料のナノフィラー、強化材として使えそうである。しかし、このセルロースナノファイバーを“うまく”使った例はほとんどない。
 本講演では、セルロースナノファイバーの取り出し方、その応用例について、詳細に説明する。

  1. セルロースナノファイバーとは
    • 竹とパルプ
    • パルプの構造
    • 竹パルプの取り出し方、紙以外への竹パルプの利用
    • 竹パルプからMFCを取り出す
  2. 竹MFCの利用
    • 竹パルプと竹MFCのハイブリッド
    • 完全Bio-plasticsとその実用性—-部分フィブリル化竹パルプとPLA
  3. ナノフィラーとしてのセルロースナノファイバーの工業的利用
    • 光硬化性エポキシ樹脂のじん性向上
    • セルロースナノファイバー添加によるCF/EP複合材料の耐久性の顕著な向上
    • バクテリアセルロースナノファイバー
    • 質疑応答

第3部 セルロースナノファイバーとの複合化による透明・高熱伝導フィルムの開発とその物性

(2012年6月28日 15:20〜16:30)

 セルロースナノファイバは、高強度、低熱膨張性であるとともに、高熱伝導性も有する。本講演では、セルロースナノファイバの細さ (<100nm) と高熱伝導性に着目し、無機ガラス並みの高い熱伝導性を有する透明樹脂フィルムの作製方法とその諸特性について解説する。

  1. セルロースナノファイバの諸特性
    1. 形状
      1. 外観
      2. SEM像
    2. 結晶性
      1. X線回折曲線
      2. 結晶性がセルロースナノファイバにもたらす特性
    3. 屈折率
  2. セルロースナノファイバを用いた透明高熱伝導フィルムの作製
    1. セルロースナノファイバシートの作製
    2. 透明高熱伝導フィルムの作製
    3. 透明高熱伝導フィルムの形状
      1. 外観
      2. 断面SEM像
  3. セルロースナノファイバを用いた高熱伝導フィルムの諸特性
    1. 熱伝導性
      1. サーモグラフによるデモンストレーション
      2. 測定方法
      3. 結果
      4. 形状効果の検討 (計算との比較)
    2. 透明性
      1. 媒体樹脂の屈折率と透明性の関係 (計算との比較)
    3. その他
      1. 寸法安定性
      2. 弾性率
  4. まとめ
    • 質疑応答

セルロース及び関連多糖類の基礎とモダン活用

(2012年6月29日 13:30〜16:30)

 前世紀末期より顕在化した資源環境問題を背景に、バイオマス利用の新しい成長ルートの開拓が強く望まれている。材料創製の諸分野においても然りであろう。
 本セミナーでは、バイオマス系天然高分子の代表格であるセルロース及び類縁多糖類を主対象に、それらの基本的特質と、高機能化用ポリマー素材 (材料ベース) としてモダン活用するための方法論ならびに具体例について解説する。
 バイオマス系高分子をベースとした材料利用の新規開拓とは、それらが有する天賦の構造と特性をフルに生かして (または克服して) 機能材料へと変換することに尽きる。アプローチとしては、主に物理的な手法によってプリスチン形体での顕在特性を活かした材料利用と、主に化学的な手法によって潜在特性を活かした改質形体での利用とがある。いずれにせよ、そのためには、生物由来素材としての構造ならびに特性のヒエラルキーを広域のディメンションスケールにおいて正確に究めていくことが必要である。
 演者のラボでは、セルロース系多糖類を基軸に、分子及びその集合体の物理化学的特性に係る基礎研究と、種々の化学的プロセシング法の開発を含めた応用研究をパラレルで推進し、近未来に活躍しうる環境調和型・多機能発現型の有用マテリアルに導くモダニズム路線を展開している。可能性と妙趣を感じとってもらえるセミナーとしたい。

第1部 基礎編
  1. 主要多糖の分類と特徴
    1. 多糖類の分類と命名、産出由来、化学構造上の特徴
    2. バイオマスとしての量的分布、利用のレトロスペクト
  2. セルロースの構造と特性
    1. 木質系素材の階層的な構造と特性
    2. 木質組成と成分
      • セルロース
      • ヘミセルロース
      • リグニン
    3. 繊維・フィブリル・結晶構造
    4. 分子構造特性とアセンブリー特性
  3. セルロースの反応と改質
    1. 溶剤と溶解性
    2. 置換反応、酸化還元反応、グラフト反応、および置換度パラメータ
第2部 活用編
  1. セルロース及び関連多糖のモダン活用 ~プロローグ~
    1. カラフルマテリアルズのアラカルト
    2. 高機能複合材料のキーコンポーネントとして
  2. エステル誘導体の相溶ポリマーブレンドと高性能化
    1. 汎用セルロースエステルのブレンド相溶性
    2. 層状複水酸化物ナノフィラーによる熱・機械物性の高性能化
  3. 液晶機能材料
    1. 分子性液晶
      ~イオン媒体による液晶のキラル構造と光学機能の制御~
    2. ナノクリスタル (裁断ミクロフィブリル) 液晶
      ~液晶相並びにその磁場配向相を固定化したポリマーコンポジットの創製~
  4. 新規磁性機能材料
    1. (電解質) 多糖/鉄酸化物ナノハイブリッド
    2. 光に透ける軽量木質マグプレート
    3. 異方性磁化挙動とアクチュエーター機能
      ~直近のトピックより~
    • 質疑応用・名刺交換

講師

  • 近藤 哲男
    九州大学 大学院農学研究院 バイオマテリアルデザイン分野
    教授
  • 藤井 透
    同志社大学 理工学部 機械システム工学科
    教授
  • 島﨑 譲 (島崎 譲)
    株式会社 日立製作所 研究開発グループ ヘルスケアイノベーションセンタ バイオシステム研究部
    主任研究員
  • 西尾 嘉之
    京都大学 大学院 農学研究科 森林科学専攻 生物材料機能学講座 複合材料化学分野
    教授

会場

大田区産業プラザ PiO
  • 2012年6月28日
    • 大田区産業プラザ PiO 6F D会議室
  • 2012年6月29日
    • 東京流通センター 2F 第5会議室
東京都 大田区 南蒲田1-20-20
大田区産業プラザ PiOの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 63,000円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

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