技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

3つの視点から見る注射剤不溶性微粒子と微小異物対策

3局方要件・製造現場・臨床の立場

3つの視点から見る注射剤不溶性微粒子と微小異物対策

~局方・GMP要件、現場での目視検査、生体への影響レベル~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、外観不良と言われるレベル、生体に影響が出る可能性のあるレベル、局方やGMPで定義されているレベルなど求められる基準を探り、注射剤の不溶性微粒子・微小異物問題への対策を解説いたします。

開催日

  • 2011年12月21日(水) 10時15分 17時15分

受講対象者

  • 製薬の技術者、品質管理担当者

修得知識

関連のレギュレーション・キーワード

  • FDA Guidance for Industry
  • Sterile Drug Products Produced by Aseptic Processing
  • JP 16
  • EP 6.4
  • USP32
  • 厚生労働科学研究「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針 (2011年) 改訂版」
  • EU GMP Annex 1

プログラム

第1部 3局方における不溶性微粒子の評価・試験と科学的根拠に基づく管理法

~日局16・無菌操作法、EU GMP Annex 1などグローバルな視点から~

(2011年12月21日 10:15~12:15)

 近年EU GMPが改訂され、FDAのProcess Validationの改訂がなされ、また日本の行政当局は米国の2011年1月1日にPIC/Sへの加盟が実現されたのを受けて2012年の早期段階での加盟に向けた方針が出されている。
 このような背景の下に、JP16が2011年3月末に発出され、その中でICHのPDG (Pharmacopoeial Discussion Group) の議論を踏まえた上での「不溶性微粒子の評価・試験及び測定法」がICH Q4B (各国局方の試験・分析方法、規格値、判定基準などの受け入れ) と連動して改訂されている。
 この動きは、Classification of Air Cleanliness: ISO 14644およびEU GMP, Annex 1などにも連動していると考えられる。
 これらを基に、三局の不溶性微粒子規準と管理方法に関する留意点を解説する。

 医薬品製造における微生物・浮遊性微粒子管理は、製品の最終出荷基準として各種試験のうち、生物学的試験が重要であるとして課されているが、製造プロセスにおいてエンジニアリングの視点で菌管理を捉えることが、近年欧米を中心としてPAT (Process Analytical Technology:工程解析技術) の主導と推進の奨励となって表れている。
 製剤工場では、菌汚染防止の手段の1つとして室間差圧が設けられているが、GMPでは室間差圧の根拠についての記載はなく、FDAのガイダンスなどには記載がある。したがって、科学的根拠に基づく管理の重要性の習得が極めて重要となる。

  • 医薬品製造設備の管理における微生物管理
  • 清浄度レベルによる作業所の分類
  • 空調システムの構築と留意点
  • HEPAフィルターの完全性
  • 環境モニタリング
  • 日常管理要求事項
  • 環境モニタリング判定基準例
  • 不溶性微粒子の試験と評価・測定方法
  • 不溶性微粒子と室内における微生物管理
  • 三局の国際調和に関する課題
  • 質疑応答

第2部 注射剤の外観不良対策と目視検査実施および微小異物発生防止策

(2011年12月21日 13:00~15:00)

 日本薬局方製剤総則注射剤では、別に規定するもののほか、注射剤の不溶性異物検査法に適合する。また別に規定するもののほか、注射剤の不溶性微粒子試験法に適合するとなっている。
 この要件を満足させ、定められた品質をつくり込むことを継続実施するために各企業は日夜努力し、製造工程で所定の品質がつくり込まれていることを保証する目的で最終製品を出荷前に全数検査する。
 本セミナーでは目視検査の標準化・精度評価・検査員の教育訓練および製造過程における異物混入/外観不良対策 (特に微小異物) について演者の30数年の経験から得たノウハウを紹介する。

  1. 異物の定義
    1. 異物とは
    2. 外因性異物と内因性異物
    3. 巨大異物の自主回収
  2. アンプル、バイアルの外観不良
    1. アンプル、バイアルのの成形
    2. アンプルの外観不良
    3. バイアルの外観不良
  3. 目視検査の標準化
    1. 医薬品に混入してはならない異物
    2. 不良品の規定
    3. 不良限度
    4. 不良限度見本の設定
    5. 検査方法の設定
    6. 検査手順
    7. 工程検査
  4. 検査員の教育訓練
    1. 教育訓練の必要性
    2. 教育訓練の手法
    3. 教育訓練計画と実施
  5. 目視検査のバリデーション
    1. 検査精度の確認
    2. バリデーション
  6. 異物混入、外観不良対策
    1. 巨大異物混入防止
      • 毛髪
      • 紙片
      • ゴム片
      • 繊維
      • ガラス片
    2. 微小異物混入防止
      • ゴム栓
      • アンプル
      • 滅菌トンネル
    3. 外観不良対策
      • アンプル注射剤
        • 炭化
        • 熔閉部形状 等
      • バイアル注射剤
        • 凍結不良等
    • 質疑応答

第3部 注射剤の不溶性微粒子・微小異物がもたらす生体影響と輸液フィルターの有用性

~微小異物の基準は適切か?~

(2011年12月21日 15:15~17:15)

 日局注射剤の微小異物試験では、10μm以上の微粒子数を問題にしている。
 しかし、我々は抗生物質などの凍結乾燥品には10μm以下の微粒子数が多数含まれていることを問題にした。
 また、10μmの微粒子をラットの中心静脈から投与すると、腎臓に蓄積するものの、尿中には排泄されないことを見いだした。
 日局の微小異物試法は、1960年代ではないかと思われる。分析方法の発達した現在、この試験方法の見直しが必要ではないか?
 輸液フィルター膜構造として、デプスタイプおよび中空糸膜が市販されている。デプスタイプはさらに対称膜と非対称膜に分類される。
 今回は、輸液フィルターの有用性と輸液フィルターの構造の違いによる問題点を明らかにする。

  1. 注射剤の配合変化の起きる理由
  2. 鉄コロイドの沈殿
  3. フェジンは生理食塩液には溶解できない理由
  4. 配合変化による微粒子除去に対する輸液フィルターの有用性
  5. 微小異物の発生
  6. 微小異物による人体の影響
  7. 混注操作により微粒子が増える
  8. 微粒子の体内挙動
  9. 血流感染防止対策
  10. 日本における輸液フィルターの有用性の議論
  11. カテーテル関連血流感染対策ガイドライン
  12. フィルターはどこまで耐え得るか?
  13. フィルターへの薬剤の吸着
  14. 輸液フィルターの構造
  15. 対称膜と非対称膜との真菌除去能の違い
  16. フィルターにかかる圧力測定でフィルターの閉塞を予測する
  17. 中空糸膜と対称膜と非対称膜との異物除去比較
  18. 注射シリンジのシリコンの問題
  • 質疑応答・名刺交換

講師

  • 村上 大吉郎
    平原エンジニアリングサービス 株式会社
    顧問
  • 長岡 明正
    元 塩野義製薬 株式会社 製造部 次長
  • 東海林 徹
    奥羽大学 薬学部 医療薬剤学講座 教授 薬学博士

会場

機械振興会館

6階 6D-1

東京都 港区 芝公園3-5-8
機械振興会館の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 52,500円 (税込)
複数名
: 43,000円 (税別) / 45,150円 (税込)

複数名同時受講の割引特典について

  • 2名で参加の場合、1名につき 7,350円割引
  • 3名で参加の場合、1名につき 10,500円割引 (同一法人に限ります)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/27 無菌医薬品包装規制および完全性評価手順・各種漏れ試験方法のポイント オンライン
2024/11/27 医薬品の製品開発/薬事戦略策定と新規事業計画書作成のポイント オンライン
2024/11/27 医薬品開発に使えるタンパク質の理論的デザイン法とタンパク質のフォールディング予測法 オンライン
2024/11/27 医薬品開発における効率的な開発計画策定およびスケジュール管理のポイント オンライン
2024/11/28 ICH Q12,Q14の要件と承認後変更管理 (PACMP) の具体的進め方 オンライン
2024/11/28 開発段階 (求められる要件) に応じたQbDによる製剤開発と品質規格・Validation実施範囲 オンライン
2024/11/28 安定性試験実施の留意事項と安定性試験結果の統計解析/安定性予測・評価方法および有効期間の設定 オンライン
2024/11/28 化粧品OEM/ODMにおける品質管理・保証とトラブル防止のリスクアセスメント オンライン
2024/11/28 医薬品品質試験における生データの取扱いとQC実施のポイント 東京都 会場・オンライン
2024/11/28 炎症性腸疾患における治療・薬剤選択の実際と今後の展望 オンライン
2024/11/28 バイオ医薬品の原薬製造における外来性感染性物質のクリアランスと安全性試験 オンライン
2024/11/28 残留溶媒に関する規制と申請上の留意点、規格値設定の考え方 オンライン
2024/11/28 医薬品開発における非臨床安全性評価とCTDの記載・信頼性確保 オンライン
2024/11/29 原薬製造のプロセスバリデーション実施方法とスケールアップ・MF登録申請 オンライン
2024/11/29 サプリメント (機能性表示食品) におけるGMP (製造・品質管理の基準) 実施にむけた理解と実践 オンライン
2024/11/29 非無菌医薬品における微生物学的品質管理の必要レベルと微生物限度試験法実施事例 2024 オンライン
2024/11/29 無菌医薬品 GMP入門 東京都 会場・オンライン
2024/11/29 再生医療等製品における治験薬製造の進め方とトラブル対応 オンライン
2024/11/29 動物用医薬品・体外診断薬における薬事規制と国内外市場動向 オンライン
2024/11/29 本邦におけるDecentralized Clinical Trial (DCT:分散型臨床試験) の現状と取り組み オンライン

関連する出版物

発行年月
2011/9/1 厚労省ER/ES指針対応実施の手引き
2011/8/29 グローバルスタンダード対応のためのCSV実施方法
2011/8/24 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理GL」対応 "SOP作成"実践講座
2011/8/3 「回顧的バリデーション」および「リスクアセスメント」実施方法
2011/7/10 抗癌剤 技術開発実態分析調査報告書
2011/7/5 分析機器やLIMSのバリデーションとER/ES指針
2011/7/1 コンピュータバリデーション実施の手引き
2011/6/29 3極申請対応をふまえた不純物の規格設定と不純物プロファイル管理
2011/5/26 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション (中級編)
2011/5/25 超入門 厚生労働省ER/ES指針、21 CFR Part 11とコンピュータバリデーション
2011/4/20 厚生労働省「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応実践講座
2011/1/28 3極GMP/局方における無菌性保証と査察対応
2011/1/25 供給者監査実施のノウハウと注意点
2010/12/1 「コンピュータ化システム適正管理ガイドライン」対応準備の手引き
2010/11/29 FDA Part11査察再開と欧州ANNEX11要求対応
2010/11/25 EDC適合性調査と医療機関事前対応
2010/8/20 3極GMP査察対応シリーズ
2010/5/27 CMCレギュレーションとドラッグマスターファイル(DMF)作成入門
2010/4/20 高血圧対応製品の研究開発動向と市場分析
2009/6/5 非GLP/GLP試験・医薬品製造の国内・海外委託と適合性調査対応