技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

敗血症の診断治療の現状と臨床試験のポイント

敗血症の診断治療の現状と臨床試験のポイント

東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、敗血症の臨床症例、治療の現状、今後の展望について解説いたします。

開催日

  • 2013年8月27日(火) 13時00分16時00分

プログラム

 2003年Levy等は重症敗血症を血圧低下・臓器への低灌流・臓器不全といった3頭を有する野獣に例え、新たな”bundles”を携えて重症敗血症の治療に当たることを提唱し、翌年surviving sepsis campaign guidelineの発表に至った。
 Surviving sepsis campaign guidelineは2008年に改訂されたが、その際中心的役割を担ったVincent等は、血行動態の改善・感染巣のコントロール・sepsisに対する生体反応の制御といった”bundles”を提唱している。1998年にBendtzenは、重症敗血症に随伴する多臓器不全の原因として、エンドトキシンによる好中球の活性化と活性化好中球による内皮細胞障害、さらには内皮細胞の障害による血栓形成を指摘している。
 内皮細胞障害によるcapillary leakと血栓形成が各臓器への虚血再還流を招き、これによって臓器障害がもたらされることを発表した。その後、特に本邦を中心として重症敗血症後の凝固異常を改善することが多臓器不全の治療に有効であることが報告されてきた。
 凝固異常による血栓形成をもたらす最終物質であるトロンビンの制御機構として、内皮細胞上に存在するトロンボモジュリンと内皮細胞上のへパリン様物質でトロンビンと結合するアンチトロンビンが挙げられる。
 以上のような経緯から、我々は重症敗血症に対して血行動態の改善と感染巣のコントロールに加えて内皮細胞障害を如何に改善させるかといった観点に着目した。内皮細胞上には内因性のトロンボモジュリンとアンチトロンビンによるトロンビンの制御機構が存在する。
 重症敗血症においては内皮細胞障害が生じることで内因性のトロンビン制御機構が失われ、内皮細胞上の血栓形成が生じることで多臓器の虚血再還流障害による多臓器不全が惹起される。トロンボモジュリンアルファおよびアンチトロンビンⅢは播種性血管内凝固症候群の治療薬として認可されており、これらの薬剤による重症敗血症に対する治療効果が期待されている。
 我々は、マウス敗血症モデルを作成し、トロンボモジュリンアルファおよびアンチトロンビンⅢの急性肺障害に対する効果を検討することで抗炎症作用の有無を確認した。臨床症例においては既存の治療と既存の治療にトロンボモジュリンアルファを加えた治療とのランダム化試験を行うことで、トロンビン制御作用および抗炎症効果を介する重症敗血症患者の転帰改善の有無を評価した。
 以上の結果を踏まえて、敗血症に対する内皮細胞保護療法における今後の展望について議論を重ねたい。

  1. バリューヘルスケア
    1. 日本の医療の現状
    2. 病院経営改革
    3. 医薬品・医療機器産業への期待
  2. 我が国の治験・臨床試験・臨床研究
    1. 日本の治験・臨床研究の実態
    2. 治験活性化5カ年計画
    3. 医療イノベーション
  3. 敗血症治療のターゲット
    1. SSCG
    2. マウス敗血症モデルを用いた基礎研究
    3. 内皮細胞保護療法
    4. 単施設ランダム化試験から多施設共同研究へ
    5. 治療薬のポテンシャルを活かす投与法
    6. 今後の展望
  • 質疑応答・名刺交換

会場

タイム24ビル

4F 研修室

東京都 江東区 青海2丁目4-32
タイム24ビルの地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 47,600円 (税別) / 49,980円 (税込)

割引特典について

  • R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
    • 1名でお申込みいただいた場合、1名につき47,250円 (税込)
    • 2名同時にお申し込みいただいた場合、2名で49,980円 (税込)
    • 案内登録をされない方は、1名につき49,980円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/7/28 GMP査察・監査に対応したペストコントロールプログラムの開発と課題への対処 オンライン
2025/7/28 GMP超入門講座 オンライン
2025/7/28 GMP医薬品工場建設 (計画・設計・施工) およびバリデーションのポイント 東京都 会場・オンライン
2025/7/28 Excelを使った医薬品売上予測 オンライン
2025/7/29 ICH-GCPが要求する医薬品開発・臨床QMS入門と効果的かつ効率的運用 (2日間) オンライン
2025/7/29 局方/GMPに対応する原薬・製剤の不純物評価・リスク管理および原薬出発物質の選定/妥当性/CQA・CPP設定 オンライン
2025/7/29 トラブル事例から学ぶ問題なく技術移転 (製造と試験) を行うために知っておくこと オンライン
2025/7/29 ICH-GCPが要求する医薬品開発・臨床QMSの効果的かつ効率的運用 オンライン
2025/7/29 非臨床試験の信頼性確保のポイントと適合性書面調査対応 オンライン
2025/7/29 最近の裁判例の論点をふまえた核酸医薬品の特許戦略 オンライン
2025/7/29 海外製造所に対して実施する監査のためのGMP英語表現 入門講座 オンライン
2025/7/29 EU GVP Moduleの理解に基づく当局の考え方/PV Inspectionへの対応 (事例と共に) オンライン
2025/7/29 医薬品モダリティの特許戦略 東京都 会場・オンライン
2025/7/30 GMP超入門講座 オンライン
2025/7/30 抗体薬物複合体 (ADC) におけるペイロードの生体膜透過メカニズムと細胞内動態評価 オンライン
2025/7/30 2040年と新たな地域医療構想 東京都 会場・オンライン
2025/7/30 開発・薬事担当者のためのeCTD v4.0適応にむけた重要ポイントと見直し事項 オンライン
2025/7/30 国内外の査察対応にむけた製造設備の適格性評価及びメンテナンスに関する文書化対策 オンライン
2025/7/30 ドロップアウト防止にむけたAIによるリスク回避・評価と意思決定にむけたデータ補完 オンライン
2025/7/31 薬事申請をふまえたICH Q5A (R2) ウイルス安全性評価 / 次世代シーケンシング (NGS) 導入の考え方とVirus Filtrationのポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2025/6/11 タンパク質分解医薬の実用化に向けた基盤技術と評価
2025/4/14 製薬業界55社〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (書籍版)
2025/4/14 製薬業界55社〔2025年版〕技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2025/2/20 医薬品製造を目的としたプロセス化学と薬事規制及び製薬企業の動向
2025/1/27 世界の中分子医薬・抗体医薬、およびCDMO最新業界レポート
2024/11/29 ファインケミカル、医薬品の連続生産プロセス
2024/9/30 最新GMPおよび関連ICHガイドライン対応実務
2024/9/30 タンパク質、細胞の吸着制御技術
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用