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電波反射材によるミリ波伝搬の制御、通信環境改善

電波反射材によるミリ波伝搬の制御、通信環境改善

オンライン 開催

開催日

  • 2022年7月20日(水) 10時00分 17時00分

修得知識

  • 電波伝搬の周波数特性
  • 障害物・建造物による遮蔽損失特性に関する理論と実験結果
  • 電波散乱シートの開発
  • メタサーフェス反射板の基礎理論
  • 設計のためのミリ波帯材料計測技術
  • 反射板評価のためのアンテナ計測技術

プログラム

h4.第1部 ミリ波の伝搬特性と障害物による遮蔽損失特性

(2022年7月20日 10:00〜11:30)

 2020年から国内では第5世代移動通信システムの商用サービスが開始し,ミリ波帯無線通信という用語を通信専門分野以外のフィールドでも良く耳にするようになった.ミリ波帯無線は固定無線通信や衛星通信等の分野では利用されてきた歴史を持つが,携帯電話等の移動通信に用いるにあたっては従来から用いられてきたマイクロ波帯無線 (800MHzから3GHz帯) とは大きく異なる振る舞いを持つ部分があり,システム設計や運用では電波伝搬特性を考慮する必要がある.
 本講演では電波伝搬の周波数特性,建物等の障害物による遮蔽損失特性等の理論を実際の電波伝搬実験の結果等を交えながら解説する.

  1. 第5世代移動通信システムと電波伝搬モデルの役割
  2. ミリ波無線はなぜ「飛ばない」のか
    1. 電波の伝搬損失の理論
    2. 反射損失
    3. 回折損失
    4. 透過損失
  3. 建材・障害物による遮蔽損失の実際
    1. 建材の材料特性
    2. 建材による遮蔽損失実験
    3. ユーザ自身による電波の遮蔽損失
    • 質疑応答

第2部 メタマテリアル電波散乱シート、反射板付アンテナの開発と応用

(2022年7月20日 12:10〜13:40)

 第5世代移動通信システム (5G) では28GHz帯の電波が使用され、ある方向に電波を強く放射する指向性の鋭いアンテナが用いられるため、例えば、送受信アンテナの間にパーティション等の遮蔽物がある場合、電波が受信アンテナに届かくなり、通信品質が大きく劣化する問題がある。
 本講では無線通信品質改善を目的としたメタマテリアル電波散乱シートについて解説する。また、アンテナの小型化、薄型化、高性能化の要求に対して開発したメタ・サーフェス反射板付アンテナについて紹介する。

  1. 通信品質改善のための電波散乱シートの開発
    1. 電波散乱シートの構成と設計法
    2. 設計法に基づいた電波散乱シートの特性
    3. 実験による電波散乱シートの通信品質改善効果の評価
  2. メタ・サーフェス反射板付アンテナ
    1. 誘電体基板を用いた人工磁気導体の設計と特性
    2. 人工磁気導体反射板付ダイポールアンテナの構成と特性改善
    3. メタ・サーフェス反射板付ダイポールアンテナのビーム方向制御
    • 質疑応答

第3部 140GHz帯メタサーフェス反射板によるミリ波電波伝搬制御

(2022年7月20日 13:50〜15:20)

 ポスト5G/6G無線通信のエリア拡大には、入射電磁波を任意方向に反射させるメタサーフェス反射板の利用が有望視されている。ポスト5G/6Gで利用が想定される140GHz帯において高効率の異常反射特性を有するメタサーフェス反射板を実証した事例の紹介を通して、設計の基礎理論や設計・評価のためのミリ波帯計測技術について解説する。

  1. ポスト5G/6Gにおけるメタサーフェス反射板
  2. メタサーフェス反射板の設計理論
  3. 反射板設計のためのミリ波帯材料計測技術
  4. 反射板評価のためのアンテナ計測技術
  5. 140GHz帯メタサーフェス反射板の異常反射特性の実証
    • 質疑応答

第4部 6Gに向けたIntelligent Reflecting Surfaceによる無線伝搬路制御

(2022年7月20日 15:30〜17:00)

 本講演では6G実現に向けた技術要素の一つとして注目を集めているIntelligent Reflecting Surface (IRS) に関する研究内容について紹介する。IRSはメタ原子と呼ばれる微小な構造体を平面的に集積した反射板であり、各メタ原子の反射特性を変更することで、IRSに入射した電波の反射方向を任意の方向に制御することが可能である。このIRSを利用した新たな移動通信システムの実現に向けて世界中で様々な取り組みが成されている中で、我々の研究グループが特に取り組んでいる無線伝搬路制御に関する研究内容を紹介する。

  1. IRSを利用した通信システムとは
  2. 関連研究開発の動向
  3. 研究事例紹介
    1. チャネル推定オーバヘッド削減に関して
    2. セルフリーネットワークにおける多元接続方式に関して
    3. 銅板を用いたIRS模擬実験
    4. 自律分散型IRS (SA – IRS)
    5. “対空”通信のためのIRS配置
  4. おわりに
    • 質疑応答

講師

  • 齋藤 健太郎
    東京電機大学 システムデザイン工学部 デザイン工学科
    准教授
  • 村上 靖宜
    電気通信大学 情報理工学研究科 情報・ネットワーク工学専攻
    助教
  • 加藤 悠人
    国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター 物理計測標準研究部門 電磁気計測研究グループ
    主任研究員
  • 川本 雄一
    東北大学 大学院 情報科学研究科 応用情報科学専攻
    准教授

主催

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