技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

慢性疼痛の動物モデル作成と定量評価・治療トレンド

慢性疼痛の動物モデル作成と定量評価・治療トレンド

~神経障害性疼痛・糖尿病性神経障害などの疾患別疼痛モデルからヒトへの外挿性を考える~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年6月23日(金) 10時30分 17時10分

プログラム

第1部. 痛みの定量評価法とシステムの有用性評価

(2017年6月23日 10:30〜12:00)

我々が考案した痛み定量分析システムは被検者が感じている痛みの大きさを、異種感覚に置き換えて定量評価する方法であり、PainVisionとしてすでに市販されているが、個々ではその原理、実験的、臨床的評価結果を従来法であるVASとの比較を中心に説明する。
  1. 感覚生理の基礎と痛みの評価と分析手法
    • 感覚情報の定量計測手法
  2. 痛みの特殊性と従来の評価法
  3. 痛みの定量評価法
    • 痛み定量評価装置の原理とシステム
  4. 痛み定量評価の基礎データ
    • 精度と信頼性
  5. 実験的な痛みの評価と従来法との比較
    • 従来法 (VAS) との比較
    • VSAとPainVisionによる測定の意味
  6. 臨床における痛みの評価
    • 大規模臨床評価データの紹介と説明
  7. 痛みの記憶
    • 痛みの大きさは記憶できるのか
    • 質疑応答

第2部. 最適な慢性痛動物モデル作成と評価系選択のポイント

(2017年6月23日 12:50〜14:50)

 新規疼痛治療薬開発のためには、標的とする分子や対象疾患に応じた疼痛モデルとその評価系の選択が重要である。しかし、これまでよく用いられる疼痛モデルや評価系では、ヒトへの外挿性において問題が生じることが少なくない。本講演では、疼痛治療薬開発のために最適な慢性痛動物モデルとその評価系の選択ポイントを紹介する。

  1. 痛みの基本的理解
  2. 痛みの種類と症状
  3. 各種疼痛モデル
    • 炎症性疼痛
    • 関節リウマチ
    • 変形性関節症
    • 術後痛
    • がん性疼痛
    • 末梢神経損傷による神経障害性疼痛
    • 中枢性神経障害性疼痛モデル (脳卒中後疼痛)
    • 糖尿病性神経障害
    • 抗がん剤誘発末梢神経障害
    • 線維筋痛
    • 膀胱痛
    • しびれ 他
  4. 痛みの評価法
    • 誘発痛と自発痛、自発痛はどのように評価できるか?
    • 末梢神経障害の評価法
  5. 疼痛モデルと評価系の選択ポイント
    • 質疑応答

第3部. 高齢化社会における慢性疼痛治療トレンドと治験デザイン時の注意事項

(2017年6月23日 15:10〜17:10)

 本邦の高齢者の活躍にはめざましいものがありますが、一方で高齢者の各種疾患後の慢性痛が増加しています。生体警告としての役割が乏しい状態で数ヶ月以降も継続する慢性痛では、中枢神経系に可塑的変化や心理学的機序による歪みが生じ、明らかな神経系全体の異常へと進展します。しばしば患者のQOLを著しく損なうので、慢性痛診療では、治療の対象となるのは、痛み行動であるとさえ言われるようになりました。
 本講義では、慢性痛の社会的背景と治療トレンド、新薬評価時の注意事項を解説します。

  1. 慢性痛の発症起点と疫学
  2. 急性痛と異なるアプローチの必要性
    • 原因組織損傷への処置
    • 消炎鎮痛処置の限界
    • 神経系全体の過敏性除去とQOL向上
    • チャネルブロッカー
    • リハビリテーション・理学療法
    • 神経刺激治療
    • 認知行動療法
  3. 各種治療的介入による副作用発生防止
    • 治療コンプライアンスを高めるためのDDS (drug delivery system)
    • 下行性抑制系修飾を目的とした薬理学的介入の可能性
    • 神経系の可塑性修飾 (再生医学的アプローチの可能性)
    • 異常な再生防止
    • 正常な再生促進
  4. 識別能の高い治験のための注意事項
    • 質疑応答

講師

  • 嶋津 秀昭
    北陸大学 医療保健学部 医療技術学科
    教授
  • 中川 貴之
    京都大学医学部附属病院 薬剤部 / 治験管理部
    准教授 / 副薬剤部長
  • 齋藤 繁
    群馬大学 大学院医学系研究科 麻酔神経科学分野
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/6 開発段階に応じた治験薬GMP対応とICH Q14 (分析法の開発) への取り組み オンライン
2025/1/6 中小製薬企業のためのテーマ創出・研究開発・製品戦略の策定・推進 オンライン
2025/1/6 EU規制をベースにしたPharmacovigilance監査の基礎 オンライン
2025/1/7 医薬品モダリティ (抗体/核酸/中分子/再生医療) の実用化とDDS技術の特許戦略 オンライン
2025/1/8 アレニウス式加速試験におけるプロット作成と予測値の取扱い オンライン
2025/1/8 GMP教育とQuality Culture醸成のポイント オンライン
2025/1/8 滅菌製品および無菌医薬品における微生物試験の実務とバリデーションのポイント オンライン
2025/1/8 薬価申請・原価計算方法の実際と交渉で有効なデータ取得・資料作成のポイント オンライン
2025/1/9 注射剤の異物検査の方法と基準設定及び異物低減方法 オンライン
2025/1/9 承認申請・メディカルライティングコース オンライン
2025/1/9 CTD/照会回答書作成のためのメディカルライティング オンライン
2025/1/9 原薬GMP基礎講座 オンライン
2025/1/10 NPV (Net Present Value) 計算による医薬品事業性評価の基礎知識 オンライン
2025/1/10 インド・中国における医薬品薬事戦略と現地対応ノウハウ オンライン
2025/1/14 日米欧当局のプロセスバリデーションにおける要求事項と承認申請にむけた準備について オンライン
2025/1/14 承認申請パッケージにおける海外データ利用と開発戦略 オンライン
2025/1/14 承認申請にむけた個別症例安全性報告 (ICSR) の取り扱いと評価 オンライン
2025/1/14 QA業務 (GMP監査・自己点検) 入門講座 オンライン
2025/1/15 ファージセラピーの最新開発動向と次世代耐性菌対策への展望 オンライン
2025/1/15 体外診断用医薬品における承認申請書作成ノウハウおよびPMDA相談のポイント オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応 (製本版 + ebook版)
2024/3/22 GxP領域でのクラウド利用におけるCSV実施/データインテグリティ対応
2024/1/31 不純物の分析法と化学物質の取り扱い
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略
2023/12/20 遺伝子治療用製品の開発・申請戦略 (製本版 + ebook版)
2023/11/30 当局査察に対応した試験検査室管理実務ノウハウ
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション - (製本版 + ebook版)
2023/11/29 開発段階に応じたバリデーション実施範囲・品質規格設定と変更管理 - プロセス/分析法バリデーション -
2023/8/31 ゲノム編集の最新技術と医薬品・遺伝子治療・農業・水畜産物
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応 (製本版 + ebook版)
2023/5/26 グローバル展開・3極規制要件の違いをふまえたRMP (日本/欧州) ・REMS (米国) 策定とリスク設定・対応
2023/2/28 mRNAの制御機構の解明と治療薬・ワクチンへの活用
2023/1/31 超入門 改正GMP省令セミナー
2023/1/31 新規モダリティ医薬品のための新しいDDS技術と製剤化
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法
2022/12/9 データインテグリティに適合するための電子/紙データ・記録の運用管理とSOP作成手法 (製本版 + ebook版)
2022/11/30 抗体医薬品製造
2022/7/29 ペプチド医薬品の開発・事業化戦略および合成・分析・製造ノウハウ
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策 (製本版 + ebook版)
2022/6/24 Trial Master File (TMF) の保管・電磁化移行とeTMFシステム実装時のSOP作成/指摘事例・対策