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LiB電極作製におけるウェット塗工・ドライ方式

LiB電極作製におけるウェット塗工・ドライ方式

~材料から見たLiB電極作製におけるドライ・ウエットプロセスの考察と最新動向 / LiB電極作製におけるウェット塗工・ドライ方式プロセスレビュー~
オンライン 開催

アーカイブ配信で受講をご希望の場合、視聴期間は2025年10月21日〜28日を予定しております。
アーカイブ配信のお申し込みは2025年10月24日まで承ります。

概要

本セミナーでは、リチウムイオン電池の電極作製における現行のウエットプロセスについて再確認しながら、ドライプロセス技術の基本的な考え方と、材料の市場での動向を解説いたします。

開催日

  • 2025年10月20日(月) 10時00分16時00分

受講対象者

  • リチウムイオン電池の研究開発者、管理者

修得知識

  • ドライプロセスの基本的な知識
  • ウエットプロセスとドライプロセスの比較
  • ドライプロセスと材料の知識
  • 全固体電池の製造方法としてのドライプロセス
  • リチウムイオン電極のRoll To Roll製造工程における従来からのウェット塗工方式の間欠塗工・混錬・分散・乾燥技術
  • テスラを筆頭に欧州や日本国内でもトレンドのドライ方式の製造技術全般

プログラム

第1部 材料から見たLiB電極作製におけるドライ・ウエットプロセスの考察と最新動向

(2025年10月20日 10:00〜12:30)

 昨今、ドライプロセスという新たなリチウムイオン電池電極の製造方法が注目されている。現在、主流の塗工法 (ウエットプロセス) は、電極製造方法として非常に効率的に高性能な電極製造法として、リチウムイオン電池の上市以来使用されている。一方で正極では多量の有機溶媒を使い、負極では水を溶媒として、これらを乾燥する為に多くのエネルギーを消費するという問題点が指摘されている。ドライプロセスは溶媒を使用せず、乾燥工程を省くことが出来るため注目されている。ドライプロセスの重要なポイントは、バインダー技術と製造機器技術である。
 本講座では主にバインダー材料からの切り口でそれを説明していく。また、ドライプロセスは全固体電池の製造方法として相性が良いと言われている。その理由や状況を説明して行く。

  1. リチウムイオン電池の電極
    1. LiBは何で出来ているか?
    2. 現行LiBのセル製造プロセス
  2. ウエットプロセス
    1. ウエットプロセスの概要
    2. ウエットプロセスの長所・短所
    3. 水系正極塗工について
  3. ドライプロセス
    1. ドライプロセスの種類
    2. Polymer fibrillation
    3. Dry spraying deposition
    4. パナソニック4680電池の負極
    5. クレイ電池
    6. その他のドライプロセス
  4. ドライプロセスのメリット・デメリット
    1. ドライプロセスのメリット
    2. ドライプロセスの問題点・課題
    3. バインダーからのアプローチ
  5. 全固体電池とドライプロセス
  6. その他ドライプロセス関連の記事より

第2部 LiB電極作製におけるウェット塗工・ドライ方式プロセスレビュー

(2025年10月20日 13:30〜16:00)

 リチウムイオン電池の電極量産工程で汎用の間欠塗工方式は、各メーカーの独自開発で進化してきたため、体系的に整理した解説は少ないので、製造の共通課題を俯瞰して解説します。加えて最近テスラがEV用に4680型から導入しているドライ製造方式につき、外資企業との関わり深い講師が最新の耳より情報を元に解説する。

  1. リチウムイオン電池塗工の概要
    1. フィルムが利用されている製品とフィルム部材の役割り
    2. 性能の変遷 (半導体とリチウムイオン二次電池の比較)
    3. リチウムイオン二次電池の構成と間欠塗工方式
    4. リチウムイオン電極の塗工ライン
  2. 特許に学ぶ間欠塗工の変遷
    1. 初期の電極製造
      • 直交貼り合わせ
      • マスキング
      • 開閉ブレード
    2. コンマロールの着脱と断続回転
    3. スロット間欠方式 (流量・ギャップ可変)
    4. 塗り切り厚み調整 (ギャップ法)
    5. バルブ制御と操作因子
  3. スロット塗工
    1. 塗工方式に分類 (ダイ方式は3種類のみ)
    2. 塗工液濃度の決め方と適した塗布方法
    3. 薄く塗る時、厚く塗る時
    4. 流れイメージに役立つCouette-Poiseuille流
    5. ビード内の剪断速度
    6. 背面減圧しない操作方法
    7. ダイ内の流れとマニホールド構造
    8. 塗工量の幅分布を均一化するために
    9. シムとエッジの厚塗り
    10. テンションド・ウェブ方式のリップ形状と塗布性
  4. コンマ塗工方式の概説
    1. ブレード塗工
    2. コンマロールたわみ
    3. 液ダム内の流動とL字バックプレート
    4. 塗工厚みの支配因子と概算方法
  5. Roll-To-Roll乾燥
    1. 乾燥現象の支配因子
    2. 多孔板と二次元ノズル (軸対象とスリット)
    3. 溶媒の寄与 (水と他の溶媒の比較)
    4. 塗膜の表面温度は湿球温度 (空気線図)
    5. 他の溶媒との違い〜飽和蒸気圧と温度
    6. 定率期間・減率期間と減率乾燥速度
    7. 減率乾燥の簡易計算
    8. 赤外線乾燥と熱風乾燥の比較
    9. 近赤外線波長制御ヒータ (NIR型)
    10. 赤外線乾燥炉の特許事例
  6. スラリーの分散・混錬・調送液
    1. 分散度とレオロジー (静電反発・バインダーによる分散)
    2. 混合・分散設備
    3. 攪拌方式と混合度
    4. タンク形状・サイズと混合度
    5. 混錬方法 (ニーダーとプラネタリーミキサー)
    6. 混錬 (バッチ/連続) とパドル形状、WD形状
    7. 二軸連続式混錬
    8. 希釈法から予備混合&高剪断分散へ
    9. ビーズミル (マイルド分散とビーズのサイズ選定)
    10. ポンプ負荷は主にスロット
    11. 脱泡
      • 壁面添加
      • 真空度
      • 遠心&減圧
  7. ドライ方式
    1. “Tesla Battery Day Livestream (2020)
    2. 日本企業の動向
      • 日本ゼオン
      • パナソニックエナジー
      • 芝浦機械
      • 三菱鉛筆
    3. 欧米企業の動向
      • テスラ
      • VW
      • ケーニヒ&バウアー
      • AMバッテリーズ
      • FraunhoferIWS
      • LiCAP
    4. 韓国
      • 中国企業の動向
      • LGE
      • サムスンSDI
      • SKエナジー
      • CATL
    5. テスラ電池用ドライ電極 (DBE) によるリチウムイオン電池「4680」開発・製造動向
    6. Maxwell Technologies特許「ドライ電極の製造システム及び製造方法」H.Duongら (2019)
    7. バインダー (フィブリル化できるPTFEと海苔状のPVDF)
    8. ドライ電極の機械強度・空隙と厚み分布
    9. 粉体混合と電池性能
    10. 集電体上のプライマー導電層
    11. 実際のドライ工程
    12. ロール間の粉体圧延 (スリップ域とニップ域) 、単膜・複合膜の延伸 (中立点とスリップ)
    13. 圧延ロールのメッキ剥がれ
    14. 粉体混合
      • ジェットミル
      • ロールミル
      • ビーズミル
    15. 粉体混合の支配因子
      • 粒子濃度
      • 気流速度
      • 湿度
    16. 静電方式 (圧延の前工程)
    17. スプレー方式;”Can Dry Battery Electrodes Really Work?” (2020/12/08)
    18. PTFE樹脂配合の取り組み
    19. テスラはGen1、Gen2から将来のGen6へ

講師

  • 鈴木 孝典
    株式会社スズキ・マテリアル・テクノロジー・アンド・コンサルティング
    代表取締役
  • 浜本 伸夫
    AndanTEC
    代表

主催

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お問い合わせ

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受講料

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    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

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  • 当日のセミナーを、後日にお手元のPCやスマホ・タブレッドなどからご視聴・学習することができます。
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  • 視聴期間は2025年10月21日〜28日を予定しております。
    ご視聴いただけなかった場合でも期間延長いたしませんのでご注意ください。
  • セミナー資料は別途、送付いたします。

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