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EV駆動用モータの信頼性向上に向けた絶縁技術と材料の適用

EV駆動用モータの信頼性向上に向けた絶縁技術と材料の適用

~インバータサージの発生原理とナノコンポジットエナメル線の適用事例 / 高信頼性モータを実現するための絶縁技術、試験法の解説~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、EV/PHEVモータの絶縁について取り上げ、絶縁劣化要因、絶縁トラブル対策、絶縁寿命評価、試験方法を解説いたします。

開催日

  • 2025年5月28日(水) 10時30分 16時00分

受講対象者

  • モータの絶縁設計に携わっている技術者
  • これからモータ開発を計画している技術者
  • 製造技術や品証技術を取り扱う実務技術者
  • 現在自動車用モータに関する課題を抱えている技術者
  • モータの信頼性や寿命評価に関わる技術者

修得知識

  • 交流600V以下で使用されるモータ絶縁設計概要
  • 絶縁寿命評価法と試験法、関連規格
  • 絶縁の劣化原因と劣化具体例
  • HEV/EV駆動モータ絶縁設計及び注意点
  • ATF耐性と絶縁物の部分放電とインバータサージ電圧の関係
  • モータ絶縁を構成する主要材料の選定及び注意点
  • 絶縁に関するトラブルとそのメカニズム例

プログラム

第1部 SiCインバータ駆動モータ絶縁に向けた部分放電特性の解明とナノコンポジットエナメル線の適用による耐部分放電特性の評価

(2025年5月28日 10:30〜12:00)

 省エネ効果の高いインバータ駆動モータの適用は一般産業分野のみならず、EVなどのモビリティ分野にも拡大している。さらに、SiCやGaNといったワイドバンドギャップ半導体の適用も進展している。
 一方、インバータとモータ間のインピーダンス不整合や回路共振によりインバータサージと呼ばれる高電圧パルスがモータコイルに印加され、モータコイル内に部分放電が発生し絶縁破壊が生じる危険性がある。この課題の対策には繰り返しパルス電圧下のモータコイルにおける部分放電特性を解明する必要があるが、SiCインバータを用いた高周波下の実験は報告が少ない。また、部分放電が発生しても十分な寿命が期待できることを示すことで、部分放電の発生を許容する設計指針があり、耐部分放電性を有するナノコンポジットエナメル線の適用が挙げられる。
 本講座ではこれらの内容を中心に解説する。

  1. インバータ駆動モータ絶縁の概要
  2. SiCインバータ電圧下のエナメル電線間の部分放電特性
  3. モータの運転環境が部分放電特性に与える影響
  4. 課電寿命試験の概要
  5. ナノコンポジットエナメル線の適用による長寿命化
  6. まとめと今後の展望
    • 質疑応答

第2部 EV/PHEV用モータにおける絶縁技術と長寿命化のポイント

(2025年5月28日 13:00〜16:00)

 本セミナーは、交流600V以下の電源で駆動されるモータの電気絶縁技術に関するもので、特に車載されるインバータ駆動モータは、小型化のため温度が上昇したり、冷却性能向上のため水分を含んだトランスミッション潤滑油を発熱部に直接あて冷却する方法が用いられ、絶縁物にとっては寿命的に過酷な環境下に曝されている。
 また高トルク・高出力化のため、駆動電圧の高電圧化傾向にあり、高いインバータサージ電圧が印加されると、部分放電に起因するエナメル被膜や絶縁部位を浸食しやがて絶縁破壊が生じることが懸念される。
 本セミナーでは、講師40年のモータ設計経験を元に、絶縁の基礎並びに製造上の問題を避け造り易く信頼性の高いモータを提供するための絶縁技術を解説する。

  1. 絶縁構成
    1. 絶縁部位と絶縁構成
    2. スロット絶縁と相間絶縁
  2. 主要絶縁材料
    • 耐熱区分で分類した主要絶縁材料の例
  3. 耐熱区分と許容温度
  4. マグネットワイヤ (コイル)
    1. 種類と特徴
    2. 選定上の注意
    3. ワニスとの適合性
    4. クレージング
    5. ATFによるエナメル被覆の膨潤
    6. ATF冷却法の例
    7. 加水分解性と課電耐水性
    8. 耐熱劣化試験法
  5. フィルム材 (スロット、相間絶縁物)
    1. 分類
    2. 代表的フィルム材の特性
    3. フィルム複合材貼り合せによる欠点補完
    4. 選定上の注意
  6. ワニス
    1. ワニス絶縁樹脂の種類
    2. 含浸ワニスの種類
    3. 溶剤系と無溶剤系ワニスの違い
    4. 選定上の注意事項
  7. 絶縁設計
    1. 絶縁設計の3つのコンセプト
    2. 絶縁設計における注意事項
    3. ステータの初期絶縁特性
    4. 保証寿命相当劣化後の絶縁特性
    5. 電気絶縁の確保
  8. 絶縁物の劣化
    1. 劣化要因
    2. 複合劣化による絶縁特性劣化例
  9. 絶縁試験
    1. 絶縁試験項目例
    2. 巻線の試験法
  10. 絶縁に関するトラブルとそのメカニズム例
  11. モータ駆動電圧の高電圧化
    1. インバータ駆動に伴う問題点:絶縁部分の部分放電開始電圧
    2. 部分放電劣化箇所
    3. 部分放電と絶縁破壊の違い
    4. 火花放電とパッシェンの法則
    5. 各絶縁部位の部分放電電圧 (PDIV) の測定
    6. 巻線間の内部電圧分布
    7. 部分放電開始電圧の測定
    8. 部分放電電圧の特徴
    • 質疑応答

講師

  • 菊池 祐介
    兵庫県立大学 工学研究科 電気物性工学専攻
    教授
  • 安原 隆
    YMTソリューション
    モータ技術コンサルタント

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
  • 5名様以降は、1名あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
    • 4名様でお申し込みの場合 : 4名で 180,000円(税別) / 198,000円(税込)
    • 5名様でお申し込みの場合 : 5名で 210,000円(税別) / 231,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
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