技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

全固体リチウム電池・固体電解質材料の最新の研究動向

全固体リチウム電池・固体電解質材料の最新の研究動向

~全固体電池全般の基礎知識、固体電解質の材料系毎の特色、高容量負極の充放電特性~
オンライン 開催

開催日

  • 2025年5月15日(木) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 全固体電池材料の最近の動向を把握したい方
  • 全固体電池の材料開発を新たに始めようとお考えで、取り掛かりの情報収集をしたい方
  • 会社独自の合成技術・材料をお持ちで、電池への応用をお考えの企業の方
  • 本テーマにご興味のある方でしたら、どなたでも受講可能です。

修得知識

  • 全固体電池全般に関する基礎知識
  • 固体電解質開発の最近の研究動向
  • 現在知られている固体電解質の、材料系毎の特色
  • 全固体電池における高容量負極の充放電特性
  • 新しい固体電解質開発の現状

プログラム

 Li電池はエネルギー密度が高く、電気自動車や定置用電源への応用が期待されています。電気自動車ではエンジンに代わり、電池特性が自動車の性能や市場価格に直結します。例えば電池のエネルギー密度は自動車の航続距離を左右し、加速性能は高出力特性がカギとなります。他にも安全性を含め、優れた特性の蓄電池の開発が急務となっています。最も有望な蓄電池のひとつが全固体リチウム電池です。全固体電池では、高い安全性・信頼性だけでなく、固体電解質を用いることで初めて発現する、従来の電池では得られなかった様々な特性が期待されます。
 本講演では、電池の基礎から電池材料に求められる特性を解説します。また、現在知られている固体電解質材料をいくつかご紹介いたします。更に、全固体電池における高容量電極材料の充放電挙動や、固体電解質材料の新たな設計指針など、私が現在取り組んでいる研究内容についても簡単に紹介いたします。

  1. 電池の基礎
    • リチウム電池などの化学電池がどのように動作するのか、そのメカニズムをなるべく数式を使わずに解説します。
      電池で良く使われる単位についても説明します。
      ニッカド電池やニッケル水素電池ではなく、リチウムイオン電池が広く使用されている理由や、現行のリチウムイオン電池の問題点について、電池の動作原理を踏まえながら解説していきます。
      次世代二次電池として期待されている全固体リチウム電池の特長や、全固体電池の実現するために克服しなければならない課題をまとめます。
      1. 電池の動作原理
      2. 現行のLi電池の課題
      3. 全固体Li電池の特長
      4. 全固体Li電池の課題
  2. 固体電解質材料
    • 全固体電池を構築する上で不可欠な固体電解質 (Li+伝導性固体) について解説します。
      固体中をLi+イオンが動くメカニズムを説明し、現状どのような材料でLi+伝導度が報告されているかを紹介します。
      材料系毎に課題を解説していきます。
      1. 固体中をイオンが動く
      2. 固体電解質に求められること
      3. 現在知られている高Li+伝導材料
      4. 現状の固体電解質の課題
  3. 負極材料
    • Liデンドライトによる問題を解決するために、Li金属単体ではなくLi合金負極の利用が考えられています。
      高容量かつ動作電位の低い負極材料について説明します。
      特にSiとSnについて、全固体電池における充放電特性について紹介します。
      1. 高容量合金負極材料
      2. 全固体Li電池における高容量負極の特性
      3. Sn粉末を用いた全固体Li電池の特性
      4. 全固体電池におけるLi溶解析出挙動
  4. フッ化物系固体電解質
    • Li+伝導度、電位窓、大気安定性、圧粉性を両立できる可能性のある、フッ化物系のLi+伝導体と全固体電池の特性を紹介します。
      Li+だけでなく、最近報告したNa+伝導性のフッ化物についても解説します。
      1. Li3AlF6系材料のLi+伝導度
      2. 電池の充放電特性
      3. Na3AlF6系材料を用いた全固体Na電池
  5. Li+/Na+混合固体電解質
    • 一般にLi+やNa+伝導体は複数のアルカリイオンが共存するとイオン伝導度が低下することが知られています。
      そのため現状の固体電解質はLi+/Na+化合物から合成されています。
      一方でNa化合物中にドープされたLi+が伝導する材料も知られています。
      Li+/Na+混合固体電解質の開発状況と、Li+伝導メカニズムについて解説します。
      新たな固体電解質開発のヒントになるかもしれません。
      1. 混合アルカリ効果
      2. NaIをベースとしたLi+伝導体の開発状況
      3. NaI-NaBH4-LiIを固体電解質としたLi電池の動作
      4. NaI中のLi+伝導の構造的起源
  6. 質疑応答

講師

  • 宮崎 怜雄奈
    名古屋工業大学 大学院 工学研究科 工学専攻 材料機能プログラム
    准教授

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 38,200円 (税別) / 42,020円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込)

複数名受講割引

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 38,200円(税別) / 42,020円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 75,000円(税別) / 82,500円(税込)
  • 同一法人内 (グループ会社でも可) による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 請求書は、代表者にご送付いたします。
  • 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
    申込みフォームの通信欄に「請求書1名ごと発行」とご記入ください。
  • 他の割引は併用できません。
  • サイエンス&テクノロジー社の「2名同時申込みで1名分無料」価格を適用しています。

アカデミー割引

教員、学生および医療従事者はアカデミー割引価格にて受講いただけます。

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)
  • 企業に属している方(出向または派遣の方も含む)は、対象外です。
  • お申込み者が大学所属名でも企業名義でお支払いの場合、対象外です。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 Zoomのシステム要件テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/4/28 固体高分子電解質 (SPE) の基礎と応用 オンライン
2025/5/13 LIB製造における塗工・乾燥のコツ、ドライ方式の最新動向 オンライン
2025/5/13 有機系材料を用いたナトリウムイオン電池の特性と最新研究動向 オンライン
2025/5/15 全固体電池に関する試験評価、構造解析の進め方 オンライン
2025/5/16 汎用リチウムイオン電池の特性・健全度 (劣化度) ・寿命の評価手法の詳細 オンライン
2025/5/19 高容量リチウムイオン二次電池正極材の材料設計 オンライン
2025/5/22 LIB製造における塗工・乾燥のコツ、ドライ方式の最新動向 オンライン
2025/5/22 リチウムイオン電池の基礎と高性能化を実現するシリコン負極の最新技術 オンライン
2025/5/23 汎用リチウムイオン電池の特性・健全度 (劣化度) ・寿命の評価手法の詳細 オンライン
2025/5/26 SOFC/SOECの最前線 オンライン
2025/5/26 有機系材料を用いたナトリウムイオン電池の特性と最新研究動向 オンライン
2025/5/28 電気化学測定の基礎と実験データの解釈のポイント オンライン
2025/5/29 リチウム-硫黄二次電池および硫黄系正極活物質の開発動向と応用展望 オンライン
2025/6/3 リチウムイオン電池の基礎と高性能化を実現するシリコン負極の最新技術 オンライン
2025/6/4 リチウムイオン電池のドライプロセスにおける材料と製造技術 オンライン
2025/6/6 電気化学測定の基礎と実験データの解釈のポイント オンライン
2025/6/6 SOFC/SOECの最前線 オンライン
2025/6/9 分散型電源システムの最新動向と事業展開 オンライン
2025/6/13 全固体リチウム電池材料と電池構築の基礎と実用化に向けた最新技術動向 オンライン
2025/6/16 分散型電源システムの最新動向と事業展開 オンライン