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MLCC (積層セラミックコンデンサ) の材料設計と信頼性技術および技術研究動向

MLCC (積層セラミックコンデンサ) の材料設計と信頼性技術および技術研究動向

~BaTiO3セラミックスの開発/チタン酸バリウムの超微粉化/高積層・高容量技術など~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、セラミックスの基礎から解説し、BaTiO3の格子欠陥からドナーやアクセプター元素添加に係わる材料組成設計の指針までを分かりやすく解説いたします。

開催日

  • 2024年11月21日(木) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • MLCCで課題を抱えている方
  • MLCCの生産に必要な材料、設備メーカー、素材メーカーにおける研究開発、製造、販売に携わる方
  • MLCCを使用する製品の設計技術者

修得知識

  • MLCCの基礎知識
  • セラミックスの基礎知識
  • コンデンサの機能
  • BaTiO3セラミックス強誘電性
  • MLCC用BaTiO3セラミックスの構造設計
  • Ni内部電極の酸化と還元、
  • 還元雰囲気でのBaTiO3セラミックス酸素空孔生成
  • Ni内部電極MLCC用BaTiO3セラミックスの組成設計
  • 格子欠陥の制御による非還元材料の設計指針
  • 固相法BT原料に求められる特性
  • 固相法BTを合成る時のポイント
  • 液相法BTの特徴
  • なぜ日本メーカは強いのか
  • 内部電極
  • MLCCの高積層・高容量の技術、その問題
  • MLCCの信頼性技術

プログラム

第1部 MLCCの基礎およびMLCC用BT誘電体セラミックの材料設計について

(10:30〜12:00)

 MLCCはスマートフォーンに代表される小型電子機器から、自動車のEV化、今後の自動運転化に向けて、また、5G、IoTの進展に伴い、生活のあらゆる分野で、その需要の大幅な増大が見込まれる電子部品です。MLCCの多くはBaTiO3をベースにした誘電体セラミックスが誘電体素子に用いられています。MLCCの小型化はこの誘電体素子の薄層化によるところが大きく、MLCCの小型・大容量化はこのBaTiO3誘電体セラミックスの材料的特性に負うところが大きいと言えます。
 本セミナーでは、MLCCやMLCCに主に用いられている各種材料 (セラミックス材料、電極材料、バインダーなど有機材料) に係わる技術者、および生産の第一線で頑張っておられる開発および製造に係わる技術者、品質管理や故障解析に係わる技術者の方に聴講していただければと思っています。MLCCの信頼性に影響するBaTiO3誘電体セラミックスの設計指針として、セラミックスの基礎からBaTiO3の格子欠陥からドナーやアクセプター元素添加に係わる材料組成設計の指針までを分かりやすく説明します。MLCCに係わる皆様の日々の研究開発、製造現場での指針、方向性を提供できればと思っています。
 今回のセミナー「MLCC (積層セラミックコンデンサ) の基礎と材料設計の中で、MLCCおよびほとんどのMLCCで使用されるチタン酸バリウム (BaTiO3) セラミックについて、基礎的な特性から、信頼性あるMLCC用セラミック材料に、どのように設計、開発されているのかを解説いたします。MLCC専門外の方もご理解いただけるように、基礎的な事項も平易に説明し、皆さんのご理解を深められるように構成しています。

  1. 積層セラミックコンデンサ (MLCC) の基礎
    1. セラミックスの基礎
      • 焼結現象
      • 粒成長
      • 平衡状態図
    2. コンデンサの種類
    3. インピーダンス素子としてのコンデンサ
      • 周波数特性
      • インピーダンス
      • デカップリング
      • 平滑
    4. MLCCの概要
      • 高誘電率系
      • 温度補償系
      • 温度係数
      • シフター
      • デプレッサー
    5. Ni内部電極MLCC
      • 平衡酸素分圧
      • 還元雰囲気
    6. MLCC製造工程の概略
      • 製造工程全体像
      • MLCCの変遷
      • 小型・大容量化
      • 将来予測
  2. MLCC用BaTiO3 (BT) 誘電体セラミックスの概要
    1. BTの強誘電性
      • 結晶構造
      • 相転移
      • 分極
      • ヒステリシス
    2. BTのサイズ効果
      • 強誘電性
      • c/a軸比
    3. 微粒BT粉末の合成
      • 固相法
      • シュウ酸法
      • 水熱合成法
      • c/a軸比
    4. BT誘電体原料の製造
      • 副成分添加
      • アクセプター元素
      • ドナー元素
    5. BT誘電体セラミックスの構造
      • コアシェル構造
      • 粒成長抑制
      • 不均一歪
  3. Ni内部電極MLCC対応のBT材料
    1. 酸化物の還元現象の熱力学
      • 熱力学
      • 化学平衡
      • ギブス生成自由エネルギー
      • 平衡酸素分圧
    2. BTの酸素空孔生成
      • 格子欠陥式
      • 酸素空孔濃度
    3. BTの格子欠陥制御
      • 元素置換
      • 化学量論比
      • アクセプター元素置換
    4. ドナー元素置換による格子欠陥生成とその効果
      • 陽イオン空孔
      • 欠陥の会合
      • シミュレーション
    5. 粒界の役割
      • 粒界の構造
      • 酸素の拡散
      • 元素の偏析
    6. 還元焼成の雰囲気制御
      • 酸素分圧制御ガス
      • アニール
      • 短時焼成
  4. 質疑応答

第2部 MLCC用高純度酸化チタン・チタン酸バリウムの設計と超微粉化

(13:00〜14:30)

 近年の電子部品の小型化は、積層セラミックスコンデンサー (MLCC) 1 – 4) に代表されるように、著しいものがある。
 BT (BaTiO3) の生産は、工業的には固相合成法7 – 13) 、シュウ酸法5) ,14) 、水熱合成法2) ,15) によっている。シュウ酸法は、シュウ酸塩の熱分解による高温プロセスであるため、高い結晶性を得るには適しているが、100nm以下のBTを合成するのは、工業的には困難を要する。また、水熱合成法は、出発原料が液相混合のため、組成の均一性が得やすく、粒度分布に優れた小粒径BTが得られているが、オートクレーブ等の高価な設備を要するため、コストを下げる為の工夫が必要である。それに比べ、固相合成法はコストも安く、出発原料を微細化することにより、BTの微粒化が容易なことから、見直されている。しかし、BTの微粒化が進むにつれ、要求される原料 (TiO2,BaCO3等) の微細化も進み、粒径だけでなく、その他の要求品質もより厳しいものが求められてきている。
 本セミナーでは、塩素法で合成された超微粉高純度酸化チタン及びBT固相法合成プロセス開発のポイント、液相法BTの特徴について述べる。

  1. 気相法酸化チタンの開発
    1. 結晶系
    2. 酸化チタンの製法
    3. MLCC用誘電体原料に求められる品質特性
    4. 球状TiO2による球状BaTiO3の合成例
  2. 液相法チタン酸バリウムの開発例
    • 合成コロイド法チタン酸バリウムの開発
  3. 酸化チタン資源
  4. 参考文献
  5. 質疑応答

第3部 MLCCの高積層技術、高信頼性技術と将来展望

(14:45〜16:15)

 5Gは様々な業界で利用されている。生成人工知能 (AI) が空前のブームである。その次の技術であるBeyond 5G (6G) は、 AIと一体化しサイバー空間を現実世界 (フィジカル空間) との融合を目指している。受動部品の代表である積層セラミックスコンデンサ – (MLCC) は小型・大容量・高性能・省電力・高信頼化が進んできた。特に、Ni内電MLCCはNi金属の低コスト化を特徴にして大容量・小型化が急速に進んだ。チップサイズは年々小型化し、0201タイプ (0.2×0.1mm) の実用化も始まっている。一方、生成人工知能 (AI) サーバー向けに1608タイプ (1.6×0.8mm) の100μFの大容量MLCCの量産が発表された。
 当講座の第3部「MLCC の高積層技術、高信頼性技術と将来展望」では、MLCCの信頼性技術を中心に将来展望まで幅広く、かつ詳細に解説を行なう。

  • 積層セラミックスコンデンサの信頼性
  • BaTiO3の絶縁性
  • 絶縁破壊と絶縁劣化
  • BaTiO3の絶縁性を上げるための添加物の役割
  • 置換サイトの基本は絶縁性、BaTiO3のどのサイトに入る
  • 置換サイトの同定法
  • BaTiO3の高温電気伝導に与えるBa/Ti比、希土類効果
  • MLCCの絶縁劣化メカニズム
  • 絶縁抵抗:時間、HALT結果
  • コアシェル構造の絶縁抵抗依存性
  • Cu、Sn固溶Ni – MLCCの絶縁抵抗時間変化
  • 誘電体の導電メカニズムの分類
  • 薄膜,MLCCのリーク電流依存性
  • ショットキー電流とプールフランケル電流
  • 劣化時の電流の変化について
  • 酸素欠陥評価法:熱刺激電流
  • 交流インピーダンス・等価回路法による評価
    • MLCC、SOFCに適用
  • 圧電応答顕微鏡 (PFM) 、接触共振-圧電応答顕微鏡 (CR FM) 、KFM法による表面電位測定
  • 酸素欠陥 (熱刺激電流) による酸素欠陥の評価
  • MLCCの絶縁抵抗劣化に及ぼすLa添加効果
  • セラミック/内部電極界面、粒内、粒界を流れる電流、JE特性による分類
  • 最近のMLCC研究動向
  • 質疑応答

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

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: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 25,000円 (税別) / 27,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

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    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

ライブ配信セミナーについて

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本セミナーは終了いたしました。

関連する出版物

発行年月
2024/10/31 2025年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2024/2/29 セラミックス・金属の焼成、焼結技術とプロセス開発
2023/8/4 2024年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2022/10/14 2023年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2022/6/17 2022年版 電子部品市場・技術の実態と将来展望
2021/10/15 2022年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2021/6/18 2021年版 電子部品・デバイス市場の実態と将来展望
2020/10/30 積層セラミックコンデンサ (MLCC) の材料・製造・実装技術と最新動向
2020/10/16 2021年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2020/7/17 2020年版 電子部品・デバイス市場の実態と将来展望
2019/10/18 2020年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2019/7/19 2019年版 電子部品・デバイス市場の実態と将来展望
2018/10/19 2019年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
2017/10/20 2018年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望
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2014/9/20 電気二重層コンデンサ 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/9/20 電気二重層コンデンサ 技術開発実態分析調査報告書
2013/10/4 2014年版 コンデンサ市場・部材の実態と将来展望