技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

非可食バイオマス・リファイナリーと次世代バイオプラスチック最前線

非可食バイオマス・リファイナリーと次世代バイオプラスチック最前線

オンライン 開催

概要

本セミナーでは生分解性プラスチックについて、基礎研究から技術・事業開発まで約30年間に及ぶ実績と知見を有する世界的第一人者が、生分解性プラスチックの基本特性、材料設計、成形加工、市場動向、最新の法規制動向を解説いたします。

開催日

  • 2024年9月6日(金) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する技術者
    • 自動車分野
    • 電気・電子分野
    • スポーツ分野 など
  • 生分解性プラスチック・バイオプラスチック・ポリ乳酸に関連する分野のマーケティング担当者、事業企画担当者、経営者

修得知識

  • 地球環境保全と持続的な資源循環型社会に向けての業界や法規制動向
  • 非可食バイオベース・モノマーや化学品の最新開発動向と技術的課題
  • 新規バイオプラスチックの開発動向と基本特性、用途・製品・市場開発動向

プログラム

 昨今の地球環境・資源・廃棄物問題の背景下、再生可能なバイオマスを原料とするバイオプラスチックの開発が進められる中で、これまで原料としてはコーン等の食料資源が用いられてきたが、近年は食料問題と競合しない非可食バイオマスを原料とするバイオプラの開発が活発化している。例えば、次世代バイオプラと世界的に新設・増産計画が相次ぐポリ乳酸 (PLA) に関しても、最近日本で木材パルプから酵素法によるセルロース系糖質の乳酸発酵によるPLAの画期的な製造法が報道されている。また、世界的には木質・草本系バイオマスからパラキシレンを経て100%バイオベースPETの開発と実用化が進展しつつある。
 本講では、これら非可食バイオマスを原料とする新しいバイオリファイナリーの現状と将来展望を交えながら、次世代バイオプラスチックとして期待される有力素材・技術・市場開発の最前線を踏査する。

  1. 地球環境・資源・廃棄物問題の抜本的解決のために
    1. 石油由来合成高分子化合物が内包する地球環境・資源・ 廃棄物問題とは
      1. 原料枯渇問題
        • 50年後に枯渇、そこに至る迄に需給関係 から価格高騰必至
      2. 地球温暖化問題
        • 焼却に伴う温暖化ガスの増大
      3. 廃棄物問題
        • 海洋プラスチック汚染問題等
    2. 海洋プラスチック汚染の実態と生分解性プラスチックの 役割
      1. 海洋プラ濃度の経年変化 (累積増加) 曲線
      2. 海洋汚染問題に対する短期的視点と長期的 (グローバル な) 視点
      3. 海洋自然生態系が許容し得る分解速度、ポジティブ・ コントロールとは?
        • 地球上に生命が誕生して38億年、地球はなぜ廃棄物で 埋もれなかったのか?
    3. バイオプラスチックの識別表示制度と環境負荷低減効果
      1. 日本バイオプラスチック協会 (JBPA) 識別表示制度 (2021年9月改定)
      2. 生分解性プラ
      3. 生分解性バイオマスプラ
      4. バイオマスプラ
      5. カーボン・フットプリント
        • LCAによる環境負荷の客観的・定量的評価
    4. 世界の法規制、グリーンガイド指針、業界動向
  2. バイオベース・プラットホームケミカルとバイオリファイナリー最前線
    1. バイオマス資源
      1. 可食バイオマス
        • デンプン (トウモロコシ) や廃糖蜜 (サトウキビ)
      2. 非可食バイオマス
        • リグノセルロース (茎や葉、雑草、 稲わら、廃木材)
        • ヒマシ油
        • 廃植物油
        • その他
    2. 非可食バイオマスファイナリーとプラットフォームケミカル
      1. シュガープラットフォーム
        • セルロース系糖質から微生物発酵又は触媒化学的手法により化学品を得る
      2. 分解酵素 (セルラーゼ) 法
        • 酵母や乳酸菌による発酵生産 (エタノール、乳酸)
        • 酵素生産、糖化、発酵の生化学的過程をすべて統合化したCBP (Consolidated Bioprocessing) とは?
      3. 超臨界加水分解法
        • Plantrose®/Renmatix 社の触媒化学的バイオリフォーミング (パラキシレン)
      4. 合成ガス (CO,H) プラットフォーム
        • 低酸素下の熱分解ガスから化学品を得る
        • 微生物触媒によるエタノール生産、微生物による 排ガス発酵技術とは?
      5. バイオマスナフサ調製法と誘導化学品
        • 廃植物油の高温 熱分解から得るバイオマスナフサのクラッキング (エチレン等)
    3. バイオベースモノマー又は中間体
      1. C2
        • エチレングリコール (EG)
      2. C3
        • グリセリン
        • 乳酸
        • 1.3-プロパンジオール (PDO)
        • 3-ヒドロキシプロピオン酸 (3-HP)
        • アクリル酸
      3. C4
        • コハク酸
        • 1,4-ブタンジオール (BDO)
        • γ-アミノ酪酸 (GABA)
      4. C6
        • ソルビトール
        • イソソルバイド
        • フランジカルボン酸 (FDCA)
        • アジピン酸
        • 北海道大学が従来法の限界を突破する画期的な高効率FDCA新規化学合成法を開発
      5. C8
        • p-キシレン (PX)
      6. C10
        • セバシン酸
      7. C18
        • リシノール酸
  3. バイオプラスチックの最新動向
    1. バイオポリエチレン (bio-PE)
    2. バイオポリプロピレン (bio-PP)
    3. バイオポリエステル (bio-PES)
      1. 生分解性バイオポリエステル
      2. ポリ乳酸 (PLA)
        • 生分解性 (堆肥化またはバイオマス発電可能) と長期使用耐久性 (構造材料) の両面展開が可能な唯一のバイオプラスチック
        • 非可食木材パルプからのセルロース系糖質を原料に PLA生産技術開発 (王子 HD)
        • 世界的にPLA生産設備の新設・増産計画が相次ぐ (約50万トン/年)
      3. ポリブチレンアジペート・テレフタレート (PBAT)
      4. ポリブチレンサクシネート系 (PBS, PBSA)
      5. 微生物産生ポリエステル系 (PHBV, PHBH)
      6. その他 (デンプン系, PGA, PEST)
      7. 非生分解性バイオポリエステル
      8. バイオポリエチレンテレフタレート (bio-PET)
        • RenmatixのPlantrose®を用いたVirentのBioReformingプロセスによるバイオパラキシレンの生産が主流に!?
      9. ポリトリメチレンテレフタレート (PTT)
      10. ポリエチレンフラノエート (PEF)
        • 化学構造
        • 植物由来フランジカルボン酸 (FDCA) から成るバイオポリエステル
        • 基本特性
        • PET対比で優れたガスバリア性と耐熱性
    4. バイオポリアミド (bio-PA)
      1. ポリアミド11
        • 最も歴史の古い古典的なバイオポリアミド
      2. ポリアミド10T
        • 化学構造
        • 1,10デカンジアミンとテレフタル酸の重合体
        • 基本特性
        • 超高耐熱性
        • Tg/Tm:160/314 (°C) , DTUL (1.8MPa) >300°C
        • 低吸水率耐薬品性、 耐摩耗性、電気特性に優れた次世代スーパーエンプラ
    5. バイオポリカーボネート (bio-PC)
      • 化学構造
      • 植物由来複素環式ジオールのイソソルバイドから成るバイオポリカーボネート・基本特性
      • 光学特性、表面硬度、耐候性・耐光性、耐衝撃性や耐薬品性に優れた新規エンジニアリング・プラスチック
  4. 質疑応答

講師

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

シーエムシーリサーチからの案内をご希望の方は、割引特典を受けられます。
また、2名様以上同時申込で全員案内登録をしていただいた場合、1名様あたり半額の 22,500円(税別) / 24,750円(税込)となります。

  • Eメール案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • Eメール案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)

アカデミック割引

  • 1名様あたり 24,000円(税別) / 26,400円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/1/20 「ポリプロピレン」の材料としての基本的な構造、特性、その応用 オンライン
2025/1/20 プラスチックのリサイクル促進に向けた材料設計・成形加工の技術と知識 オンライン
2025/1/22 欧州連合 (EU) の食品包装規制と安全問題の最新動向 オンライン
2025/1/28 車載用プラスチック材料や成形法の基礎から最新活用法まで オンライン
2025/1/30 熱可塑性エラストマーの総合知識 オンライン
2025/1/30 重合反応の基礎・応用 オンライン
2025/1/30 ポリイミドの基礎とポリイミド系材料の低誘電率化・低誘電正接化 オンライン
2025/1/31 高分子へのフィラーのコンパウンド技術の基礎と応用 オンライン
2025/2/6 エポキシ樹脂 2日間総合セミナー オンライン
2025/2/14 重合反応の基礎・応用 オンライン
2025/2/17 高分子へのフィラーのコンパウンド技術の基礎と応用 オンライン
2025/2/21 シリコーンの基礎・特性と設計・使用法の考え方・活かし方 オンライン
2025/3/6 エポキシ樹脂の耐熱性向上と機能性両立への分子デザイン設計および用途展開における最新動向 オンライン
2025/3/10 シリコーンの基礎・特性と設計・使用法の考え方・活かし方 オンライン
2025/3/13 半導体封止材用エポキシ樹脂・硬化剤・硬化促進剤と分析・特性評価法および技術動向 オンライン
2025/3/28 固体高分子の破壊とタフニング オンライン

関連する出版物

発行年月
2020/1/31 添加剤の最適使用法
2020/1/17 最新プラスチック加飾技術の動向と今後の展望
2019/12/20 高分子の表面処理・改質と接着性向上
2019/10/31 UV硬化技術の基礎と硬化不良対策
2019/1/31 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発と活用集
2018/11/30 エポキシ樹脂の高機能化と上手な使い方
2018/11/30 複雑高分子材料のレオロジー挙動とその解釈
2018/7/31 高耐熱樹脂の開発事例集
2018/4/12 自動車用プラスチック部品の開発・採用の最新動向 2018
2018/3/19 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書
2018/3/18 射出成形機〔2018年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2017/7/31 機能性モノマーの選び方・使い方 事例集
2017/7/31 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術
2017/6/19 ゴム・エラストマー分析の基礎と応用
2017/2/27 プラスチックの破損・破壊メカニズムと耐衝撃性向上技術
2017/1/31 放熱・高耐熱材料の特性向上と熱対策技術
2016/8/31 ポリマーアロイにおける相溶性の基礎と物性制御ノウハウ
2016/2/20 自動車用プラスチック部品・材料の新展開 2016
2014/11/30 繊維強化プラスチック(FRP)〔2015年版〕 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2014/8/28 高分子の劣化・変色メカニズムとその対策および評価方法