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触り心地/テクスチャーの知覚メカニズム・評価技術と商品開発

触り心地/テクスチャーの知覚メカニズム・評価技術と商品開発

~官能評価・定量評価の手法 / 評価データを物性値を結びつける手法~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、ヒトの触感、質感の知覚原理から、「高級感」・「心地よい」などの数値化と測定方法について事例と共に詳解いたします。

開催日

  • 2024年5月13日(月) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 色がテクスチャー知覚と触り心地に与える影響

(2024年5月13日 10:00〜12:00)

 いわゆる触感は対象物に触れた時に手や肌で受ける感じのことであるが、実際は触れる以前に見ることで予期されたり、表面の見た目によって影響を受けることがある。たとえば、物理的に同じ表面の状態 (テクスチャー) であったとしても色が異なると粗さや滑らかさといった触印象に違いが生じ、触り心地も微妙に変化する。このような視覚によってとらえられる触感のことを視覚的触感と呼ぶ。本講演では色による視覚的触感がもつ知覚的な影響と情緒的な影響について解説する。
 まず最初に、色の知覚と色がもつ情緒的効果について理解していただく。次いで、色と香り、色と音楽などといった色を軸とした多感覚感研究を俯瞰する。その上で色と触感の相互作用に関する研究成果として、色が触印象を喚起すること、逆にテクスチャーが色印象を喚起すること、実際にテクスチャーを触ることで得る触印象にテクスチャーの色が影響を与えること、さらに、色が触感による感情喚起に影響をもつことを説明する。
 様々なものづくりにおいてCMF (色・素材・表面加工) が重視されているが、色とテクスチャーのマッチングによる魅力の創出に対して参考にしていただける内容を目指す。

  1. はじめに (色×テクスチャーによるプロダクトの魅力創出)
  2. 色の知覚と情緒性
    1. 色はどのようにあらわされるか?
    2. 色の表記と分類
    3. 色彩調和と多色配色の考え方
    4. 色の知覚的影響と情緒的効果
    5. 色彩感情研究 (普遍性/個別性)
    6. 色彩感情 (カラーイメージ) の測定
    7. 色の感性評価の方法
  3. 色を軸とした多感覚間研究
    1. 配色による感覚の視覚化
    2. 色と香り、色と味覚
    3. 色と音楽
  4. 色と触感の相互作用に関する研究
    1. 触感とは
    2. 色が喚起する触印象
    3. テクスチャーが喚起する色印象
    4. テクスチャーの触印象に色彩が及ぼす影響
    5. 触感による感情喚起に色彩が及ぼす影響
  5. おわりに (色×テクスチャーの課題と実践的な活用)
    • 質疑応答

第2部 触り心地/テクスチャー評価のためのアンケート設計と商品開発

(2024年5月13日 12:45〜14:45)

 官能評価は食品・衣料・化粧品から自動車・情報機器・ロボット・まであらゆる商品開発の現場で使われる必須のツールです。しかし、使用者の感じた感覚を正確に評価し、商品設計やマーケッティングに結び付けるのは難しいものです。
 このセミナーでは、モノの手触りや触覚に関するアンケートを設計、得られたデータを解析し、商品設計の基本になる物性値に結び付ける方法を、具体例を交えて説明します。特に、アンケート等で得られた官能評価の結果と摩擦データをはじめとする物理的な評価結果との関係を解析した例について、化粧品をはじめとする具体的な商品を対象として紹介しますのでご参考ください。

  1. 官能評価とは?
    1. なぜ官能評価をするのか?
    2. 機器分析との違いと特徴
    3. 官能評価のプロセス
    4. 倫理審査
  2. 官能評価に影響を及ぼすファクターとそのコントロール
    1. 評価方法の種類
    2. 実験環境をどうするか?
    3. 試料数とその提示法
    4. パネルの選び方と数
    5. 評価に使うことばの選び方
    6. 官能評価の尺度と特徴
  3. 官能評価用質問紙の作り方
    1. フェイスシートにはどんな内容を盛り込むか?
    2. 質問紙の具体例
  4. 商品開発のための官能評価 ー最新情報ー
    1. 化粧水連用による官能評価の変化
    2. 時系列官能評価法による化粧品塗布中の感触評価
    3. 雰囲気の時系列官能評価 – 感動曲線描画法の有用性? –
    4. 感触用語に寄らない保湿剤水溶液の官能評価方法と溶液物性との関連
  5. 手触り・触感のメカニズムと触覚センシング
    1. ヒトの触覚認識メカニズム
    2. 商品開発の現場で使われる触覚センサ
  6. 触覚センシングの最新動向
    1. ヒトはなぜ多彩な触感を感じるのか?
    2. ヒト指モデル・人工皮膚を利用した触覚センシング
    3. ヒトの触動作を模倣した触覚センシング
    4. 高速カメラ・フォースプレートハイブリッドシステム
    5. しっとり感・さらさら感の発現メカニズム
    6. ヒト皮膚および毛髪の摩擦ダイナミクスと触感
    7. メイクアップ化粧料の摩擦ダイナミクスと触感
    • 質疑応答

第3部 触覚知覚メカニズムと触感性評価手法

(2024年5月13日 15:00〜17:00)

 触覚の基礎である、粗さ感、硬軟感、温冷感などの触覚の知覚メカニズムとともに、触感性および触動作を定量的に評価・分析する手法を解説します。

  1. 触覚の知覚メカニズム
    • 粗さ感の知覚
    • 摩擦感の知覚
    • 硬軟感の知覚
    • 温冷感の知覚
  2. 触感評価手法
    • 多次元多階層モデル
    • 触動作評価
    • 時系列評価
    • 質疑応答

講師

  • 稲葉 隆
    株式会社 日本カラーデザイン研究所 プロジェクト推進部
    シニアマネージャー
  • 野々村 美宗
    山形大学 大学院 理工学研究科 バイオ化学工学専攻
    教授
  • 永野 光
    神戸大学 大学院 工学研究科 機械工学専攻
    助教

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は郵送にて前日までにお送りいたします。
  • 開催まで4営業日を過ぎたお申込みの場合、セミナー資料の到着が、開講日に間に合わない可能性がありますこと、ご了承下さい。
    ライブ配信の画面上でスライド資料は表示されますので、セミナー視聴には差し支えございません。
    印刷物は後日お手元に届くことになります。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。

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