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有機分子を活用した蓄電デバイスの開発

有機分子を活用した蓄電デバイスの開発

~有機リチウムイオン電池とレドックスフロー電池~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、有機リチウムイオン電池研究について、基礎な開発コンセプトから国内外における最近の研究動向に関する紹介するとともに、我々が独自に開発した開殻有機分子であるトリオキソトリアンギュレンを用いたOLIBの研究開発について、その学術的背景からそれを電極活物質として利用するコンセプト、さらには性能向上とトリオキソトリアンギュレンの特性を活かしたOLIBの新しいデバイス構造の開拓に焦点をあてて解説いたします。

開催日

  • 2023年12月19日(火) 13時00分 17時00分

修得知識

  • 開殻有機分子の設計と電子物性
  • 有機分子の酸化還元・電子授受能と機能性開拓への展開
  • 高容量有機リチウムイオン二次電池の開発コンセプトと活物質の設計指針
  • 有機活物質を用いたレドックスフロー電池の開発コンセプトと活物質の設計指針

プログラム

 高性能で安全な蓄電デバイスの開発は、再生可能エネルギーの利用拡大さらにはカーボンニュートラル社会の実現に向けた最重要課題の一つである。リチウムイオン二次電池は携帯型電子機器や電気自動車の電源として現在広く活用されている。また、レドックスフロー電池は家庭や発電所など、大容量の蓄電に適した定置型蓄電デバイスであり、今後の急速な利用拡大が見込まれている。一方、それらはコバルトやバナジウムといった遷移金属イオンの酸化還元を充放電に利用することから資源量の制約や安全性などの問題を抱えており、事業規模の拡大の大きな妨げとなっている。このような観点から近年、それらの活物質である遷移金属イオンの代替材料として、資源量に制約がなく環境負荷も小さな有機活物質を利用する研究が盛んに行われている。
 本講演では、有機活物質を用いた有機リチウムイオン二次電池およびレドックスフロー電池の研究について、基礎的な開発コンセプトから国内外における最近の研究動向について紹介する。また、我々が独自に開発した開殻有機分子であるトリオキソトリアンギュレン中性ラジカルを用いた高容量有機リチウムイオン二次電池の研究開発について、その学術的背景からそれを電極活物質として利用するコンセプトに焦点をあてて解説する。さらに、最近我々が着手した水系レドックスフロー電池に用いる有機活物質の開発についても、その設計指針から最近の研究状況について解説する。

  1. 研究背景〜縮多環型開殻有機分子の設計と機能開拓
    1. 開殻有機分子の設計指針と研究背景
    2. トリオキソトリアンギュレン中性ラジカルの研究経緯
    3. トリオキソトリアンギュレン中性ラジカルを用いた機能性開拓
  2. 開殻有機分子を正極活物質とする高容量有機リチウムイオン二次電池の開発
    1. 蓄電デバイスの種類とその市場動向
    2. 現行のリチウムイオン二次電池の問題点・改善すべき点
    3. 有機リチウムイオン二次電池の研究背景と動向
    4. 有機リチウムイオン二次電池の高容量化に向けた分子設計指針
    5. トリオキソトリアンギュレンを用いた高容量有機リチウムイオン二次電池の開発
    6. トリオキソトリアンギュレンの化学修飾による高性能化検討
    7. 有機リチウムイオン二次電池の性能向上に向けた正極部材の検討
  3. 有機活物質を用いた水系レドックスフロー電池の開発
    1. 現行のレドックスフロー電池の問題点・改善すべき点
    2. 有機活物質を用いたレドックスフロー電池の研究背景と動向
    3. 水系レドックスフロー電池の有機負極活物質の設計指針と研究例
    4. キノン系負極活物質の研究状況

主催

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