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ウェブハンドリングのトラブル発生メカニズムとその対策

ウェブハンドリングのトラブル発生メカニズムとその対策

~トラブル対策へ向けたテンション制御、摩擦係数の制御~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、ウェブ・ウェブハンドリングについて基礎から解説し、横ずれ、スリップ、シワ、巻きずれ、蛇行等、トラブルの原因と対策・未然防止策について詳解いたします。

開催日

  • 2023年7月12日(水) 9時50分 17時00分

受講対象者

  • ウェブハンドリング関連の業務に携わる技術者 (設計・開発・生産技術等)
  • 機械系、システム系、電気系担当者でロールTOロールの張力制御に携わる技術者

修得知識

  • ウェブの基礎的な力学的性質
  • ウェブの不具合メカニズム
  • ウェブの不具合の防止法
  • シート製品に発生するシワ・弛みの具体的な対策法
  • 定量的管理方法の考え方
  • 張力制御の基礎
  • 巻き出し、巻取り装置用アクチュエータ選定の基礎
  • ウェブハンドリング分野 (ウェブの搬送、巻き取り) における基礎事項
  • ウェブハンドリング分野におけるコンピュータシミュレーションの現状
  • コンピュータシミュレーションの長所・短所とその利用法
  • ウェブハンドリング技術に関するトラブルの本質と実践的な対策方法

プログラム

第1部 ウェブハンドリングの力学特性

(2023年7月12日 09:50〜11:20)

  1. はじめに
    1. ウェブとウェブハンドリング
    2. ウェブハンドリング技術のポイント
    3. ウェブハンドリングの研究の流れ
    4. まとめ
  2. ウェブの力学的性質
    1. ウェブに作用する力とその変形
    2. フックの法則
    3. ウェブ素材の構造と弾性の関係
    4. 液体の構造と粘性
    5. 粘弾性体とその力学的モデル
    6. ウェブの曲げ
    7. ウェブの座屈
    8. ウェブの折れしわ
  3. ウェブハンドリングのトライボロジー
    1. ウェブ搬送とトライボロジー
    2. 摩擦力と摩擦係数
    3. 摩擦係数の測定
    4. オイラーのベルト公式
    5. 固体の接触と摩擦
    6. 摩擦のメカニズム
    7. 摩擦係数のコントロール
    8. マクロスリップの発生条件と抑止方法
    • 質疑応答

第2部 シワの検知システムと自動除去装置の設計

(2023年7月12日 11:30〜12:30)

 ウェブハンドリングに於いて、高速化や薄膜化が進む昨今、シワによるトラブルは避けがたい事象と考えます。その対策法の一つとして弊社製品/シワ検知システム及びシワ自動除去装置をご紹介致しますがキーワードは省人化・定量化・歩留り向上です。第4 次産業革命の具体化が進む昨今、弊社製品がこれらのキーワードとどう結びつくのか実績を基にした具体例も上げてご紹介致します。

  1. シワ、弛み問題のトレンドと弊社が考える発生メカニズム
  2. 現状の対策法と歩留り・労力について
  3. シワ検知システムの開発コンセプト (以下検知関係)
  4. システムの概要と特長
  5. シワレベルの定義とその扱い方
  6. その他、排出可能データの見方
  7. システムの具体的使用例
  8. システムで可能になる事 (省力化・定量化・歩留り向上)
  9. シワ自動除去装置のコンセプト (以下自動装置関係)
  10. 自動装置のメカニズム
  11. エキスパンダーロールの構造と拡幅効果について
  12. エキスパンダーの具体的使用例
  13. 自動装置の考え方 (扱い方)
  14. 自走装置で可能になる事 (省人化・歩留り向上)
  15. 将来の展望
    • 質疑応答

第3部 ロール to ロールにおけるテンション (張力) コントロール技術

(2023年7月12日 13:10〜14:10)

 ロールTOロールにおけるテンションコントロールの基礎を説明する。使用条件にあった張力制御 (速度制御、トルク制御) を説明する。

  1. ロールTOロールの世界
    1. ロールTOロール制御
    2. ロールTOロールとウエブ
    3. ロールTOロールの特徴
  2. 張力制御の概要
    1. 張力制御とは
    2. 張力制御導入による効果
  3. 張力制御の基礎
    1. 張力とは
    2. 巻き軸のトルクと力の関係
    3. 慣性モーメントの影響
    4. メカロスの影響
    5. 巻き軸のトルクと三種類の力
  4. 張力制御の方法
    1. トルク制御と速度制御
      1. トルク制御のしくみ
      2. 速度制御のしくみ
    2. トルク制御と速度制御の使い分け
  5. トルク制御を用いた張力制御の種類
    1. 手動制御
    2. オープンループ制御
    3. フィードバック制御 (クローズドループ制御)
    4. フィードフォワード/フィードバック複合制御
  6. 張力制御システムの基礎
    1. 各部の名称と役割
    2. 主軸の設定
    3. 基本のテンション制御システム
    4. アクチュエータ比較 使い分け
    • 質疑応答

第4部 コンピュータシミュレーションを利用したウェブハンドリングの課題解析

(2023年7月12日 14:20〜15:20)

 ウェブと呼ばれる各種のフィルムや紙の製造・加工プロセスなどにおいては、幅広・薄厚のウェブを高速・高精度でトラブルなく搬送し、巻き取ることが求められているが、実際の現場ではウェブの搬送や巻き取り時にウェブの横ずれ、しわなど多くのトラブルに遭遇する。
 本講義では、ウェブの搬送や巻き取り中に生じるいくつかのトラブルをコンピュータシミュレーションした結果を用いて、現象の特徴や発生メカニズム、低減策などについて説明する

  1. ウェブハンドリング基礎
    1. Normal entry law
    2. 摩擦特性
    3. 搬送時のしわ
    4. 巻き取り欠陥
  2. コンピュータシミュレーションについて
  3. 搬送中のウェブのしわ
    1. 波しわ
    2. 乗り上げしわ
    3. 折れしわ
  4. ロールの巻き取りと内部応力
    1. Hakielの計算結果との比較
    2. 層間すべりの影響
  5. ニップローラによるロール内部応力の変化
    1. 巻き付き角とロール応力
  6. ロールの巻きずれ
    1. コアの傾きによる場合
    2. 張力不均一による場合
  7. ローラの傾き角と波しわ
    1. 波しわの発生について
    • 質疑応答

第5部 巻取理論とトラブル改善

(2023年7月12日 15:30〜17:00)

 フィルムや紙、金属箔などのウェブやコーティングした機能性ウェブにおいて、巻取中やその後の保管・輸送中にシワやブロッキング、ゲージバンドなどが生じることがある。これらは製品の品質と直結するために、トラブルの抑制は極めて重要な課題であるが、経験と感による試行錯誤的な対策に限界を感じている担当者は少なくない。
 本セミナーはトラブルの改善や未然防止を図るための知識の習得を目的とし、巻取理論の本質とトラブルの発生メカニズムを解説しながら様々な状況を想定した対策事例とその概念を紹介する。課題解決の一助になると確信している。

  1. はじめに
    1. ウェブハンドリング技術とは
    2. トラブル改善へのアプローチ
    3. 張力とトラブルの関係
  2. 巻取理論とその活用
    1. 理論の概観
    2. 巻取トラブルについて
    3. 基礎理論 (Hakielモデル)
      1. 理論と数値計算例
      2. 量産化 (長尺化) でブロッキングとシワを防止する張力の設定
    4. 巻取後の温度変動を考慮した理論 (温度変動モデル)
      1. 理論と実験検証
      2. ウェブによって異なるロール品質の要因
      3. コアによる品質コントロール
    5. 幅方向の厚みムラを考慮した理論 (厚みムラモデル)
      1. 理論と実験検証
      2. 広幅化でのポイント (狭幅と広幅の比較)
      3. 生産ラインの実測データを適用したロットバラつき
  3. おわりに
    • 技術強化の重要性と技術コンサルティングの紹介
    • 質疑応答

講師

  • 砂見 雄太
    東海大学 工学部 機械工学科
    准教授
  • 東 賢司朗
    カンセンエキスパンダー工業 株式会社 営業部 検査システム販促課
    課長
  • 溝上 嗣康
    三菱電機株式会社 FAエンジニアリングサービスセンター FAフィールドエンジニアリング部 第1グループ
  • 矢鍋 重夫
    長岡技術科学大学
    名誉教授
  • 神田 敏満
    株式会社KANDA
    代表取締役

主催

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お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

日本国内に所在しており、以下に該当する方は、アカデミック割引が適用いただけます。

  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • ご視聴は、お申込み者様ご自身での視聴のみに限らせていただきます。不特定多数でご覧いただくことはご遠慮下さい。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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