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車載コンデンサの小型化・大容量化技術動向と設計技術

車載コンデンサの小型化・大容量化技術動向と設計技術

オンライン 開催

概要

本セミナーでは、コンデンサについて基礎から解説し、コンデンサの構成材料と構造、インピーダンス特性、熱設計までを分かりやすく解説いたします。

開催日

  • 2023年1月23日(月) 10時30分 16時15分

修得知識

  • 電源制御の基礎知識
  • コンデンサに関する基礎知識
  • 積層セラミックスコンデンサ (MLCC) の基礎

プログラム

第1部 車載電装機器で使用される各種コンデンサの基本原理とその設計

(2023年1月23日 10:30〜12:00)

 近年の脱化石燃料の動きに伴い、内燃機関自動車の法規制導入が世界各国で検討され、電気自動車へのシフトが加速されていくと考えられます。あわせて、自動運転支援システムの導入や自動運転の動きもあり、今後ますます様々な自動車電装機器が増えていくと予想されます。これら駆動用システムや電装機器のECUにはその用途に応じて様々なコンデンサが使用されており、車載用コンデンサ需要も増加していくと考えられます。従って、自動車技術に関わる設計者にとって、受動部品の一つの柱であるコンデンサについて理解しておくことは意義があると考えます。
 漠然と回路ごとに使い分けていたコンデンサ種について、本セミナーによって理由が明確になると考えます。また、コンデンサの基本構造と誘電体特性がコンデンサのインピーダンスにどのように関わっているのか理解できます。コンデンサ設計や信頼性確保において重要なコンデンサの発熱量・温度推定についても解説する予定です。

  1. 車載電装機器とコンデンサ
    1. 車載電装機器と使用されているコンデンサ
    2. 各種コンデンサの構造と特徴
  2. パワエレ回路とコンデンサ
    1. 平滑回路
    2. 共振回路
    3. スナバ回路
  3. コンデンサの基本構造とインピーダンス
    1. コンデンサ基本構造か
    2. コンデンサのインピーダンス特性
  4. 誘電体特性について
  5. リプル電流によるコンデンサ発熱量推定
    1. リプル電流とコンデンサインピーダンス特性
    2. どのように発熱推定するか
  6. コンデンサの熱設計
    1. コンデンサの熱回路網モデル
    2. 電気・熱マルチドメイン
  7. まとめ
    • 質疑応答

第2部 フィルムコンデンサの動向と高性能化へ向けた技術課題

(2023年1月23日 13:00〜14:30)

 SDGsやカーボンニュートラルなど環境問題に対応するために車の電動化が各国で義務化されてきた。車の電動化には電源の制御が必須の技術課題である。奇麗な電源を供給するには電源を平滑化しなくてはならず、そのために注目されているのが、フィルムコンデンサである。フィルムコンデンサに関して、必要な知識をここで解説する。

  1. コンデンサの基本
    1. コンデンサの基本性質
    2. コンデンサの働き
    3. コンデンサの種類
  2. フィルムコンデンサ
    1. フィルムコンデンサの構造と原理
    2. フィルムコンデンサの外形形状
    3. フィルムコンデンサの特徴
  3. フィルムコンデンサの技術課題
    1. 使用上の注意事項
    2. 技術課題
  4. フィルムコンデンサの動向
    1. 小型大容量化
    2. 高耐熱化
    3. 低騒音化
  5. まとめ
    • 質疑応答

第3部 積層セラミックコンデンサの小型・大容量化、高信頼性の技術動向

(2023年1月23日 14:45〜16:15)

 積層セラミックスコンデンサー (MLCC) はスマートホンやパソコンに代表されるように小型化、高性能化、省電力化が進んだ電子機器で数多く使用されている代表的な受動部品 (キャパシター) である。特に、内部電極をNi金属に代えたNi内電MLCCはNi金属の低コスト化を特徴にして大容量・小型化が急激に進んだ。チップサイズは年々小型化し0201タイプ (0.2×0.1mm) の実用化も始まっている。一方、CASEトレンドに沿った自動車は、高度の機械技術の集合体から情報機器の集合体 (走るコンピュータ、半導体の塊、動くデータセンター) へと変貌している。自動車の機能を実現する電気・電子回路は、CPUやメモリ、パワーデバイスなどの能動素子だけでなく、能動素子を機能的に動作させる受動部品 (L、C、R) が無数に使われている。数ある受動部品の中で、積層セラミックコンデンサ (MLCC) は、小型・大容量・高信頼性が実現可能な素子である。
 当講座ではNi内電MLCCの材料から始まって、高積層技術、更に将来展望まで幅広且つ詳細に解説を行う。

  1. 民生用/車載用MLCCのサイズの変遷
  2. CASEにおける必要なMLCC
  3. MLCC世界ランキングと市場、中国に見る電子セラミックスの中国市場
  4. 自動車用MLCCの動向・中高耐圧MLCCの拡大
  5. 車載用MLCCの信頼性・熱解析、村田製作所MLCCの見通し
  6. スマートホンに搭載される電子部品 (MLCC) 、MLCCの自動車搭載個数
  7. コンデンサを等価回路で考える
  8. 材料から見たBaTiO3+希土類+アクセプタ+固溶制御材+焼結助剤の歴史
  9. MLCCの小型化、容量密度の進化、誘電体層薄層化の進化
  10. Ni-MLCCの製造プロセス、グリーンシートの技術動向
  11. 高信頼性MLCCに必要なこと、微小粒径、コア・シェル構造の利点
  12. 高積層MLCCに求められる特性、水熱BaTiO3
  13. 固相法によるBaTiO3の微細化、 微少・均一BaTiO3のためのアナターゼTiO2
  14. 固相反応によるBaTiO3の反応メカニズム、 水蒸気固相反応法、BaTiO3の低温反応、
    水で加速する室温固相反応 (BaTiO3)
  15. 粉砕と分散とは、メデイアのサイズ、メデイアの材質
  16. プラズマ法による微粒粉末合成、ナノテクノロジーによるコーテイング粒子の合成
  17. 車載用MLCC、X8R規格のMLCC (Ba、Ca、Sn) TiO3の特性評価、Snの役割り
  18. 電圧印加で容量が増加するMLCCとは、 応力印加でBaTiO3薄膜のキュリー点が大幅上昇
  19. 高積層・高容量MLCCのためのNi内部電極用Ni微粒子、供材
  20. 2段焼成法のNi内部電極の効果、カバーレッジの向上
  21. Ni内部電極の成形メカニズム (膜断面の観察) 、 Ni内部電極の連続性 (カバーレッジ) 向上のメカニズム
  22. Ni電極向上のために (Ni微粒子径、粒度分布、供材添加) 、 Ni微粒子への添加効果 (Ni-Cr, Ni-Sn)
  23. Ni電極印刷法 (グラビア印刷) . MLCC外部電極 (高温対応)
  24. MLCCの信頼性I KFM法、 MLCCの信頼性II E-J評価、絶縁劣化メカニズム
  25. 最近のMLCC研究動向
  26. まとめ
  27. 付記) 現象論的熱力学を用いたBaTiO3の特性シミユレーション
    • 質疑応答

講師

  • 向山 大索
    ルビコン株式会社 技術本部 設計部
    主幹設計員
  • 梶田 栄
    NPO サーキットネットワーク
    理事長
  • 山本 孝
    防衛大学校
    名誉教授

主催

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お問い合わせ

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
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  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
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  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

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