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微粒子分散、凝集の制御へ向けたゼータ電位の活用と評価、測定

微粒子分散、凝集の制御へ向けたゼータ電位の活用と評価、測定

オンライン 開催

開催日

  • 2022年11月16日(水) 10時30分 16時15分

受講対象者

  • 粉体・微粒子分散で課題を抱えている方
  • 粉体・微粒子分散に関連する技術者・研究者、品質担当者
    • 医薬品
    • 化学品・化学原料
    • 食品
    • 化粧品
    • 塗料
    • 電子材料
    • 金属材料
    • 電池材料
    • 粉末治金
    • セラミックス
    • 肥料 など

修得知識

  • 微粒子分散系の凝集促進因子であるハマカー定数と分散促進因子であるゼータ電位について
  • コロイド粒子の分散、凝集のメカニズム
  • ゼータ電位、粒子径の測定ノウハウ
  • ゼータ電位と粒子径の測定原理
    • 光散乱電気泳動法
    • 動的光散乱法

プログラム

第1部 ゼータ電位の活用とその評価

(2022年11月16日 10:30〜14:30) ※途中、お昼休憩含む

 微粒子の分散・凝集は粒子間のファンデルワールス引力と粒子間の静電斥力の大小に依存する。この静電斥力は粒子のゼータ電位によって決定され、ゼータ電位が大きいほど大きい。ゼータ電位は微粒子分散系の分散促進因子である。
 ここで、重要なことは、「ゼータ電位は直接測定される量ではなく、適切な理論式に従って電気泳動移動度等から計算される量である」という点にある。この理論式は媒質の条件 (塩濃度、温度、誘電率等) や粒子のゼータ電位の大きさや形状によって異なる。本講座ではゼータ電位の求め方について詳述し、その活用と評価について解説する。

  1. ゼータ電位とは何か
  2. ゼータ電位とDerjaguin-Landau-Verwey-Overbeek (DLVO) 理論
  3. 微粒子間に働くファンデルワールス引力:微粒子集団は凝集する
    1. 分子間ファンデルワールス引力がないと分子集団から微粒子はできない
    2. 微粒子間に斥力がなければ微粒子集団は凝集する
    3. エネルギーと電位の尺度:熱エネルギー
    4. 微粒子間引力は分子間ファンデルワールス引力の総和
    5. 微粒子集団の凝集促進因子:ハマカー定数
    6. 似た者同士は引き合う:疎水性コロイドと親水性コロイド
  4. 微粒子間引力に対抗する微粒子間斥力:静電斥力
    1. 帯電微粒子は裸ではなく電気二重層 (対イオンの雲) で覆われている
    2. ポアソン・ボルツマンの式
    3. 微粒子集団の分散促進因子:ゼータ電位 (表面電位にほぼ等しい)
  5. 電気泳動移動度の測定値からゼータ電位を計算する式
    1. スモルコフスキーの式:任意の形状の大きな固体粒子
    2. ヒュッケルの式:小さな固体粒子や非水系
    3. ヘンリーの式:任意のサイズでゼータ電位が50mV以下の球または円柱
    4. ゼータ電位が50 mV以上では緩和効果 (電気二重層の変形) を考慮
    5. エマルションは同じゼータ電位をもつ固体粒子より速く泳動
    6. 柔らかい粒子 (高分子で被覆した粒子) ではゼータ電位の概念は失われる
  6. 沈降電位、濃厚系および動的電気泳動:CVPとESA
    1. 沈降電位
    2. 濃厚系
    3. 動的電気泳動:CVPとESA
  7. DLVO理論に基づく微粒子間の静電反発エネルギーの計算
    1. 粒子間の静電斥力:拡散電気二重層の重なり
    2. 分散安定性を評価する標準理論: DLVO理論は
  8. 分散系の安定性の評価とポテンシャル曲線の作成
    1. 微粒子間全相互作用エネルギーと微粒子分散系の安定性
    2. 安定性のわかるマップ
  9. まとめ
    • 質疑応答

第2部 分散安定性評価におけるゼータ電位、粒子径測定

(2022年11月16日 14:45〜16:15)

 コロイド粒子の分散性の指標として用いられるゼータ電位と、分散・凝集状態を評価する粒子径測定を併せて評価することで、分散安定性として評価することができます。その測定の原理から測定精度を得るためのノウハウ、アプリケーション事例についてご紹介します。

  1. 光散乱法について
  2. ゼータ電位測定の測定原理
    1. 電気泳動法について
    2. 電気浸透流の解析
  3. 粒子径測定の測定原理
    1. 動的光散乱法について
    2. 粒子径、粒子径分布の解析
  4. 測定のノウハウ
    1. 精度良く測定するための注意点
  5. アプリケーション事例
    1. ゼータ電位、粒子径とpHの関係
    2. 添加剤の種類による影響
    3. 温度グラジエント測定
    • 質疑応答

講師

  • 大島 広行
    東京理科大学
    名誉教授
  • 稲山 良介
    大塚電子 株式会社 粒子物性開発部 粒子物性西日本分析グループ

主催

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: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)
複数名
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 50,000円(税別) / 55,000円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)
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アカデミック割引

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  • 学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院、短期大学、附属病院、高等専門学校および各種学校の教員、生徒
  • 病院などの医療機関・医療関連機関に勤務する医療従事者
  • 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
  • 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
  • 支払名義が企業の場合は対象外とさせていただきます。
  • 企業に属し、大学、公的機関に派遣または出向されている方は対象外とさせていただきます。

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本セミナーは終了いたしました。

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