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医薬品開発に向けたタンパク質の立体構造解析

医薬品開発に向けたタンパク質の立体構造解析

~最新の立体構造解析手段 / 具体的な「AlphaFold」の使用実例~
オンライン 開催

開催日

  • 2022年8月17日(水) 10時30分17時15分

プログラム

第1部 マイクロ流体デバイスを用いた微少試料でのタンパク質の立体構造解析

(2022年8月17日 10:30〜12:30)

 医薬品開発において、貴重なタンパク質試料をロスなく、微量で効率良く用いる立体構造解析の開発が望まれている。また、タンパク質の立体構造解析においては、結晶化・前処理・測定・構造解析など、多数の煩雑なプロセスが存在し、それぞれにノウハウや熟練した手技が求められる。これまでに我々は、半導体微細加工技術によって作製したマイクロ流体デバイスを用いて微少試料でのタンパク質の立体構造解析法を開発してきた。
 本講演では、世界におけるタンパク質構造解析のためのマイクロ流体デバイスの開発・利用状況や近年の動向、および、我々が取り組んでいる放射光施設への技術導入について解説する。

  1. イントロダクション
    1. タンパク質科学および構造生物学における微量分析・マイクロ流体技術
    2. マイクロ流体デバイスの概要
    3. マイクロ流体デバイスの作製法
  2. マイクロ流体デバイスを用いたタンパク質の結晶化および立体構造解析
    1. 結晶化条件の微量・迅速スクリーニング
    2. 結晶化制御技術
    3. オンデバイス構造解析法
  3. 室温条件下でのタンパク質の立体構造解析
    1. 室温条件下での立体構造解析の利点
    2. マイクロ流体デバイスを用いた室温条件下での立体構造解析
    3. 放射光施設との連携による室温立体構造解析プロセスの自動化
  4. まとめと展望
    • 今後の開発展開
    • 質疑応答

第2部 機械学習を用いたタンパク質立体構造の評価方法の開発

(2022年8月17日 13:30〜15:30)

 タンパク質のX線結晶構造解析では、実験データの分解能が座標決定や構造の品質に影響を与える。特に低分解能では、解析者の主観や思い込みが座標決定に入り込むケースも多い。こうした課題に取り組むため高分解能データから作成した電子密度や座標を機械学習させ、座標決定を支援するQAEmap (Quality Assessment based on Electron density map) を開発中であるので紹介する。

  1. X線結晶構造解析によるタンパク質構造決定
    1. 課題とその例
    2. タンパク質の構造評価と機械学習
  2. QAEmapの開発
    1. 電子密度を機械学習する
    2. 目的変数の設定
    3. QAEmapによるタンパク質結晶構造の機械学習の実際
    4. QAEmapの応用
  3. 今後の計画と課題
    1. クライオ電顕構造への応用
    2. 実用化に向けての課題
    • 質疑応答

第3部 パラダイムシフトを起こした「AlphaFold」の概要と使用実例

(2022年8月17日 15:45〜17:15)

 パラダイムシフト以前は、大量の蛋白質を結晶化して構造を見る事が、化学者としての「研究のスタート地点」であった。現在はアミノ酸配列の相同性検索と同じ感覚で、蛋白質の構造予測を直ちに行えるようになり、夢のような時代が到来した。AlphaFold ver.2の公開から2か月間、構造予測の検証と、私の研究対象である「ヘム酵素」と「蛋白質複合体」に対する信頼度調査を行った。
 この結果をうけて、応用方法やパラメーターの推奨設定を紹介し、失敗した予測のリカバリーや網羅的な予測の実例について紹介する。

  1. Alphafoldとは
    1. CASP14の実績とソースコード公開の背景
    2. Alphafoldデータベースについて
    3. 公開された関連ソフトの違い
      • AlphaFold
      • ColabFold
      • RoseTTAFold
      • OpenFoldなど
  2. Alphafold予測の対応範囲と対応範囲外の予測へのアプローチ
    1. 複合体予測: 予測手法について
      • ポリグリシン法
      • 残基番号変更法
      • 非天然アミノ酸法
    2. 構造変化: Multiple Sequence Alignment (MSA) の採用数とその効果について
    3. 点変異: 機能に直結する点変異とその構造変化について
    4. 低分子: ヘム結合蛋白質の網羅的な構造予測について
  3. オンラインで実行できる「ColabFold_advanced」のパラメータとその効果
    1. リサイクル数
    2. tol (tolerance)
    3. アンサンブル数
    4. シード値
    5. モデルパラメーター
      • monomer
      • monomer_ptm
      • multimer
  4. 失敗例として挙げられるインスリンの構造予測を成功させるために必要な事
    • 質疑応答

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