技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

原薬のスケールアップでの失敗例とその対応策

Zoomを使ったライブ配信セミナー

原薬のスケールアップでの失敗例とその対応策

~開発初期 / パイロット試作 / 商用生産 / 生産開始後など、スケールごとの失敗事例から対策を学べる~
オンライン 開催

概要

本セミナーでは、原薬スケールアップの失敗事例から得られた知見をもとに、スケールダウン実験の考え方、実験方法についても解説いたします。

開催日

  • 2021年1月28日(木) 12時30分 16時30分

プログラム

 原薬のスケールアップ製造は医薬品の開発では絶対に避けられない部分である。前臨床試験、臨床試験、商用製造開始、商用製造開始後の各ステージでのスケールアップ製造のポイント (考え方) を実際に経験した例 (失敗例) を参考に説明し、更にどのように対処、解決したかも説明する。そこから得られた知見をもとにスケールダウン実験の考え方、実験方法についても説明する。

  1. 医薬品 (原薬) の開発とスケールアップ (基本的な考え方)
  2. 実験室スケールとスケールアップの相違点
    • 小スケールとスケールアップのパラメータの比較と考え方、設定法
  3. スケールアップ実験するためのチェックポイント、考え方
    • 原料、中間体の評価項目とその対応策
      • 安全性
      • 安定性
      • 結晶多形
      • 溶媒和 他
  4. スケールアップを想定した実験法 (スケールダウン実験)
    • 具体例をもとに
  5. スケールアップとコスト・時間の考え方
    1. 反応条件とプロセスの関係
      • (事例) 5日近くかかるプロセス (反応→抽出→濃縮→晶析→乾燥) を2日に短縮。
    2. 事例から考えられる操作簡略化、時間短縮の応用例
    3. プロセスを元に設備設計、設備を元にプロセス設計 (考え方)
  6. スケールアップでの失敗例 (実際の経験から) と対応策
    1. 開発初期 (実験室~10Lスケール) の失敗事例
      1. 転位反応:
        • 1gから10gにスケールアップしたら転位反応が原因で目的物が得られなくなった。
      2. 中間体の安定性 (ビタミンC硫酸エステル誘導体の製造) :
        • 1gスケールでは目的物が合成できたが、10gスケールでは合成不可の結果となった。
      3. 目的物の安定性 (ピリジン・無水硫酸錯体) :
        • 目的物が得られないのは吸湿性が原因と判断したが、逆に吸湿性を利用することで大量生産可能な方法に至った。
      4. ジェネリック原薬用中間体の製法検討:
        • 文献を参考に実験を進めたが目的物は得られず、実験結果に基づいて検討を進めたところ、簡単な製法にたどり着いた。
      5. 抗生物質の側鎖の製造:
        • 新合成法を考案し、特許出願。製造開始直前に中間体に安全性の問題
          (蓄熱性試験) あることがわかり、検討中止。
      6. アルキルホルムイミデート類の合成 (カルバペネム系抗生物質側鎖) :
        • 青酸ガスを使用しなければならなくなった
      7. カラム分離工程の回避:
        • 前臨床試験に進むことが決まり、カラム分離工程回避の必要性が出てきた。
      8. 爆発性中間体の回避 (抗生物質側鎖) :
        • メチルエステル、エチルエステルの比較実験をして、中間体の物性を比較。合理的な合成法に至った。
    2. パイロット試作 (200~500Lスケール) での失敗事例 (設備、時間)
      1. 目的物の安定性 (抗生物質側鎖:アミノチアジアゾール誘導体の製造) :
        • 設備の性能を安易に考えてオーバー反応してしまった。
      2. 中間体の安定性確認 (塩酸ペンタゾシンの中間体の製造) :
        • スケールアップして中間体を大量合成したら分解してしまった。
      3. 目的物が異性化 (抗生物質側鎖:アミノチアゾール酢酸誘導体の製造) :
        • 再結晶プロセスをスケールアップしたら目的物が得られなくなった。
      4. 臭素の取り扱い (臭素化プロセスのスケールアップ) :
        • パイロットにスケールアップしたところ、反応開始を確認できず、大きなトラブルに陥りそうになった。対処法を検討した結果、合理的かつ安全なプロセス開発に至った。
      5. 撹拌速度の影響 (アセトン/炭酸カリウム系でのアルキル化反応) :
        • 不均一反応の代表的な例、対応策、応用例。
    3. パイロットから商用生産 (2000Lスケール以上) での失敗事例 (設備、原料、生産)
      1. PhaseⅢ試験後の製法変更:
        • 爆発性の中間体を経由するためスケールアップ製造できず PhaseⅢ試験が終わってしまった。
      2. 目標規格の原料が手に入らない:
        • 商用生産に入ろうとしたら原料が入手できなくなった。
      3. 設備変更して反応の本来の姿がわかった:
        • パイロットまでGL、商用生産でSUSに切り替えたところ錆が発生。
      4. アミノチアゾール酢酸製造のスケールアップ:
        • パイロットまでは問題なかったが、商用生産で乾燥機の選択を誤った。
      5. キャンペーン生産:
        • スポット生産では問題なかったエステル交換反応を、キャンペーン生産に切り替えたところエステル交換反応が進まなくなった。
      6. 残留溶媒の規格:
        • 商用生産に移行しようとしたら残留溶媒の問題発生。
      7. 結晶多形の同等性:
        • 外部委託したら結晶形で同等性の問題が発生。
      8. 出発原料の製法に伴う問題 (製法に伴う異性体混入の可能性)
    4. 商用生産開始後の失敗事例 (2000年〜5000年L以上)
      1. 収量低下の逸脱:
        • 原料の溶解時間の影響
      2. 原料の純度アップ:
        • 高純度品の原料に切り替えた途端に逸脱発生
      3. 乾燥時間の管理:
        • 順調に商用生産がスタートしたが、製品の乾燥時間が突然2倍 (10時間→20時間) になった。
  7. その他、質疑応答

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

ライブ配信セミナーについて

  • 本セミナーは「Zoom」を使ったライブ配信セミナーとなります。
  • お申し込み前に、 視聴環境テストミーティングへの参加手順 をご確認いただき、 テストミーティング にて動作確認をお願いいたします。
  • 開催日前に、接続先URL、ミーティングID​、パスワードを別途ご連絡いたします。
  • セミナー開催日時に、視聴サイトにログインしていただき、ご視聴ください。
  • セミナー資料は、PDFファイルをダウンロードいただきます。
  • ご自宅への書類送付を希望の方は、通信欄にご住所・宛先などをご記入ください。
  • タブレットやスマートフォンでも受講可能ですが、機能が制限される場合があります。
  • 講義の録音、録画などの行為や、権利者の許可なくテキスト資料、講演データの複製、転用、販売などの二次利用することを固く禁じます。
  • Zoomのグループにパスワードを設定しています。お申込者以外の参加を防ぐため、パスワードを外部に漏洩しないでください。
    万が一、部外者が侵入した場合は管理者側で部外者の退出あるいはセミナーを終了いたします。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2025/2/21 GMPにおける (製造・試験) 外部委託業者管理・監査の留意点とチェック項目 オンライン
2025/2/25 PMDAから高評価が得られるメディカルライティング中級講座 オンライン
2025/2/26 簡便化、抜け防止の観点をふまえたGMP SOP/製造指図記録書の形式・作成 (改訂) ・記入方法 オンライン
2025/2/26 遺伝子治療用製品・細胞医薬品・ウイルスベクターコース (Cコース:製造技術・品質管理/品質審査編) オンライン
2025/2/26 CSVの基本理解と現場での実用ノウハウおよびCSV実施判断 オンライン
2025/2/27 改正GMPを踏まえた医薬品品質システム (PQS) 構築と品質照査の実務・統計的手法の活用 オンライン
2025/2/27 「GMP監査マニュアル」の活用による効果的かつ効率的なGMP監査の実施と現場運用のポイント オンライン
2025/2/27 GMP違反とヒューマンエラーに対する教育訓練の考え方とQA視点による抑制・防止対策事例 オンライン
2025/2/27 改正GMP省令を踏まえたGMP適合性調査対応 効率的なGQP/GMP-QA連携とQA/QC業務範囲の明確化 オンライン
2025/2/27 GMP/GQP-QAが行うべき逸脱管理とCAPAの適切性の評価とチェックリストの活用 オンライン
2025/2/27 改正GMP省令で求められているGMP文書・記録の作成・管理のポイント オンライン
2025/2/27 少人数体制にも対応したGMP-QA業務・監査のポイントセミナー (全5コース) オンライン
2025/2/27 ヒューマンエラー・逸脱・GMP違反を防ぐSOP・製造指図記録書の作成とは? 教育訓練とは? GMP記録とは? オンライン
2025/2/27 製造設備のバリデーション実施項目・各段階の様式例と適合性調査にむけた文書作成管理 オンライン
2025/2/27 日本特有の要求対応をふまえた海外導入品のCMC開発対応とCMC申請資料 (日本申請用) 作成 オンライン
2025/2/28 FDA/EMAの早期審査・早期承認制度の課題と対応 東京都 会場・オンライン
2025/3/4 遺伝子治療用製品・細胞医薬品・ウイルスベクターコース (Dコース:CMC申請・薬事デザイン編) オンライン
2025/3/4 PMDAから高評価が得られるメディカルライティング中級講座 オンライン
2025/3/10 GMPにおける (製造・試験) 外部委託業者管理・監査の留意点とチェック項目 オンライン
2025/3/12 簡便化、抜け防止の観点をふまえたGMP SOP/製造指図記録書の形式・作成 (改訂) ・記入方法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2020/3/30 当局要求をふまえたデータインテグリティ手順書作成の要点
2020/3/24 リアルワールドデータの使用目的に応じた解析手法 - 各データベースの選択と組み合わせ -
2020/2/27 海外データ (試験施設) /海外導入品の信頼性基準適用と効率的なデータ利用・CTD申請
2020/1/30 凍結乾燥の最適な条件設定による品質の安定化 - ラボ機と生産機の性能の違いを反映させたスケールアップ -
2019/8/1 データインテグリティ規程・手順書
2019/6/27 EU GVP Module I /ISO9001要求をふまえたQuality Management System の実装と運用
2019/6/27 FDAが要求するCAPA導入の留意点
2019/5/31 医薬品モダリティの特許戦略と技術開発動向
2019/4/24 洗浄バリデーション実施ノウハウと実務Q&A集
2018/11/30 希少疾患用医薬品の適応拡大と事業性評価
2018/10/30 高薬理活性医薬品封じ込めQ&A集 Part2
2018/9/28 腸内細菌叢を標的にした医薬品と保健機能食品の開発
2018/8/31 がん治療で起こる副作用・合併症の治療法と薬剤開発
2018/7/31 医薬品・医療機器・再生医療開発におけるオープンイノベーションの取り組み 事例集
2018/6/29 医薬品グローバル開発に必要な英語実務集
2018/5/30 GVP Module改訂をふまえたEU Pharmacovigilance規制の実装
2018/5/18 創薬のための細胞利用技術の最新動向と市場
2018/4/25 統計学的アプローチを活用した分析法バリデーションの評価及び妥当性
2018/1/30 バイオ医薬品のCTD-Q作成 - 妥当性の根拠とまとめ方 -
2017/9/29 疾患・病態検査・診断法の開発