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リチウム二次電池におけるデンドライトの生成機構とその観察

リチウム二次電池におけるデンドライトの生成機構とその観察

~デンドライト発生条件の特定、セパレータによる抑制~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、リチウムイオン電池の劣化、デンドライト、熱暴走、液漏れ、発火の原因と対策、安全性を確保するための各部材の設計方法、対策技術、安全性試験シミュレーション技術について詳解いたします。

開催日

  • 2020年5月20日(水) 10時00分17時00分

修得知識

  • リチウムデンドライトに関する基礎知識
  • in situ分析によるデンドライト発生過程の観察
  • 電極における反応分布の解析法
  • 電極における合剤分散性の評価

プログラム

第1部 デンドライト生成機構とその抑制

(2020年5月20日 10:00〜11:30)

 リチウムデンドライトはリチウム金属電池のみならずリチウムイオン電池でも電池の性能劣化と安全性に影響する解決すべき課題である。本講演ではデンドライトの基礎と対策の検討例について議論し高性能リチウム電池開発の助としたい。

  1. リチウムイオン電池実用化の歴史的経緯
  2. デンドライトとは?
  3. 電気めっきとデンドライト
  4. デンドライト発生メカニズム
    1. 物理的条件の影響
    2. 化学的条件の影響
  5. リチウム電池におけるデンドライト発生と電池性能および安全性との関係
  6. デンドライト抑制対策
    1. 負極
    2. 電解液
    3. セパレータ
    4. 電池構成
    5. 充電制御
  7. 市販リチウムイオン電池のデンドライトによる市場トラブル例
  8. リチウムイオン電池の今後の展開とデンドライト
    • 質疑応答

第2部 「ポリマーモノリス」を用いたセパレータの安全性、耐熱性向上とデンドライトの抑制効果

(2020年5月20日 12:10〜13:40)

 モノリスは、マイクロメートル領域の貫通型細孔と骨格が絡み合った共連続構造を有する新規な多孔質体である。 本講座では、モノリスの作製と特長および用途開発について説明し、リチウムイオン電池のセパレータへの適用の可能性や取り組みについて紹介する。

  1. はじめに ~モノリスとは?~
  2. モノリスの種類と作製
  3. モノリスの用途開発
  4. ポリマーモノリスのリチウムイオン電池用セパレータへの適用
    1. モノリス膜の作製
    2. モノリス膜の特性
  5. モノリス複合膜
  6. モノリス膜の今後と課題
    • 質疑応答

第3部 リチウムデンドライト観察をはじめとしたin situ分析及び電極合剤の分散性評価

(2020年5月20日 13:50〜15:20)

 Liイオン電池 (LIB) を安全に用途展開するうえで、電池内の短絡原因であるデンドライト発生を抑制する必要がある。そのためには、過充電箇所が発生しないよう、電極における均一な反応分布が必要である。反応分布を観測する手法として、カラー共焦点によるin situ顕微鏡観察が挙げられる。本講座では、充放電による反応分布、Liデンドライトの発生過程、低温における電解液凝固を紹介する。また、合剤電極の導電助剤、バインダーの分散性が、実際の電池特性にどのように寄与するのかも説明する。紹介する分析手法は、電極製造の最適化等において、開発貢献できるものと考えられる。

  1. はじめに
  2. 充放電作動条件における反応分布評価 (in situ分析)
    1. 白色光共焦点顕微鏡によるin situ分析
    2. 負極黒鉛における反応分布の可視化
    3. リチウムデンドライト発生過程の観察
    4. 低温充放電による電解液の凝固観察
  3. 合剤分散性による電池性能への寄与
    1. 導電助剤、バインダーの分散性評価
      • ラマンマッピング法
      • EPMA分析法
    2. 電極製造条件による分散性及び電池特性の関連性
    3. 電極内の活物質導通の可視化
      • SPM法
    4. 導通活物質割合と電池特性の関連性
    • 質疑応答

第4部 リチウムイオン2次電池の安全性試験シミュレーション

(2020年5月20日 15:30〜17:00)

 近年、Liイオン二次電池の用途が携帯機器用から車載用、定置用へと拡大すると共に、 大容量化・高出力化の為の電極設計開発や新型電池の研究開発が盛んになっている。このような背景により、加速するLiイオン二次電池の研究開発・評価のニーズに対応するため、弊社では二次電池の試作評価、物理解析、安全性試験、計算機シミュレーションの4つの柱を 相互に連携した総合評価に取り組んできた。中でも、充放電特性・劣化現象・熱安定性の メカニズムの解明と特性予測において、現象のモデル化と計算機シミュレーションが果たす役割はますます重要になっている。
 本講演では、内部短絡や外部加熱による熱暴走現象を精緻にシミュレーションする技術、リチウム析出に対するモデリング手法などを中心に、それぞれ解析事例を交えて解説する。また、最近注目されている機械学習を用いた電極の最適構造や設計パラメータの探索技術や、劣化特性の予測技術についても紹介する。

  1. リチウムイオン電池の安全性シミュレーション
    1. リチウムイオン電池のモデリング概要
    2. 安全性シミュレーション概要
    3. 釘刺し短絡シミュレーション事例
    4. 内部短絡シミュレーション事例
    5. 加熱・短絡シミュレーション事例
    6. 圧壊・短絡シミュレーション事例
    7. 電池モジュールの安全性シミュレーション事例
  2. 機械学習を用いた電極最適構造の探索・劣化特性の予測事例
    1. 機械学習による最適電極構造の探索事例
    2. リチウムイオン電池の劣化予測事例
    • 質疑応答

講師

  • 鳶島 真一
    群馬大学
    名誉教授
  • 石塚 紀生
    株式会社エマオス京都
    代表取締役
  • 木村 宏
    株式会社 住化分析センター マテリアル事業部
  • 高岸 洋一
    株式会社コベルコ科研 計算科学センター モデルベース解析技術室
    室長

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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: 60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
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  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

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