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オイルゲル化剤の構造、種類、物性制御、新しい応用

オイルゲル化剤の構造、種類、物性制御、新しい応用

~材料設計、食品、化粧品、医薬品、水質浄化、環境技術などの用途展開 / 選び方、使い方、レオロジー特性、新しいゲル化剤の開発および応用の動き~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2020年4月20日(月) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 増粘剤・ゲル化剤に関連する技術者、開発者、生産技術担当者、品質保証担当者
    • 化粧品
    • 医薬品
    • 製剤
    • 食品
    • 接着剤
    • 乳化剤・界面活性剤 など
  • 増粘剤・ゲル化剤で課題を抱えている方

修得知識

  • 物性、耐久性、ポットライフ、保管保存などの取り扱いのコツ
  • レオロジーや触感・付け心地のコントロールのポイント

プログラム

第1部 ケミカルストレスクラック (ケミカルクラック) の発生機構、評価法とその対策

(2020年4月20日 10:00〜14:00) ※途中昼食休憩を挟みます

 オイルゲルは口紅スティック、リップグロス、アイライナー、ファンデーションなど化粧品を中心に食品・医薬品の基剤としても広く活用されている。また各種乳化系における増粘剤・安定剤としても重要な役割を担っている。このようなオイルゲルの物性を制御する技術は、使用感触・製品安定性をはじめ、製品外観、塗布のしやすさ、塗布膜の美しさなど製品性能全般に密接に関わっているといえる。
 本セミナーでは、まず前半にオイルゲル化剤の種類とゲル化可能なオイルならびにゲル物性との関連を体系的に解説する。後半は応用編として、化粧品・食品・医薬品における油性ゲルの最新技術について解説をおこなう。特に製品安定性、すなわち起こりがちなトラブルとして、ブルーミング、発汗、ゲル物性の変化について、その発生機構と抑制のための考え方を中心に説明する。
 また、今後新しいゲル化剤を開発する上で、望まれている性能 (ゲル化可能なオイル種や望まれるオイルのゲル物性) 、そして今後より重要さを増すと思われるゲルの感触、そしてゲルを崩して塗膜とした際の感触の物性制御についてのヒントを提供し、参加者と議論をおこなう予定である。

  1. オイルゲル化剤の種類とゲル化の機構
    1. 低分子ゲル化剤
    2. 粒子によるゲル化
    3. オリゴマー、ポリマーによるゲル化
    4. 乳化を用いたオイルのゲル化
    5. オイルワックスゲル
  2. ゲルの硬度発現機構
    1. ワックスがオイル固化の主流であるわけ
    2. オイルゲルの物性を自在に制御するには
      • オイルの種類と硬度の関係
      • 固化剤の種類と硬度の関係
    3. ゲル化に適するワックスやゲル化剤とは
  3. 化粧品における油性ゲルの活用の実際
    1. スティック製品
      • 口紅
      • リップクリーム
      • 制汗剤
    2. ペースト状
      • ゼリー状製品
      • リップグロス
      • オイルゼリー
    3. 鉛筆状製品
      • アイライナー
      • リップライナー
    4. 乳化製剤
      • サンスクリーン
      • ファンデーション
  4. 食品、医薬品での油性ゲルの活用
    1. 油脂食品
    2. 健康食品
  5. ゲルを崩す、崩したゲルを活用する
    1. ゲルは崩してからが勝負
      • ゲル化剤とつやの関係
      • スティック製品の感触制御
    2. 崩す性能とゲル安定性の両立技術
  6. オイルゲルの構造評価
    1. 熱分析の活用
    2. 光学顕微鏡観察
    3. SEM観察
    4. レオロジー評価
  7. オイルゲル製品のトラブル
    1. 結晶の析出 (ブルーミング)
    2. オイルの分離 (発汗)
    3. 製造条件によるゲル物性の変化
    4. 経時での物性の変化
    5. 共存物質によるゲル物性の変化
    6. トラブルの予想と定量的評価方法
  8. ゲル化剤の未来
    1. 固化したいオイル種とその課題
    2. 望まれるオイルのゲル物性とは
    • 質疑応答

第2部 界面活性剤の分子集合機構を応用した低分子ゲル化剤

(2020年4月20日 14:15〜15:30)

 界面活性剤は、分子設計により分子配列を制御しすることで、低分子ゲル化剤として機能する。本公演では、当研究所でこれまで開発してきた界面活性剤型の低分子ゲル化剤について、分子構造と溶液物性の関係やゲル化の機構について紹介する。

  1. 界面活性剤と低分子ゲル化剤について
    1. ミセルと分子集合体の制御
    2. ゲル化能を持つ界面活性剤を設計するには
  2. 界面活性型低分子ヒドロゲル化剤
    1. 分子設計と合成
    2. ゲル化機構
    3. ゲル化剤の構造とゲルの物性
  3. 界面活性型低分子オイルゲル化剤
    1. 分子設計と合成
    2. ゲル化機構
    3. ゲル化剤の構造とゲルの物性
  4. ゲル化能の高い分子を創成するには
    • 質疑応答

第3部 オイルゲル化の種類と特性、およびオイル増粘剤の分子設計について

(2020年4月20日 15:45〜17:00)

 オイルゲル化剤の種類、用途および最新のオイル増粘技術について紹介し、特に様々なオイルに用いることができ、透明且つ増粘性を付与できるオイル増粘剤の分子設計について報告する。

  1. オイルゲル化剤の種類と用途
    1. オイルゲル化剤の種類
    2. オイルゲル化剤の種類
  2. オイル増粘・ゲル化剤の設計指針
    1. オイル増粘・ゲル化剤の分子設計指針
    2. 従来の研究
    3. ベンゼンカルボキシアミド型増粘・ゲル化剤
    4. 幽霊通り抜けモデル
    5. その他:最近の技術動向
  3. 新規オイル増粘・ゲル化剤の提案
    1. 開発の方針
    2. ベンゼンテトラカルボキサミド型増粘・ゲル化剤の開発
      1. 目的
      2. 新規ゲル化剤:PMDA-Rの合成
    3. 実験結果および考察
      1. PMDA-R のオイル溶解性とレオロジー特性
      2. オイルの極性がPMDA-Rの自己組織体に与える影響
      3. PMDA-Rの結晶性と熱相転移挙動
    4. 実験結果および高圧
      1. 他の中心骨格を有するオイル増粘剤のオイル溶解性とレオロジー特性
    • 質疑応答

講師

  • 柴田 雅史
    東京工科大学 応用生物学部 化粧品材料化学研究室
    教授
  • 東海 直治
    大阪産業技術研究所 有機材料研究部 界面活性剤研究室
    研究主任
  • 坂西 裕一
    株式会社 ダイセル 有機合成カンパニー 事業戦略室 戦略企画グループ
    主任部員

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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お問い合わせ

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受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 55,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 60,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 110,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 165,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。

アカデミック割引

  • 1名様あたり 30,000円(税別) / 33,000円(税込)

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本セミナーは終了いたしました。

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