技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

座りの人間工学からみた自動車用シートの基礎学

座りの人間工学からみた自動車用シートの基礎学

~日常生活と座りの科学~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、誰も教えてくれない「座りの科学」を基礎からじっくり学んでいただきます。
自動車用シート、椅子開発に関わる方はぜひご参加下さい。

開催日

  • 2020年1月29日(水) 12時30分 16時30分

受講対象者

  • 座りに関わる企画・開発・設計担当者
  • 座りに関わる販売・営業担当者
  • 座りに関心のある方

修得知識

  • 座りの科学 座りの基礎と原理原則
  • 座りと人間工学
  • 分けてはならない座姿勢と寝姿勢
  • 座りの常識と非常識

プログラム

 若者の自動車離れ、高齢ドライバーによる交通事故、AI (人工知能) 自動車、地球温暖化など人間にとって便利であった自動車が正と負を表出する時代に入った。時代が変わっても、自動車の運転姿勢や乗車姿勢は、座姿勢以外には考えられない。即ち、足が床に着き、臀部・背面・後頭部と接する座具姿勢である。言い換えれば、シートはこれらをうまく支持する役割をもつ。
 近年、量産いす・シート設計の多くはCADによるもので、手書きによる原寸図作成はほとんど姿を消した。いす・シートは人体系家具として建築・インテリア・人間工学分野において扱っており、原寸による寸法や角度を決めてきた。1㎜の寸法、1°の角度が座り姿勢や座り心地に影響することから原寸図には重要な意味があった。今では、パソコンによる作図に変わってしまったため、この1㎜、1°の意味は実感として伝わってこない。この設計段階から座りに対する人体との関係が軽薄になってきて、できたものが身体に合わない、違和感があるなど、心地のよさが失われた座具の氾濫に繋がってしまっている。
 知人の椅子デザイナーI氏は、人間工学をマスターしたデザイナーで、未だに手書きによる椅子設計を行っている。 (1) 人間工学の学問マスター、 (2) 原寸図からいす製作へとアナログ的なアプローチ、これらが完成度の高い椅子づくりに至っているのは間違いのない事実で、彼の作品には常に合格点がつく。仮に量産シートであっても、彼の様なものづくり環境を構築していくならば、合格点に近いシートづくりが可能となる筈である。これは、45年を越える座り研究の経験から言えることである。
 日本のいす生活の歴史は極めて短い。座り方も選び方も、そして造り方も誰も教えてくれない。その中でのいす・シートづくりは、視覚的に評価されても心地よさを備えた座具が生まれないのは当たり前のことである。文科省が子供たちに座ることの意味と座り方を教えたなら、欧米に劣らない座具を作ることができる。この様な背景の中で、「いすづくり」や「いす使い」に役立つ知識を伝えることができるならば、この上ない教授冥利につきる。AI自動運転に多くの関心と期待がもたれる時代に、日常生活での着座姿勢は、人間の寿命を短くするという研究結果が異常なほどに家具メーカーに影響し、座り姿勢による作業が悪もの扱いされている。人体の骨格構造や姿勢と重力などの観点からみると、座姿勢は人体に無理を強いる姿勢であることは間違いない。これらについて繰り返し説いてきたが、残念ながらいす・シートづくりの世界にはその声が届いていかなかった。実に残念なことである。
 本セミナーでは、これらの疑問に対して正しい解釈ができ、あるべきシートづくりの在り方を「シートづくりの基礎」として伝えたい。

  1. オフィス家具メーカーが「座作業」から「立作業」推進の裏にあるもの
    • 通勤電車では座り派ですか?
  2. いす・シートづくりの現状を教育者の立場から観る
    • 満足できるシートづくりの環境は整っていますか?
  3. あってならない「知らないで」いす・シートづくり
    • 座りについて科学の目で説明できますか?
  4. シートづくりにおける「人間工学」の役割
    • 人間工学を熟知していますか?
  5. 「姿勢」の違いと身体負担の違い
    • 身体に負担の少ない姿勢はどの様な姿勢ですか?
  6. 座姿勢が身体に及ぼすマイナスの影響
    • 日常生活から座姿勢を削減できますか?
  7. いすメーカーがベッドを作らない理由
    • 座り姿勢と寝姿勢の共通点はありますか?
  8. 「体圧分布図」依存の座り心地評価は難しい
    • 体圧分布図で座り心地を読めますか?
  9. 「三層構造」はクッション材料構成の原理原則である
    • クッション材料の三層構造を正しく説明ができますか?
  10. 運転姿勢に影響するシートの条件
    • シート設計に配慮すべき条件は何ですか?
  11. シートづくりの原理原則と具備すべき条件
    • シートづくりにどこまで配慮をするか、手を抜くか?
  12. これからどうする、「明日に向けて、次世代に向けて」のシートづくり
    • 真のシートづくり、次世代のシートづくりに何を加えるべきですか?
  13. 作る側にも使う側にも「座育」のすすめ
    • シートづくりの教科書はありますか?
  14. 着衣とシート表皮材との相性
    • 着衣を配慮した表皮材を採用していますか?
  15. ドライバーシューズとフロア材
    • 履物を考慮した床材を採用していますか?

会場

江東区役所 商工情報センター (カメリアプラザ)

9F 会議室

東京都 江東区 亀戸2-19-1
江東区役所 商工情報センター (カメリアプラザ)の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 45,000円 (税別) / 49,500円 (税込)
複数名
: 22,500円 (税別) / 24,750円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

案内割引・複数名同時申込割引について

R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
案内および割引をご希望される方は、お申込みの際、「案内の希望 (割引適用)」の欄から案内方法をご選択ください。
複数名で同時に申込いただいた場合、1名様につき 22,500円(税別) / 24,750円(税込) で受講いただけます。

  • R&D支援センターからの案内を希望する方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,000円(税別) / 46,200円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 74,250円(税込)
  • R&D支援センターからの案内を希望しない方
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 45,000円(税別) / 49,500円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 90,000円(税別) / 99,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 135,000円(税別) / 148,500円(税込)

アカデミック割引

  • 1名様あたり 10,000円(税別) / 11,000円(税込)

学校教育法にて規定された国、地方公共団体、および学校法人格を有する大学、大学院の教員、学生に限ります。

本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/26 自動車の電動化に向けた半導体封止樹脂の設計と評価 オンライン
2024/5/8 ソニー・ホンダモビリティ、Tesla、BYDのEV開発戦略 東京都 オンライン
2024/5/8 自動車の電動化に向けた半導体封止樹脂の設計と評価 オンライン
2024/5/13 触り心地/テクスチャーの知覚メカニズム・評価技術と商品開発 オンライン
2024/5/13 欧州のサーキュラーエコノミー政策動向とELV (廃自動車) 規則案 東京都 会場・オンライン
2024/5/14 人間-機械 (自動車) インターフェイス製品の人間工学の考え方とその評価 オンライン
2024/5/14 SRモータの基礎とEV実用化への最新動向 オンライン
2024/5/15 外観目視検査員教育法と見逃し・バラツキ低減技術 オンライン
2024/5/16 「資料デザイン」×「図解化」×「パワポの時短技」 東京都 オンライン
2024/5/16 xEVにおける車載電子製品のサーマルマネジメント 東京都 会場・オンライン
2024/5/20 色と質感の感性評価 オンライン
2024/5/21 官能評価の基礎と高級感の解明・商品開発への活かし方 オンライン
2024/5/24 商品開発のための感性・官能評価用アンケート設計と物性値への落とし込み オンライン
2024/5/24 人間工学を応用した製品デザインの進め方 オンライン
2024/5/28 自動車シートの座りを人間工学の眼で観る オンライン
2024/5/30 EV用モータの技術トレンド 東京都 会場・オンライン
2024/5/30 官能評価における脳波計測の基礎 オンライン
2024/5/30 自動車産業のサプライチェーンと業界動向 オンライン
2024/5/31 車載半導体の最新技術と今後の動向 オンライン
2024/5/31 人間工学を応用した製品デザインの進め方 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/4/15 無人配送車・システム 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2024/4/15 無人配送車・システム 技術開発実態分析調査報告書
2024/4/8 自動車車内の音静粛化技術 技術開発実態分析調査報告書
2024/4/8 自動車車内の音静粛化技術 技術開発実態分析調査報告書 (CD-ROM版)
2024/1/31 車室内空間の快適性向上と最適設計技術
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢)
2023/11/14 x/zEV用電池の拡大 (目標、現状とグローバルな態勢) [書籍 + PDF版]
2023/10/20 食品賞味期限設定における商品別事例と官能評価対応ノウハウ
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題) [書籍 + PDF版]
2023/7/6 x/zEVへの転換2023 (各国の現状、目標と課題)
2023/3/31 “使いやすさ”の定量評価と製品設計への落とし込み方
2022/6/30 自動運転車に向けた電子機器・部品の開発と制御技術
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/6 EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析 (書籍+PDF版)
2022/5/6 EV、PHEV、HEVと燃料電池車の環境・走行性能分析 (書籍版)
2022/4/15 2022年版 スマートモビリティ市場の実態と将来展望
2022/2/4 世界のxEV、車載用LIB・LIB材料 最新業界レポート
2021/11/30 ヒトの感性に寄り添った製品開発とその計測、評価技術
2021/9/30 自動車室内の静粛性向上と、防音・防振技術、材料の開発
2021/6/30 VR/AR技術における感覚の提示、拡張技術と最新応用事例