ぬれ性のメカニズム、材料表面の親水性コントロール、その応用、評価
~親水性を向上させる技術とその選び方 / 親水性の度合いを測り、寿命を予測する方法~
東京都 開催
会場 開催
開催日
-
2019年11月14日(木) 10時00分
~
17時00分
受講対象者
- ぬれ性制御に関連する技術者
- 表面処理
- 撥水・親水
- 化学
- 材料
- 機械潤滑
- 半導体製造プロセス
- 培養培地・細胞・細菌・微生物の付着制御 など
- 撥水の応用分野に関連する技術者
- ディスプレイ
- 電極材料
- 太陽電池
- 燃料電池
- 衣料品・繊維
- ガラス など
- 親水の応用分野に関連する技術者
- ナノエレクトロニクス
- 医療材料
- プリント基板
- LCD
- 熱交換器
- 燃料電池
- 衣料品 など
- 親水・撥水を製品開発に応用したい方
プログラム
第1部 ぬれ性のメカニズムおよび撥水性・親水性の理解、その制御と評価
(2019年11月14日 10:00~11:30)
表面ぬれ性を表現する代表的な指標である接触角は、対象となる液体の表面張力と密接な関係がある。また、表面ぬれ性を決定する因子として、ナノメータレベルでの表面化学組成と表面凹凸形状が挙げられ、表面ぬれ性の制御にはこれらの定量的評価が必要となる。
本講座では接触角、表面張力の基礎と測定法、表面化学組成と凹凸形状がぬれ性に及ぼす影響と評価方法であるXPS、AFM、および代表的表面ぬれ性制御法である化学的表面処理法の概要についてそれぞれ解説する。
- ぬれ性・表面張力の基礎
- 接触角と表面張力の定義と特徴
- 表面自由エネルギーとぬれ性
- 臨界表面張力
- ぬれ性に影響する諸因子
- 表面官能基とぬれ性の関係
- 表面ラフネスとぬれ性の関係
- 化学的不均質表面のぬれ性
- ぬれ性・表面張力の測定法
- 表面張力評価方法
- Wilhelmy法
- ペンダントドロップ法
- 滴重法
- 最大泡圧法
- 接触角・ぬれ性の測定方法
- 転落角・前進/後退接触角を通じた動的ぬれ特性評価
- ぬれ性評価のための表面分析
- XPS
- AFM
- 表面分析結果と接触角の関係
- 化学的表面改質によるぬれ性制御の概要
- 前処理・洗浄工程
- シランカップリング処理、 ホスホン酸処理、チオール処理
- 薄膜化・厚膜化
第2部 大気圧プラズマ複合プロセスによるポリマー・ ガラスの親水性向上表面処理技術とその応用
(2019年11月14日 11:45〜13:15)
フッ素樹脂 (テフロン、PFA、PTFEなど) は、耐薬品性、電気絶縁性、耐熱性、難燃性、高ガスバリア性など優れた基本特性を持ち、広範囲で使用されています。しかし、高い撥水特性から、基本特性を損なわず接着、接合を行うことが困難でした。我々は革新的な大気圧プラズマ複合処理技術により、これを可能とし、高い接着性を初めて実現しました。
本講義では、はじめに大気圧プラズマの基礎をわかりやすく解説し、樹脂、ガラスの大気圧プラズマ表面処理技術に関して基礎原理と適用事例を解説します。
- 大気圧プラズマ複合プロセスによるフッ素樹脂フィルムの接着性向上技術
- 大気圧低温プラズマと発生法
- プラズマとは?、プラズマの種類
- パックドベットプラズマリアクタ
- 電流電圧電力波形
- プラズマジェット電極
- プラズマ装置と電子回路
- 表面処理装置の例
- フッ素樹脂の特性
- 大気圧プラズマグラフト重合処理装置
- 低温プラズマの照射
- プラズマグラフト重合とは
- フッ素樹脂フィルム処理の実験装置と条件
- 接触角による親水性評価
- はく離試験による接着性評価
- 金属板接着時の試料断面図
- 接着性評価結果
- ESCA (XPS) による表面分析評価
- FT – IRによる表面分析評価
- 電子顕微鏡による表面写真撮影
- 従来技術 (ナトリウム – アンモニア処理等) との比較
- 誘電率と誘電正接
- テフロン表面へのめっきについて (プラズマ複合めっき処理)
- テフロン上無電解銅めっき方法
- PTFE上の銅めっきの比較
- A4サイズ表面処理装置とそのデモ
- PTFEフィルムのFTIRスペクトル
- テフロン上無電解ニッケルめっき法
- 大気圧プラズマ複合プロセスによるガラス表面およびポリマー表面の恒久的処理技術
- 自動車のフロントガラスやサイドミラーの水滴除去
- ガラス表面の改質装置
- プラズマのみを照射した場合 (親水性向上)
- プラズマ・ケミカル複合プロセスによる恒久的はっ水処理
- ソーダシリカガラスの表面構造
- 恒久的表面処理のメカニズムについて
- 樹脂フィルムとガラスの接着
- フッ素樹脂フィルム上有機EL膜の発光特性
第3部 シリカナノ粒子を用いた 「親水化・親油化」技術とその応用
(2019年11月14日 14:00〜15:30)
表面を親水化する技術の応用として、空気中の水を吸着させて静電気を無くすことによって塵埃を付着しにくくしたり、汚れがついてもすぐに洗い流せるようにする技術や親油化して付着した油 (脂) 汚れを拭取りなどで目立たなくさせる方法などがある。
本セミナーでは、親水性物質であるシリカナノ粒子を用いた、親水性技術の基礎と応用について述べる。
- 親水性膜、親油性膜
- 一面に液体を馴染ませてしまい、滴を形成させなくする方法
- 表面の極性が強い膜 (即ち表面エネルギー (表面張力) が大きい膜)
- 付着する汚れが膜に引っ張られて濡れる
- 超親水膜では表面エネルギーが大きく、付着物を濡れさせて滴を形成させず、親水性である水を用いて汚れを洗い流すことができる
- シリカナノ粒子とそれ用いた親水性膜の作製
- 最表面が極性基であるシラノール基 (Si – OH)
- 水などの極性物質と馴染みが良い
- ゾルゲル法
- 超親水膜とその特長
- 汚れを除去しやすい
- 曇りにくい
- 濡れていても視認性が高い
- 応用例
- 建物の外壁や窓
- 自動車のボディ
- タッチパネルやテレビ
- ディスプレイ画面 他
第4部 材料表面のぬれ性、親水膜の 防曇性・持続性の評価
(2019年11月14日 15:45〜17:00)
材料のぬれ性、親水性を測定する技術は、表面処理、コーティングや混合・分散工程などの幅広い分野で活用される。本講では、その目的に応じた装置の選び方、使い方を中心に、事例をもって平易に解説する。
- ぬれ性の評価
- 接触角とは
- 接触角の測定手法
- 親水面の評価例
- 親水化による防曇性の付与
- 親水処理面の防曇評価
- 水接触角と防曇性評価指数
- 親水膜の持続性評価
講師
佐藤 正秀 氏
宇都宮大学
大学院工学研究科
物質環境化学専攻
教授
-
田淵 穣 氏
DIC株式会社
R&D統括本部
アドバンストマテリアル開発センター
無機材料開発グループ
マネジャー
平野 大輔 氏
協和界面科学 株式会社
技術部
研究課
主任
主催
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お問い合わせ
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受講料
1名様
:
60,000円 (税別) / 66,000円 (税込)
複数名
:
55,000円 (税別) / 60,500円 (税込)
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、
1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
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- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 181,500円(税込)
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