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高分子材料の耐衝撃性向上と評価

高分子材料の耐衝撃性向上と評価

~破壊メカニズムと衝撃吸収特性の付与~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年5月13日(月) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 プラスチックの衝撃破壊メカニズムと耐衝撃性向上

(2019年5月13日 10:00〜11:30)

 構造体の破壊は欠陥での応力集中の大きさがその固体の凝集力を超えたときに始まる。応力集中の大きさはひずみの拘束の大きさに依存し、ひずみの拘束の大きさは固体の独立な弾性定数の一つである体積弾性率に強く依存する。プラスチックの体積弾性率はエラストマー等のブレントにより小さく抑制することが可能である。体積弾性率の抑制は応力集中を緩和するのでタフネス、衝撃強度が改善される。著者はそれをひずみの拘束の開放によるタフニングと呼んでいる。

  1. 固体の変形と破壊の基礎
  2. 高分子の破壊のマイクロメカニックス
  3. プラスチック構造体の強度と境界条件依存性
  4. 微細構造の調整によるタフニング
    1. 数平均分子量がクレイズ強度と降伏応力に及ぼす影響
    2. 分子量分布の幅がクレイズ強度と粘度に及ぼす影響
    3. i – PPの立体規則性がクレイズ強度に及ぼす影響
    4. 共重合がクレイズ強度と降伏応力に及ぼす影響
  5. 体積弾性率 (応力集中) の抑制によるタフニング
    1. ボイドによる体積弾性率の緩和とひずみの拘束の開放 (応力集中の抑制)
    2. エラストマーのブレンドによるタフニングの効率に影響する因子
      1. 分散相の強度がタフネスに及ぼす影響
      2. マトリックス樹脂の配向硬化とタフネス
  6. 高い剛性とタフネスが両立したプラスチック複合材料の強度設計
    1. 無機粒子のブレンドによるタフニング
    2. 繊維の充填によるタフニング
    • 質疑応答

第2部 フィラーを活用したプラスチックの耐衝撃性向上技術

(2019年5月13日 12:10〜13:40)

 プラスチック材料を工業材料として使用する場合、耐衝撃性は非常に重要な特性となる。ポリマーの耐衝撃性を向上させる技術としては、 (1) エラストマーの活用技術、 (2) ポリマーアロイ・ブレンド技術、 (3) フィラーの活用技術が考えられる。 中でもフィラーを活用する方法は、衝撃強度と弾性率 (剛性) の相反する特性を同時に向上できるなどの優れた利点を有している。そのためフィラー強化複合樹脂は、現在ではフィラー形状制御や複合材料の構造制御等により高性能化が図られ、重要な工業材料として幅広く使用されている。今回は、こうした複合材料の高性能化、特に耐衝撃性向上技術に関して概説する。

  1. フィラー形状制御 (微粒子化) およびモルフォロジー制御による複合材料の高衝撃化
  2. 繊維状フィラーの形状制御 (長繊維化) と界面制御による複合材料の高衝撃化
  3. 複合材料成形体の構造制御による高衝撃化
  4. 成形加工プロセスを活用した成形体の高衝撃化
    • 質疑応答

第3部 射出発泡成形による発泡現象の可視化と衝撃吸収特性

(2019年5月13日 13:50〜15:20)

  1. はじめに
  2. 射出発泡成形の概要
    1. 化学発泡と物理発泡
    2. 発泡制御と機械的特性
    3. 発泡成形品によるエネルギー吸収
    4. 発泡挙動の可視化
  3. 自動車のエネルギー吸収
    1. 自動車用部品のエネルギー吸収機構
    2. 自動車用部品のエネルギー吸収予測 (衝突解析)
    3. 自動車用部品のエネルギー吸収実験 (衝突解析との比較)
  4. 高分子材料のエネルギー吸収機構
    1. 高分子材料によるエネルギー吸収のニーズ
    2. 高エネルギー吸収構造
    3. 高分子材料によるエネルギー吸収予測 (衝突解析)
  5. 高分子材料によるエネルギー吸収構造体と射出発泡成形
    1. 衝突実験によるエネルギー吸収量の測定 (高速度可視化)
    2. 射出発泡成形などエネルギー吸収体の成形技術
    3. エネルギー吸収体の樹脂流動解析
  6. まとめ
    • 質疑応答

第4部 高速衝撃試験による熱可塑性プラスチックとその複合材の衝撃特性評価

(2019年5月13日 15:30〜17:00)

 自動車・高速鉄道・航空機等の輸送機械の高速・高性能化を目的に、軽量高強度・高剛性材料の適用による構造の軽量化が進められている。その中で「適材適所」の考えに基づく材料のマルチ化が唱えられ、炭素繊維強化熱可塑性プラスチック (CFRTP) も候補の一つに取り上げられている。一方、これらの輸送機械では高速化による衝突安全性の確保が重要な問題であるが、CFRTPの衝撃特性に関する設計データの蓄積は十分ではない。
 ここでは、衝撃負荷環境を実験的に模擬する代表的な衝撃試験法と著者らによって得られた熱可塑性プラスチックおよびその複合材の高速衝撃特性の評価結果について紹介する。

  1. 序論
    1. 自動車を例に見る軽量化の必要性
    2. マルチマテリアル化と軽量高強度・高剛性材料
    3. 熱可塑性プラスチックとその複合材への期待
  2. 衝撃試験と衝撃特性の評価法
    1. 衝撃試験の目的
    2. 衝撃物体と被衝撃物体
    3. 衝撃試験法
      1. 低速衝撃試験
      2. 高速衝撃試験
      3. 超高速衝撃試験
  3. 熱可塑性プラスチックの高速衝撃特性
    1. 高速衝撃試験システム
    2. 衝撃破壊過程の高速度写真観察
    3. 単層板の試験結果の評価
    4. 積層板の衝撃特性の予測と試験結果の比較
  4. 繊維強化熱可塑性プラスチックの高速衝撃特性
    1. 高速衝撃特性に及ぼす母材樹脂の結晶性の影響
    2. 衝撃破壊過程の高速度写真観察
    3. 試験結果の評価
    • 質疑応答

講師

会場

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東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
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