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におい・複合臭の知覚メカニズムと機器分析・官能評価の相関づけ

におい・複合臭の知覚メカニズムと機器分析・官能評価の相関づけ

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年4月17日(水) 10時00分 17時00分

受講対象者

  • 匂い・香りで課題を抱えている方
  • 匂い・香りに関係した業務に携わっている方、これから携わる方

プログラム

第1部. におい受容メカニズムと複合臭の解析

(2019年4月17日 10:00〜12:00)

 様々な素材のにおいは、多くのにおい成分から構成されている (複合臭) 。どのような成分から構成されているかは、現在、GC – MS分析技術の進歩によってかなり容易に知ることができる。しかし、含有成分のうちのどの成分が素材の香気に重要な寄与をしているのかを決めることは、容易ではない。それは,複雑なにおい受容メカニズムのためである。実際の香気素材の香気特性を解明するためには,においの元である有機分子についての基礎知識とにおい受容メカニズムについての理解が必要である。これらについて解説したのち,におい受容メカニズム考慮した視点からの複合臭の解析手法について,最新の研究成果を交えて説明する。

  1. 香りの化学の基礎知識 (香料有機化学の基礎)
    1. におい分子の構造と性質
      1. においの特徴に結びつく有機分子の構造上の特徴
      2. におい分子は疎水性か親水性か
    2. 実際のにおい分子の構造上の特徴
  2. においを感じる仕組みの基礎理解
    1. におい分子とにおいの認識
    2. たくさんのにおい分子が集まることによるにおい分子同士の影響
  3. においはどのように評価したらいいか
    1. 香気素材の一般的香気分析方法
    2. におい分子同士の影響がどのように素材の香気に関係するか
    3. 具体例:白檀などの香材の複合臭の解析
    4. 具体例:お茶の複合臭をどう解析するか
  4. におい分子の構造の変化が与えるにおいの変化
    1. におい受容体とにおい分子の構造
    2. テルペン化合物の構造変化とにおいの関係
    3. ベンゼン系化合物の構造変化とにおいの関係
    • 質疑応答

第2部. においの消臭評価法

(2019年4月17日 12:45〜14:15)

 繊維製品では肌着、靴下など、汗の臭いなど消臭機能が付与されたさまざまな製品が上市されており、またより快適な生活空間を求めて、トイレ、靴、玄関、お部屋や自動車などで使用されるさまざまな形態の消臭関連製品が販売されております。
 昨今では価値観の多様化に伴い需要が高まってきており、消臭に対するニーズは今後も拡大していくことと思われます。しかしながら、実際にこのような製品を使用するとどれくらい効果があるのか、消臭性能を数値化・評価し明確にすることは、訴求力をもつ製品を上市させるためには不可欠であり、そしてなにより消費者が安心して製品を使用する上でなくてはならないプロセスであると考えられます。
 本講座では、このような消臭関連製品の消臭性能をどのように評価するのか、試験規格とそれぞれの評価試験について紹介いたします。さらに今回は、試験に用いられる悪臭サンプルの臭気をワークショップにて実際に体験していただきます。悪臭物質を体感することで、商品企画や商品開発のお役に立てればと思います。

  1. 悪臭サンプルを用いた臭気官能体験【ワークショップ形式】
    • 試験に用いる悪臭サンプル (5~6種予定) について臭い体験
  2. 繊維評価技術協議会消臭性試験方法
    1. 試験の概要
    2. 試験方法
      1. 機器分析 (検知管法)
      2. 機器分析 (GC法)
      3. 官能試験
  3. 芳香消臭脱臭剤協議会自主基準効力試験方法
    1. 試験の概要
    2. 試験方法
      1. 芳香剤効力試験方法
      2. 消臭剤効力試験方法 (化学的消臭)
      3. 消臭剤効力試験方法 (感覚的消臭)
      4. 脱臭剤効力試験方法 (物理的消臭)
      5. 防臭剤効力試験方法
    • 質疑応答

第3部. におい評価のための機器測定・官能評価の使い方・組み合わせ方

(2019年4月17日 14:30〜17:00)

 製品開発や品質管理に有用な官能評価手法と機器分析手法の長所、短所を明らかにし、目的に応じた使い道を説明する。特に、製品の特性を定量的に測ることができるQDA法に焦点をあて、パネル選抜、用語開発の手順を述べる。また、官能評価を補完するための分析手法として、センサーアレイから分離分析技術までを取り上げ、その中でも複合的なにおい成分のフィンガープリント解析の流れと、官能評価との相関づけを行なうプロセスを明確にする。

  1. においの官能評価手法
    1. QDA (定量的記述分析法)
      1. QDA法の基本概念
      2. パネル選抜手法 (フレーバースタンダード、スニッフィングスティックの活用)
      3. 用語開発の手順
      4. データ解析 (分散分析、主成分分析)
    2. その他の官能評価手法
      1. Time – Intensity法やTDS法
      2. 品質管理における官能評価
  2. においに関する分析手法
    1. 複合揮発性成分のフィンガープリント解析
      1. フィンガープリント手法の基本概念
      2. 目的に適した多変量解析手法
      3. においライブラリの応用
      4. 分析データと官能評価データとの相関
    2. オンライン、プロセスにおけるにおい分析・モニタリング技術
      1. ソフトイオン化質量分析計
      2. センサーアレイ
      3. その他
    • 質疑応答

講師

  • 長谷川 登志夫
    埼玉大学 大学院 理工学研究科
    准教授
  • 福元 善明
    一般財団法人 カケンテストセンター 京都検査所
    グループリーダー
  • 吉田 浩一
    アルファ・モス・ジャパン 株式会社
    ゼネラルマネージャー

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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複数名
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複数名同時受講割引について

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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
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