技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

リチウムイオン電池用電極スラリーの製造・分散技術と次世代電極への対応

リチウムイオン電池用電極スラリーの製造・分散技術と次世代電極への対応

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2019年3月11日(月) 10時30分 16時30分

プログラム

第1部 各種バインダを用いた電極特性と次世代電極スラリーの製造課題

(2019年3月11日 10:30〜12:10)

 現行のリチウムイオン電池には、電極バインダとして、ポリフッ化ビニリデン (PVdF) 系やスチレンブタジエンゴム (SBR) 系が用いられている。現状、グラファイト系負極では、水系のSBR系が主流となったが、酸化物系正極においては、専らポリフッ化ビニリデン (PVdF) 系のバインダが用いられている。一般的にポリフッ化ビニリデン (PVdF) 系バインダには、スラリー溶媒としてN – メチル – 2 – ピロリドン (NMP) が用いられているが、最近では環境負荷の小さい水系バインダが注目されてきている。
 本講演では、各種バインダを用いた正極及び負極の開発動向と、これらの電極を用いた電池特性、スラリーの製造方法などについて紹介したい。

  1. リチウムイオン電池の市場と構成材料
  2. 電池の製造工程
  3. 電極用バインダの開発
    1. 現行のバインダ
    2. セルロースナノファイバー複合バインダ
    3. アクリル系バインダ
    4. ポリイミド系バインダ
    5. 無機系バインダ
  4. 電極スラリーの製造方法
    1. バッチ式と連続式
    2. 加圧炭酸中和法
  5. 今後の展望
    • 質疑応答

第2部 電極スラリーの粒子分散・凝集状態評価

(2019年3月11日 13:00〜14:40)

 電池電極材料スラリーは粒子濃度が高い場合が多く、粒子径分布測定から分散・凝集状態を把握することは困難です。濃厚系スラリーを希釈することなくそのままの状態で評価できる手法について詳しく解説します。

  1. イントロダクション
    1. なぜスラリーが必要なのか?
    2. スラリー評価の前に考えるべきこと
  2. 粒子の分散・凝集評価方法
    1. 沈降静水圧法
  3. 流動性評価と分散・凝集
    1. 流動曲線
    2. 粒子分散・凝集状態との相関
    3. 流動性から分散・凝集状態を予測する上での注意点
  4. 多成分スラリーの評価 ーリチウムイオン電池正極材料スラリー
    • 質疑応答

第3部 キャビテーションを利用した高速分散装置の紹介と水系プロセスによるハイニッケル系正極スラリー化について

(2019年3月11日 14:50〜16:30)

 キャビテーション効果を利用した高速分散装置の紹介と高容量正極活物質として注目されているNCM、NCAなどのハイニッケル活物質の課題と水系化に向けた取り組みの一例を報告する。

  1. 現状のLibスラリー製造の問題点
    1. 現状のスラリー製造装置
    2. 現状のスラリー製造装置の課題・問題点
    3. 現状のスラリー製造工程
  2. 高速スラリー化のためのイノベーション
    1. キャビテーション効果による分散機構について
    2. 高速分散装置の特長と用途
  3. 難溶解性高分子 (CMC) の水への溶解
  4. 負極スラリー (黒鉛/CNT) の高速スラリー化
  5. 水系プロセスによるハイニッケル系正極スラリー化について
    1. ハイニッケル系正極活物物質の問題点
    2. 中和剤としての炭酸ガスの利用について
    3. 水系への適用
    4. 有機系への適用
  6. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 池内 勇太
    ATTACCATO合同会社 ATTACCATO和泉分室
    業務執行者 研究室長
  • 浅見 圭一
    日本スピンドル製造 株式会社 ミキシング事業センター
    技術顧問
  • 森 隆昌
    法政大学 生命科学部 環境応用科学科
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)
複数名
: 50,000円 (税別) / 54,000円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 50,000円(税別) / 54,000円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 55,000円(税別) / 59,400円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 100,000円(税別) / 108,000円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 150,000円(税別) / 162,000円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/5/10 スラリーの分散状態の制御と調製、評価技術 オンライン
2024/5/10 材料化学から見た「全固体電池」の課題とその解決に向けた最新研究開発動向 東京都 会場・オンライン
2024/5/13 微粒子の分散安定化の基礎と実際 オンライン
2024/5/16 導電性カーボンブラックの使用テクニック オンライン
2024/5/17 化粧品粉体の基礎と表面処理 オンライン
2024/5/17 入門 インピーダンス測定法とリチウムイオン電池への応用 オンライン
2024/5/17 電力・ガス業界のしくみ・ビジネス概説と秘話 東京都 会場・オンライン
2024/5/23 チクソ性 (チキソ性) の基礎と評価および活用方法 オンライン
2024/5/24 乳化・懸濁重合の反応機構と装置設計、重合反応の制御 オンライン
2024/5/24 カーボンナノチューブの基礎とリチウムイオン電池への応用 オンライン
2024/5/27 燃料電池・水電解の基本および最新技術動向 オンライン
2024/5/27 粉体の付着・凝集・流動メカニズムとその評価、トラブル回避の考え方 オンライン
2024/5/28 車載電池・リチウムイオン電池の爆発・火災事故の傾向、 その安全性向上技術、過酷試験の進め方、規制対応 オンライン
2024/5/28 撹拌・混合の基礎と最適化・設計およびスケールアップからトラブル対策まで オンライン
2024/5/29 化粧品粉体の基礎と表面処理 オンライン
2024/5/29 高品質化に向けた乳化・分散・溶解・攪拌技術の基礎および化粧品・皮膚外用剤への応用 オンライン
2024/5/30 溶解度パラメータ (3D, 4DSP値) の基礎と活用技術 オンライン
2024/5/30 EVを始めとした次世代自動車の普及展望とリチウム、コバルトなどLiB用金属資源の今後 オンライン
2024/5/31 リチウムイオン電池電極スラリーの分散、混練技術とその最適化 オンライン
2024/5/31 xEV用リチウムイオン電池の輸送規則 オンライン

関連する出版物

発行年月
2020/4/17 2020年版 蓄電池・キャパシタ市場の実態と将来展望
2020/3/19 低炭素社会とバッテリーアグリゲーション
2020/1/31 溶解度パラメータ (SP値・HSP値) の求め方と微粒子の分散安定化への活用術
2019/12/13 2020年版 次世代自動車市場・技術の実態と将来展望
2019/11/29 リチウムイオン電池の分析、解析と評価技術 事例集
2019/11/15 2020年版 燃料電池市場・技術の実態と将来展望
2019/9/20 2019年版 リチウムイオン電池市場の実態と将来展望
2019/5/24 2019年版 蓄電池・キャパシタ市場の実態と将来展望
2019/4/1 車載用LIBの急速充電性能・耐久性と市場
2019/3/22 2019年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2019/3/22 2020年版 二次電池市場・技術の実態と将来展望
2019/2/22 2019年版 車載用・産業用蓄電池市場の実態と将来展望
2019/1/31 マテリアルズ・インフォマティクスによる材料開発と活用集
2018/12/14 2019年版 次世代自動車市場・技術の実態と将来展望
2018/11/30 複雑高分子材料のレオロジー挙動とその解釈
2018/11/30 EV・HEV向け電子部品、電装品開発とその最新事例
2018/10/31 リチウムイオン電池における高容量化・高電圧化技術と安全対策
2018/8/1 全固体リチウムイオン電池の展望
2018/7/31 全固体電池の基礎理論と開発最前線
2018/2/28 顔料分散の基礎講座