技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

エポキシ樹脂の硬化メカニズムと配合設計のポイント

エポキシ樹脂の硬化メカニズムと配合設計のポイント

~硬化剤の利用法、反応の定量化・解析技術~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーではエポキシ樹脂について取り上げ、用途に適した硬化剤の選択、硬化条件を最適化するポイントを解説いたします。
また、硬化反応のメカニズムから硬化剤選定、配合設計手法を学び、硬化不良やクラックのトラブルの原因と予防策について詳解いたします。

開催日

  • 2019年3月4日(月) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 エポキシ樹脂の硬化メカニズムとエポキシ樹脂硬化剤の特徴

(2019年3月4日 10:00〜11:30)

 エポキシ樹脂は、成形性、接着性、電気絶縁性、機械的強度…と様々な良い特徴を持ち、多くの分野で便利に用いられている。
 エポキシ樹脂は、主鎖となる樹脂だけでなく、硬化剤をいろいろと選ぶことができると同時に、その種類によって物性も大きく変わるので、適用されるアプリケーションによって適切に硬化剤を選択する必要がある。
 本講では、エポキシ樹脂及びエポキシ樹脂に使われるさまざまな硬化剤の化学構造と、その硬化メカニズムの基礎を導入して、目的の物性に応じた材料設計について解説する。

  1. エポキシ樹脂の化学構造と特徴
    1. エポキシ樹脂とその硬化物の構造
      1. エポキシ樹脂とは
      2. エポキシ環の反応性
      3. エポキシ樹脂硬化物の構造と特徴
    2. ビスフェノール型エポキシ樹脂の構造と特徴
      1. ビスフェノールA型樹脂の特徴と用途
      2. ビスフェノール型のバリエーション
    3. ノボラック型エポキシ樹脂の構造と特徴
    4. その他のエポキシ樹脂の構造と特徴
  2. 主な硬化剤の特徴と硬化メカニズムの基礎
    1. 硬化剤の種類と活性水素
    2. アミン系硬化剤の種類と硬化反応
      1. 脂肪族ポリアミン
      2. 脂環式ポリアミン
      3. 芳香族ポリアミン
      4. 変性ポリアミン
    3. ポリチオール硬化剤の硬化反応と特徴
    4. 酸無水物系硬化剤の種類と硬化反応
    5. フェノール系硬化剤の硬化反応と特徴
    6. その他の硬化剤
      1. 触媒系硬化剤
      2. 潜在性硬化剤
    • 質疑応答

第2部 反応速度式によるエポキシ樹脂の硬化反応度の定量化

(2019年3月4日 12:10〜13:40)

 本講座では、熱硬化性樹脂の代表的な反応評価技術を紹介し、得られた反応特性の定量化法として種々の反応速度式を紹介します.また、硬化反応速度式のパラメータの算出方法及び硬化反応式の応用、活用方法について実例を示しながら詳説します. さらに、特定の反応速度式を用いないModel-free kinetics法による硬化度定量化法の概要についても紹介します。

  1. 代表的な硬化特性の評価方法とその特徴
    1. 力学的方法
    2. 誘電法
    3. DSC法
  2. 硬化反応速度式
    1. n-th order model
    2. Autocatalytic model
    3. Kamal model
    4. Diffusion-control modeling
    5. Deng-Isayav model
  3. 硬化反応速度式の誘導
    1. 反応速度パラメータの決定法
    2. 反応速度パラメータと硬化速度
  4. 硬化反応速度式の活用
    1. 反応速度パターン、温度と反応速度
    2. 成形過程における硬化度の推定
    3. 硬化・流動性のCharacterization
  5. Model-free kinetics法
    1. MFK法の概要
    2. MFK法の適用例
    • 質疑応答

第3部 エポキシ樹脂の硬化反応の解析、評価技術

(2019年3月4日 13:50〜15:20)

 エポキシ樹脂は用いる硬化剤によって反応機構、硬化物物性などが大きく異なるため、これらの分析並びに解析が非常に困難である。
 本セミナーでは、エポキシ樹脂並びにその硬化剤の有用な分析手段、これらの化合物の反応解析法、得られた硬化物の評価法などを具体例を挙げて詳説する。

  1. 緒言
  2. エポキシ樹脂、硬化剤の評価法
    1. 赤外分光法 (IR)
    2. 核磁気共鳴法 (NMR)
    3. 高速液体クロマトグラフィ (HLC)
    4. ゲル浸透クロマトグラフィ (GPC)
  3. 硬化性の評価法
    1. ゲル化時間
    2. IR
    3. 示差走査熱量計 (DSC)
  4. モデル化合物による反応解析
    1. モデル化合物とは?
    2. モデル化合物の選定
    3. HLCによる反応解析
    4. NMRによる生成物の同定
  5. 硬化物の分析
    1. 無溶媒ワニスからの樹脂板の作製
    2. 溶媒含有ワニスからの樹脂板の作製
    3. 粘弾性解析 (VEA)
    4. 熱機械分析 (TMA)
    5. 熱重量分析 (TGA)
    6. 熱分解ガスクロマトグラフィ質量分析 (GC-MS)
    7. 機械的性質
    8. 解重合生成物分析
      • HLC
      • NMR
      • GC-MS
  6. 結言
    • 質疑応答

第4部 エポキシ樹脂配合の設計

(2019年3月4日 15:30〜17:00)

 エポキシ樹脂硬化物の物性は用いる硬化剤によって大きく左右されるため、それぞれの用途に相応しい樹脂配合設計は、非常に困難になっている。
 本セミナーでは、エポキシ樹脂配合を設計するにあたって有用な組成-物性-特性との相関関係などを具体例を挙げて詳説する。また、様々な用途における一般的な配合例を紹介する。

  1. 緒言
  2. エポキシ樹脂配合の設計
    1. 他の樹脂系との比較
    2. エポキシ樹脂配合の特殊性、困難性
    3. 組成-物性-特性の相関関係
    4. 相関関係に影響を与える因子
    5. 具体例1 熱分解温度-熱溶融
    6. 具体例2 還元性-接着性
  3. 各種用途におけるエポキシ樹脂配合
    1. 塗料
    2. 電気絶縁用モールド樹脂
    3. 半導体集積回路 (IC)
    4. プリント配線板 (PWB)
    5. 土木建築用途
    6. 炭素繊維強化複合材料 (CFRP)
  4. 結言
    • 質疑応答

講師

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
: 55,000円 (税別) / 59,400円 (税込)

複数名同時受講割引について

  • 2名様以上でお申込みの場合、
    1名あたり 55,000円(税別) / 59,400円(税込) で受講いただけます。
    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 64,800円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 118,800円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
  • 他の割引は併用できません。
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/4/5 エポキシ樹脂の硬化メカニズム、硬化剤の種類と選び方、使い方 オンライン
2024/4/8 生分解性マイクロカプセルの材料設計、用途展開、今後の展望 オンライン
2024/4/8 プラスチック強度設計の基礎知識 オンライン
2024/4/9 エポキシ樹脂の分子構造・硬化性および耐熱性とその他の機能性付与技術 オンライン
2024/4/9 架橋ポリオレフィンのマテリアルリサイクル技術の最先端 オンライン
2024/4/10 高分子の結晶化メカニズムと解析ノウハウ オンライン
2024/4/10 押出加工技術の基本技術とトラブル対策 オンライン
2024/4/10 ポリイミドの基礎とポリイミド系材料の低誘電率化・低誘電正接化 オンライン
2024/4/11 粘度の基礎と実用的粘度測定における留意点と結果の解釈 オンライン
2024/4/12 動的粘弾性のチャート読み方とその活用ノウハウ オンライン
2024/4/12 ラジカル重合の重合反応と開始剤の種類・選び方、応用 オンライン
2024/4/12 光学樹脂における屈折率・複屈折の考え方とその測定・制御 オンライン
2024/4/12 プラスチックの難燃化技術 オンライン
2024/4/12 プラスチックの難燃化技術の基礎と技術動向 オンライン
2024/4/18 エポキシ樹脂の基礎と硬化剤の選定、変性・配合改質および複合材料用途の動向 オンライン
2024/4/18 静的・動的光散乱法を中心とした粒径計測の基礎と応用 オンライン
2024/4/19 生分解性プラスチックの基礎・最新動向と食品容器・包装への応用展開 オンライン
2024/4/19 副資材を利用した高分子材料の設計技術 オンライン
2024/4/19 高分子合成におけるラジカル重合の基礎講座 オンライン
2024/4/19 プラスチック光学素子の基礎、超高精度加工技術 オンライン