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触媒からみるメタン戦略・二酸化炭素戦略 2018年最新動向

触媒からみるメタン戦略・二酸化炭素戦略 2018年最新動向

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年11月20日(火) 10時30分 16時30分

受講対象者

  • 二酸化炭素、メタン、水素に関心のある研究者・技術者、技術企画、経営企画部門の方
  • 地球温暖化対策に関心のある研究者・技術者、技術企画、経営企画部門の方

修得知識

  • 二酸化炭素排出削減、利用の取り組みの最新動向
  • 天然ガス/メタン利用の最新動向
  • 人工光合成の最新動向
  • 水素社会関連技術の最新動向

プログラム

 エネルギーおよび環境の問題からも、今後きわめて重要になるのがメタン (天然ガスの主成分) と二酸化炭素です。
 弊社では、2017年9月に工業用触媒分野で幅広い知見を有す室井髙城氏による「触媒からみるメタン戦略・二酸化炭素戦略」と題する書籍を発行いたしました。今回のセミナーでは、1年後の最新の状況をご紹介します。午前中には、2017年に石油学会賞を受賞された東京工業大学の馬場俊秀先生に、メタンの直接酸化に望まれる触媒性能に関してお話いただきます。室井氏には二酸化炭素の有効利用に関するお話をいただき、今後の二酸化炭素を本格的に利用するにはどうするかを摸索します。

講演1. メタン直接変換反応における炭素 – 炭素結合及び炭素 – 酸素結合の生成機構とその反応を決定付ける触媒性能

(2018年11月20日 10:30~12:00)

 原料の多様化が望まれるなか、メタンを化学品原料に直接変換する技術の必要性が認識されている。それはメタン直接変換反応の実現を目指した研究に費やした時間と労力が如実に示している。しかし、未だ工業化への道は極めて厳しい。現実的には天然ガス (メタン) の殆どはエネルギー源として発電などの燃料として利用され、化学品原料の製造に利用される割合は全体の10%程度である。一方、メタンを利用するときには二酸化炭素排出量の問題を避けては通れない。メタンや二酸化炭素の利用を「技術トレンド」として捉えるのではなく、新しい反応を生み出す為の 『研究スピリット』 と位置付けたい。本講演では特にメタンの直接変換反応のなかで、炭素 – 炭素結合や炭素 – 酸素結合生成の反応機構とその反応を引き起こす触媒作用とに焦点を絞る。即ち、メタンを反応できる状態にして、それに続く炭素 – 炭素結合や炭素 – 酸素結合を生成する反応に望まれる触媒性能について解説する。

  1. 不活性なメタンおよび二酸化炭素の化学原料への変換
  2. メタン転化反応の鍵を握る反応中間体
    • CH3, :CH2, CH3+, CH3- の生成
  3. 酸素非共存下でのメタン転化反応
    1. 超強酸触媒によるメタンからのCH3+生成と炭素-炭素結合生成反応
    2. ゼオライト触媒によるメタンからのCH3+生成と炭素-炭素結合生成反応
  4. 酸素共存下でのメタン転化反応: •CH3および :CH2を反応中間体とする炭素-酸素結合生成および炭素-炭素結合生成反応

講演2. 二酸化炭素の有効利用 (CCU)

~ 二酸化炭素とメタン、水素による反応 ~

(2018年11月20日 13:00〜16:30)

 二酸化炭素を積極的に燃料や化学品の原料として用いなければならない。二酸化炭素は炭化水素の酸化した最後の生成物であるので、燃料や化学品に転換するには還元剤が必要である。還元剤として用いることのできるのはメタン (天然ガス) と再生可能エネルギー由来の水素しかない。欧州ではPower to gas プロジェクトが展開され始めた。二酸化炭素と水素からメタノールも合成され始めた。二酸化炭素とメタン、 水素をキーワードとした最新の触媒反応を解説する。コストにも言及したい。
 二酸化炭素を有効に利用するために多くの研究が行われているが、 未だ基礎研究の段階を脱していない。工業化に近い触媒反応を探り、 ビジネスの可能性を模索したい。

  1. 二酸化炭素利用
    1. 炭素税
    2. CO2回収精製技術
    3. CCSの現状
    4. CO2の炭酸塩としての固定
  2. 二酸化炭素から化学品の製造
    1. 海外動向
    2. Power to gas
      1. 逆シフト反応
      2. メタン化反応
      3. CO2の電解還元
    3. 二酸化炭素から燃料の合成
    4. 二酸化炭素から化学品の合成
      1. メタノールの合成
      2. DMEの製造
      3. ポリオールの合成
      4. ポリカーボネートの製造
      5. 軽質オレフィンの合成
      6. 芳香族の合成
      7. アルカリ金属水素化物とCO2の反応
    5. バイオマスによる二酸化炭素利用
      1. 藻によるエタノール合成
      2. 古生菌によるエタノール合成 (Lanza Tech)
      3. バイオファティライザー
  3. 天然ガス・メタンの利用
    1. メタンから合成ガスの製造
      1. ATR (オートサーマルリフォーミング)
      2. コンパクト水蒸気改質
      3. ドライリフォーミング (メタンとCO2から合成ガスの合成)
    2. 合成ガスから液体燃料
      1. 小型FT合成プロセス
      2. 合成ガスからエチレン、プロピレンの直接合成
      3. 合成ガスから芳香族の製造
  4. メタノールケミストリー
    1. メタノールから化学品の合成
    2. DMEから酢酸、 エタノールの合成
  5. 二酸化炭素による化学品製造の経済性
    1. CO2価格
    2. 化学品製造コスト
      1. メタン製造コスト
      2. メタノール製造コスト
      3. 酢酸製造コスト
      4. エタノール製造コスト
  6. 水素
    1. 電解水素
    2. メタン分解によるCO2フリー水素製造
      1. 溶融金属によるメタン分解
      2. 触媒によるメタン分解
      3. マイクロウェーブによるメタン分解
      4. 人工光合成による水素製造
    3. 水素輸送・貯蔵
      1. 有機ハイドライド
      2. アンモニア
  7. 水素製造価格
  8. 燃料電池自動車の現状
  9. 人工光合成による化学品の合成

講師

会場

ちよだプラットフォームスクウェア
東京都 千代田区 神田錦町3-21
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主催

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(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,296円 (税別) / 50,000円 (税込)
複数名
: 20,833円 (税別) / 22,500円 (税込) (案内をご希望の場合に限ります)

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本セミナーは終了いたしました。

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