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シリコン系負極のサイクル特性改善方法

シリコン系負極のサイクル特性改善方法

~炭素コーティング、ナノ構造、プレドープ、無機バインダー~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、シリコン系負極の体積膨張のメカニズムから、膨張を抑制する手法、「長サイクル寿命」を実現するアプローチ方法を詳解いたします。

開催日

  • 2018年10月5日(金) 9時45分 17時10分

プログラム

第1部 炭素との複合によるシリコン系負極のサイクル特性改善

(2018年10月5日 9:45〜11:00)

 リチウムイオン電池は、小型・軽量化に優れた二次電池で、携帯電話やノートパソコンなど携帯機器の電源として利用されており、電気自動車やハイブリッドカーの電源としての実用化もなされようとしている。現在、リチウムイオン二次電池の負極材料には、総合的性能に優れた黒鉛系材料が主に用いられている。しかし、黒鉛の容量には限界 (理論容量:372mAhg – 1) があり、高い電流密度下での性能 (レート特性) はそれほど良くないなどの理由から、特に車載用電池の次世代型電極材料の開発が求められており、シリコンはその有望な材料のひとつである。
 シリコン系負極の問題点である充放電サイクルに伴う容量劣化の改善のため、種々の検討が進められており、本講座では、これらの動向を概観し、そのうち表面修飾・改質技術による方法を中心に解説する。特に、気相成長 (chemical vapor deposition, CVD) 法によるリチウムイオン二次電池負極用炭素、シリコンへのカーボンおよびシリコンコーティングによる表面修飾について紹介する。

  1. リチウムイオン二次電池の基礎
    1. 原理、構造、特徴、電極材料、応用の概説
  2. 負極材料の種類、構造、合成と特性向上の検討項目
    • 黒鉛
    • 低結晶性炭素
      • 難黒鉛化性炭素
      • 易黒鉛化性炭素
      • 低温焼成炭素
    • ナノカーボン
    • シリコン
    • チタン酸リチウム 他
  3. 活物質材料の改質・表面修飾技術概説
  4. 気相法 (CVD法、パルスCVD/CVI法)
    1. CVD法の種類とパルスCVD/CVI法
    2. CVD法を利用した負極用炭素、シリコンの合成の概説
  5. 気相法コーティングによる改質・表面修飾の研究例概説
  6. シリコン負極材料へのコーティングについて
    1. シリコン微粒子、及びシリコン/黒鉛混合粉体へのカーボンコーティングと負極特性
    2. 難黒鉛化性炭素繊維へのシリコン、カーボンマルチコーティング
    3. 黒鉛粒子へのシリコンコーティングと負極特性
    • 質疑応答

第2部 ナノ構造によるシリコン系負極のサイクル特性改善

(2018年10月5日 11:10〜12:25)

 これまで負極特性の向上が報告されているナノシリコン材料や、ナノシリコン負極のサイクル特性改善の取り組みの動向について紹介する。また、ナノシリコン材料の挙動やこのメカニズムについて解説する。

  1. シリコン負極の特徴
  2. 負極用ナノシリコン材料
  3. シリコンのサイズとセル特性
  4. ナノシリコン負極のさらなるサイクル特性改善
    1. シリコン負極に求められている特性
    2. ナノシリコン複合材料
    3. ポーラスシリコン
    4. 従来技術の利用
    • 質疑応答

第3部 シリコン系負極を用いたリチウムイオン電池の課題とサイクル特性改善手法

(2018年10月5日 13:10〜14:25)

 ケイ素 (Si) はその高容量の魅力からリチウム二次電池の負極材料として本格的な研究開発が進められつつある。しかしながら依然として、実用化のために解決する必要のあるいくつかの難点を有している。これに対して、Siの欠点を補う性質を持つ種々の金属や化合物をSiと複合化させた活物質が提案されてきた。
 本セミナーでは、それらの活物質を用いて作製された高容量と長サイクル寿命を兼ね備えた負極の性能とそのメカニズムについて紹介する。また、ケイ素負極の潜在能力を一層引き出すために、添加剤やイオン液体を用いた電解液の最適化の取り組みについても講述する。

  1. ケイ素負極の課題
    1. 研究・開発の現状
    2. ケイ素の基本的性質
    3. ケイ素の短所を補うための複合化の概念
  2. 活物質の複合化と厚膜電極化技術
    1. メカニカルアロイング (MA) 法
    2. 無電解析出 (ELD) 法
    3. リンのプレドープ
    4. ガスデポジション (GD) 法による電極作製
  3. ケイ素複合体からなる電極の負極特性
    1. 遷移金属シリサイド/Si複合体
    2. 遷移金属等のケイ素粒子への被覆
    3. リンのプレドープ
    4. ケイ素系負極用の電解液の最適化~添加剤やイオン液体の適用~
    • 質疑応答

第4部 シリコン系負極の膨張収縮に対応するバインダーの開発

(2018年10月5日 14:35〜15:50)

 シリコン系材料は、電池のエネルギー密度を向上させ、幅広い使用温度範囲 ( – 30~80℃) 、内部短絡時の安全性など、従来のリチウムイオン電池の限界を大きく超える特性が知られている。しかし、電極バインダの結着強度が弱いと集電体から活物質層が剥離しやすく、サイクル劣化が大きいなどの課題を有する。Si系負極の長寿命化を図るためには、充放電しても導電ネットワークを維持する技術が重要となっている。
 本講では、各種のバインダを用いたSi系負極の開発動向と、これらの負極を用いた電池特性、温度特性、安全性などを紹介する。また、各種の電子伝導性の異なるSi負極を用いて電池性能評価と電池安全性評価を行い、電極の導電性が電池特性と安全性に及ぼす影響についても解説する。

  1. リチウムイオン電池の市場動向と用途展開、次世代電池に求められる電池特性
  2. 合金系負極の開発
  3. 高結着性バインダ、高強度集電体、電解液添加剤の影響
  4. シリコン粉末の製造方法と粒子径
  5. シリコン系負極の電子伝導性が及ぼす電池暴走リスク
  6. 無機バインダを用いたシリコン系負極の開発
  7. 将来の展望
    • 質疑応答

第5部 シリコン系負極を用いたリチウムイオン電池の形態変化、細部構造解析

(2018年10月5日 16:00〜17:10)

 高容量次世代リチウムイオン電池して期待される黒鉛/SiO複合負極に着目し、サイクル劣化耐久試験後の電池について、電池の特性評価および劣化解析に有効な分析手法について事例を挙げて紹介する。

  1. 不活性雰囲気でのLIB解体分析
    1. 分析における試料の取り扱いについて
    2. 劣化要因別手法
  2. サイクル試験における試作LIB の劣化解析事例
    1. 導電パス不良の解析
    2. 活物質の劣化解析
    3. SEIの生成
  3. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 大澤 善美
    愛知工業大学 工学部 応用化学科
    教授
  • 松本 健俊
    大阪大学 産業科学研究所 第2研究部門 (材料・ビーム科学系) 半導体材料・プロセス研究分野
    准教授
  • 坂口 裕樹
    鳥取大学 大学院工学研究科 化学・生物応用工学専攻
    教授
  • 向井 孝志
    ATTACCATO合同会社
    代表
  • 石川 純久
    株式会社 東レリサーチセンター 形態科学研究部 第2研究室
    研究員

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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: 60,000円 (税別) / 64,800円 (税込)
複数名
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    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 165,000円(税別) / 178,200円(税込)
  • 同一法人内による複数名同時申込みのみ適用いたします。
  • 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
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