高屈折率材料の設計と薄膜形成技術
~ナノハイブリッド化、ポリマーの分子設計、透明な薄膜の低温形成~
東京都 開催
会場 開催
概要
本セミナーでは、樹脂の高屈折率化、TiO2薄膜の低温合成など、新規材料の設計手法を詳解いたします。
開催日
-
2018年9月27日(木) 10時00分
~
17時00分
修得知識
- 樹脂の屈折率と微粒子の屈折率の組合せの最適化
- 濃度・配向・分散度のコントロール
- 耐熱性との両立、作成後の安定性、屈折率の測定装置とその測り方のポイント
プログラム
第1部 有機無機ハイブリッド材料におけるナノ分散化技術と高屈折率化
(2018年9月27日 10:00〜11:30)
最近、先進材料として有機無機ハイブリッド材料が注目されている。微粒子や無機フィラーを有機高分子にそのまま複合化できれば良いのだが、有機高分子と無機物の混和は相溶性が低く、分子レベルで分散させることは極めて困難である。演者らは、有機高分子にシランカップリング処理を施すことで、混和が飛躍的に改善されることを見出した。得られた材料は、高分子単独の性質でもなく、無機物単独の性質でもないユニークな特性をもつハイブリッド材料となる。
今回は、紫外線遮蔽能をもち、屈折率の高いチタニアを用いて樹脂とのハイブリッド化を行った。本講座では、シランカップリング剤を用いた樹脂マトリックスへのチタニアナノ分散化手法とハイブリッドの光学的性質について紹介する。
- 高分子樹脂の光学的性質
- 研究背景としての概説 – 高分子樹脂の光学的性質 –
- 材料の高屈折率化を図るためには – 屈折率制御・色収差制御 –
- 有機・無機ハイブリッド材料とは
- ハイブリッドの利点
- ハイブリッドの調製方法 – 総論として –
- ゾル – ゲル法によるハイブリッドの調製
- ゾル – ゲル法の利点
- ゾル – ゲル法による複合化方法
- 有機高分子/チタニアナノハイブリッド材料の創製
- チタニアナノハイブリッドの光学的性質
- 紫外線遮蔽能・屈折率制御 –
- ハイブリッドの微細構造
- 本講のまとめ
第2部 屈折率1.7以上の高屈折ポリマーの合成とその特性
(2018年9月27日 12:10〜13:40)
ポリマーの屈折率は、ローレンツ・ローレンツの式で表されるように、ポリマーを構成する分子屈折率と密度に依存され、ポリマーを構成する元素と構造に依存することになる。高屈折率材料の研究の多くは、ポリマー構成成分の元素にのみ注目されることが多いが、ポリマーの構造により屈折率も大きく異なることも注目するべきであり、そのことで、さらに高屈折率材料の開発を促進させることに繋がると考えられる。
本講演を通じ、今後の高屈折率材料を開発するための新規ポリマーの分子設計指針について考察を加える。
- ポリマーの屈折率とその評価方法
- 高屈折率ポリマーの開発例
- 含硫黄ポリマーの特性
- 含硫黄ポリマーの合成方法
- 特殊構造高分子とそれらの物理的特性
- ポリマーの構造と屈折率特性
- 高アッベ数ポリマーの分子設計
- 屈折率が制御されたポリマー
- 含硫黄スターポリマーの合成と屈折率特性
- 含テルルポリマーの合成と屈折率特性
- 高密度なポリマーと屈折率特性
- 含ケイ素ポリマーの合成と屈折率特性
第3部 高屈折率ナノハイブリッド膜の低温形成技術
(2018年9月27日 13:50〜15:20)
新しいコンセプトに基づく低温形成可能な高屈折率ナノハイブリッド膜について述べる。有機無機ハイブリッド技術による光学材料形成の概要と一般的なハイブリッド技術による高屈折率膜の形成について述べる。更に、今回新たな視点で開発を進めている低温形成可能な高屈折率ナノハイブリッド膜について、塗布液としての特徴や形成膜の特徴に述べる。
- 有機無機ハイブリッド技術による光学材料
- 有機 – 無機ハイブリッド材料とは
- 光学材料応用のための透明性維持の必要条件
- 従来法による有機無機ハイブリッド高屈折率膜
- ゾル – ゲル技術の応用によるナノ粒子合成
- ハイブリッド技術の概要
- 高屈折率ハイブリッド膜の形成
- 新規な低温形成可能な高屈折率ナノハイブリッド膜
- シングルナノ分散可能な感光性ナノハイブリッド塗布液
- 新規ハイブリッド液の特徴
- 新規ハイブリッド液の安定性
- ナノハイブリッド膜の形成
- 新規ハイブリッド膜の成膜条件
- 新規ハイブリッド膜の特徴
- 膜特性に与える成膜条件の影響
- まとめ
第4部 高屈折率で透明なルチル型TiO2薄膜の低温合成と光学デバイスへの応用
(2018年9月27日 15:30〜17:00)
- はじめに
- 光学薄膜の応用例と課題
- 無機材料系の高屈折材料
- TiO2の結晶構造と物性
- ルチル型TiO2薄膜の作製に関する課題
- TiO2薄膜の合成と光学特性
- パルスレーザー (PLD) 蒸着法によるTiO2薄膜の作製
- 原子層堆積 (ALD) 法によるTiO2薄膜の低温合成
- 分光エリプソメトリーによるTiO2薄膜の光学特性解析
- アクセプター置換ルチル型TiO2薄膜の低温合成と光学特性
- 酸化物における点欠陥とその制御法
- TiO2薄膜におけるアクセプター置換効果
- アクセプター置換ルチル型TiO2薄膜の低温合成条件の最適化
- アクセプター置換ルチル型TiO2薄膜の光学特性
- アクセプター置換ルチル型TiO2薄膜の光学薄膜への応用
- まとめと今後の展望
講師
伊掛 浩輝 氏
日本大学
理工学部
物質応用化学科
高分子工学研究室
准教授
工藤 宏人 氏
関西大学
化学生命工学部
化学・物質工学科
教授
福井 俊巳 氏
株式会社KRI
構造材料研究部
取締役執行役員, 部長
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主催
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