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樹脂への意匠性付与技術と自動車への展開

樹脂への意匠性付与技術と自動車への展開

東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2018年8月7日(火) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 塗装レス・メタリック樹脂成形における不良現象と原因の区分

(2018年8月7日 10:00〜11:30)

 塗装レス・メタリック着色樹脂成形は、樹脂材料に顔料をコンパウンドして射出成形する簡便な手法であるため、生産技術としては最も容易な部類に入るはずであった。ところが、様々な外観不良がモールダーを苦しめることになり、高級感を達成した色調が開発された昨今においても、メタリック色調材料の採用が進みにくい原因となっている。また、樹脂材料メーカも材料の使用量が増えないことが理由で材料費の低減が進められず、材料単価に関する顧客要望には応えることができない状況が続いている。
 本講座は、モールダーにおいては不良原因の分析と対策へのヒントをつかむことで、外観不良の削減に役立つ可能性があり、材料メーカやコンパウンダーにおいては、材料の段階で対策をしなければ、射出成形では克服困難な不良現象があることを知っていただく絶好の機会になると考える。以上より、より塗装レス・メタリック樹脂成形が活発になることに本講座が貢献することを期待するものである。
 成形品への加飾には様々な方法があるが、今回は樹脂材料にメタリック色調の顔料をコンパウンドし射出成形によって製品を生産する手法において、発生しやすい不良現象と、その原因区分について解説する。

  1. 塗装レス・メタリック着色樹脂成形について
  2. メタリック色調とラメ調の差について
  3. 色調実現の難易度と、色調付与による樹脂材料への影響について<機能性の不良>
  4. 代表的な外観不良について
    1. 黒ブツ (コンタミ状の黒い点) 外観
    2. シルバーストリーク
    3. 黒筋 (ウエルド・ウエルド以外の会合面)
    4. 色調ムラ
  5. 流動現象以外の原因で発生する不良現象
  6. 対策へのヒント
    • 質疑応答

第2部 高透明PP加飾シートの自動車内外装部品への展開のご提案

(2018年8月7日 11:40〜13:10)

 当社では,高透明PP加飾シートの販売を2013年より開始し,高機能開発グレードのラインナップしており,「高機能化」「オンリーワン」「高付加価値化」等のキーワードを念頭にユーザー様との「価値共創」「協業 (オープンイノベーション) 」を進めております。

高機能化グレードの商品を以下にご紹介します。
  1. 高硬度グレード (HCレスで鉛筆硬度:Hを達成)
    • ⇒現状のHC塗工レスで本来のPP特性を維持 (耐薬品性・易成形性・低比重等)
  2. インラインマスキングフィルム
    • ⇒金型へマスキング貼合フィルムをそのまま挿入しインサート成形可能及びコストダウン
  3. インラインエンボスシート
    • ⇒基材/マスキング層界面においてエンボス仕様を形成し,鏡面金型でのインサート成形で表面エンボス成形可能
  4. 易接着グレード
    • ⇒グラビア・オフセット・スクリーン・インクジェット印刷ですべてのインキがPP表面へ高密着が可能 (UV・溶剤・水溶性インキ)
  5. 高精細印刷シート
    • ⇒スクリーン印刷でオフセット並みの高精細度印刷技術を確立し成形性:300%達成
  6. 易成形グレード
    • ⇒成形倍率:300%可能フィルム
  7. 高輝度シート (原着シート)
    • ⇒尾池イメージング殿と共同開発で塗装レス/印刷レスでのシート
      (成形倍率:600%程度,クリア層/ラメ層/着色層/クリア層の多層工程)
  8. 蒸着グレード
    • ⇒尾池イメージング殿と共同開発にてPP蒸着シートの開発 (メッキ代替仕様)
  9. 接合シート
    • ⇒インサート用バッカーシート (ABS・AS・PC・PA・PMMA・アロイ樹脂) にて高密着性能発現
      (現行バッカー以上の密着性)

当社開発体制は,「基材製膜」「金型製作 (切削) 」「真空 (圧空) 成形」「TOM成形」「インサート成形」「評価・分析」を一堂に導入しユーザー様との加飾成形開発体制を充実させております。 (Idemitsu Charm Wear Labo)
ユーザー様との協業にて当社グループの英知も集結し技術的差別化を図ってまいります。
今回は,自動車内外装への展開検討内容をご紹介致します。

第3部 プラスチック着色用メタリック顔料とその最新動向

(2018年8月7日 13:50〜15:20)

 市場では商品の差別化を図るため、プラスチック成形品における仕上がり外観のレベルアップ要求が高まっております。またVOC規制など環境配慮のため材着 (塗装レス) への市場要望も高まっております。そのため、シルバーメタリックにおける色調とウェルドレスの両立による差別化への期待は大きいと考えております。
 様々なお客様が満足して使える、ニーズに合った技術、商品の開発を行っており、本講座では、その一例を紹介させていただきます。

  1. アルミニウム顔料についての基本説明
    1. 原料アルミニウム粉の製造工程について
    2. アルミニウム顔料の製造工程について
    3. アルミニウム顔料の基本技術について
  2. アルミニウム顔料の基本用途について (塗料用など含む)
    1. メタリック顔料マスターバッチの製造方法について
    2. 弊社製品”Metax®”及び”MetaxNEO®”について
    3. ”MetaxNEO®”のラインナップについて
  3. ウェルドラインの発生原理について
  4. プラスチック着色用アルミニウム顔料の最新技術について
    • 質疑応答

第4部 金属を使わない金属調光沢発現重合体とその塗布液・塗膜の技術開発

(2018年8月7日 15:30〜17:00)

 金属を用いずに金、銀および銅色調の金属調光沢を発現する物質については、主に日本で研究開発がなされ、いくつかの小分子の結晶や圧縮固体が光沢色を発現する報告がなされている。いずれの物質の光沢色とも人間の感性に訴える輝きを発現し、物質の質感が注目されるようになった近年においてはキーマテリアルと考えられる。しかし工学的には、溶媒に溶解して塗布液を作製することができ、種々の基板に対する製膜性に優れ、かつ塗布膜が外部刺激に対して安定なものが要求されるが、それをすべて満たす物質はこれまで報告されていない。
 本講座におけるチオフェン誘導体重合体も、必ずしもそのすべてを満足するものではないが、少なくとも、塗布液の形成と良好な製膜性および室内環境における長期保存安定性が実現された、金色・銅色調発現の有力な候補材料と考えられる。本講座では、まだ開発されて間もない上記チオフェン重合体の合成方法から、塗布・電解重合膜の金色調発現機構、そして汎用樹脂とのポリマーアロイ膜について概説する。

  1. 金属調光沢を発現する非金属物質に関する工学的・学術的背景
  2. チオフェン誘導体重合体による金属光沢発現
    1. チオフェン重合体の化学合成方法と塗布膜作製、塗布膜物性
    2. チオフェン重合体膜の電解合成方法、重合膜物性
    3. 金属光沢を発現する光学的要因
    4. 金属調光沢を発現する化学的要因
  3. チオフェン重合体塗布液の基礎物性
  4. チオフェン重合体と汎用樹脂のポリマーアロイ膜形成
  5. まとめ
    • 質疑応答

講師

  • 竹元 茂
    日進工業 株式会社
    専務取締役 兼 最高技術責任者
  • 多田 圭志
    出光ユニテック株式会社 事業企画部
    部長付 (加飾・産業材担当)
  • 玉浦 裕貴
    東洋アルミニウム株式会社 技術開発部 技術課
    副主任
  • 星野 勝義
    千葉大学 工学研究院
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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