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電気化学の基礎を学び燃料電池電極触媒の基本を理解する講座

電気化学の基礎を学び燃料電池電極触媒の基本を理解する講座

~電極触媒の活性・耐久性の向上のポイントと開発の現状および将来の展望~
東京都 開催 会場 開催

概要

本セミナーでは、電気化学の基礎から解説し、実際の燃料電池、特に固体高分子形燃料電池を例にとり「電極触媒」に焦点を当て、その性能 (活性・耐久性) を支配する因子、性能向上を図るためのポイントと課題、今後の技術的展望について解説いたします。

開催日

  • 2018年7月20日(金) 10時30分 16時30分

プログラム

 東京五輪が開催される2020年に向けて、東京都では燃料電池自動車を6千台以上、燃料電池バスを100台以上導入する目標を立てています。また五輪後を見据えて策定された「選手村地区エネルギー整備計画」では、晴海地区に水素ステーションや水素パイプラインを整備し、住宅や商業施設への定置用燃料電池の導入、都心との間の燃料電池バスの運行など、環境先進都市のモデルとなる街づくりを目指します。
 東京都に限らずこのような水素エネルギー導入計画は日本全国で進んでおり、燃料電池という言葉を耳にすることは今後ますます増えていきます。燃料電池関連の今後のビジネスを考える上で、燃料電池の仕組みや使われている材料、現状の課題などを今一度整理しておくことは大変重要です。
 本セミナーでは、燃料電池の基本を今一度振り返っておきたい、今のうちにもう少し理解を深めておきたい、という方々の受講を念頭に置き、まずは燃料電池の仕組みを理解するために必要な電気化学の基本から解説します。ここでは電気化学によくある数式の導出などは必要最小限にとどめ、電気化学反応が進行する様子のイメージを作っていきます。その後、実際の燃料電池、特に固体高分子形燃料電池を例にとり、その心臓部として働いている「電極触媒」に焦点を当て、その性能 (活性・耐久性) を支配する因子、性能向上を図るためのポイントと課題、今後の技術的展望などについて解説していきます。
 本セミナーでは、実際に水素エネルギーや燃料電池関連の業務に関わっている方だけでなく、関わり始めたばかりのためもう少し基本的な事項を理解しておきたい方、これから水素エネルギー分野のビジネスに参入したい方など、技術系以外の方も含めて受講することをお勧めします。

  1. 電気化学の基礎
    1. エネルギーの変換
      • 化学反応と電気化学反応
      • 酸化還元反応
      • 電極の呼び方
      • ギブズエネルギー変化
      • 電位と電子エネルギー
    2. 電気化学反応の基礎~水電解の進む様子
    3. 電気化学測定の基礎
      • 3電極式電解セル
      • ネルンストの式
      • 標準電極
      • 水の電位窓
      • 標準電極電位
    4. 電気化学反応を支配する因子
      • 活性化エネルギー
      • 触媒活性と分極曲線
      • 電荷移動律速と物質移動律速
      • Butler – Volmerの式とTafelの式
    5. 基本的な電気化学測定法
      • サイクリックボルタンメトリー
      • 回転ディスク電極法とKoutecky – Levichプロット
    6. 電気化学的手法以外の電極触媒評価法
    7. 電気化学に関する参考書
  2. 燃料電池電極触媒の基礎
    1. 燃料電池の概要
      • 燃料電池の種類とそれぞれの特徴
      • 各種燃料電池の発電原理
      • 燃料電池の歴史
    2. 燃料電池の性能を支配する因子
      • 燃料電池の構成材料と求められる性能
      • 起電力、分極、発電効率
      • 膜 – 電極接合体 (MEA) の構造
      • 触媒層の三相界面
    3. 電極触媒の活性
      • 重量活性、比活性、Pt触媒比表面積
    4. 触媒のPt比表面積
      • 測定法 (CV法とCOストリッピング法)
    5. 触媒の比活性
      • Pt触媒とPt合金触媒
      • 触媒の比活性
      • 触媒の電子状態
    6. 触媒の重量活性の向上
      • コアーシェル型触媒の基礎
    7. 触媒の耐久性
      • Pt粒子の耐久性
      • カーボン担体の耐久性
      • 電池起動時の腐食問題
      • 燃料欠乏時の腐食問題
      • 触媒耐久性の評価法
    8. 電解質膜の劣化
      • 電解質膜の基本構造
      • 過酸化水素の生成による劣化
      • 回転リングディスク電極法による過酸化水素の検出
      • チャンネルフロー二重電極法による過酸化水素の検出
    9. NEDOセル評価解析プロトコルについて
    10. 燃料電池普及に向けて
      • Ptの資源量
      • 電極触媒の最近の研究開発動向
      • 今後の展望

会場

江東区役所 商工情報センター (カメリアプラザ)

9F 第2研修室

東京都 江東区 亀戸2-19-1
江東区役所 商工情報センター (カメリアプラザ)の地図

主催

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お問い合わせ

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受講料

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: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

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    • 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 46,278円(税別) / 49,980円(税込)
    • 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 92,556円(税別) / 99,960円(税込)
    • 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 138,833円(税別) / 149,940円(税込)
本セミナーは終了いたしました。

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