スプレッドシートの合理的バリデーションとデータインテグリティ対応実務のポイント
東京都 開催
会場 開催
開催日
-
2017年9月21日(木) 10時15分
~
16時45分
受講対象者
- QC QA 薬事監査 (社内監査、委託先監査)
- 製造 製造技術 エンジニアリング IT
- CMC 製剤研究 分析研究
修得知識
- スプレッドシートの分類とバリデーションの必要性
- FDA査察におけるスプレッドシート指摘
- スプレッドシートの信頼性要件
- データインテグリティ実務対応~記録の特定、インテグリティの確保、記録の維持など
- 紙ベースシステムにおける対応~ブランク書式の管理、記録の検証方法など
プログラム
FDAおよびEMA (欧州医薬品庁) の査察において2012年よりデータインテグリティの指摘が始まった。その指摘はその後増加しつつあり、FDAは2016年に22件のウォーニングレター (WL) においてデータインテグリティを指摘した。国内企業に対してFDAは、2016年11月と2017年1月にデータインテグリティを指摘したWLを発行した。
データインテグリティが指摘されると、信頼できないデータに基づき出荷判定が継続されてきたということになり、有効期間中の既出荷製品に対する調査が必要になる。場合によっては製品回収 (リコール) 、出荷停止、承認取り消しといった規制措置になる。このような事態を避けるべく、海外の規制当局やGAMPなどの業界団体はデータインテグリティのガイダンスをつぎつぎと発出してきた。しかし、ガイダンスは規則ではないのでガイダンスを理解しただだけでは、現場においてどのレベルまで対応すべきか判らない。
データインテグリティ対応を適切なレベルで実施するには、査察官の期待、すなわち査察現場における生の指摘事項を把握する必要がある。ウォーニングレターを読んだだけでは生の指摘事項は判らない。生の指摘事項を把握するにはFDA 483における観察指摘 (Observation) を知る必要がある。
本講座では、FDAウォーニングレターおよびFDA 483における不適合指摘をもとに、データインテグリティの実務対応を具体的に解説する。また、230スライドを超えるセミナーテキストと豊富な付録資料により、受講後に詳細にわたり理解を深めていただくことができる。
第1部:スプレッドシートのバリデーション
エクセル等の表計算ソフトウェアによるスプレッドシートは、個別に開発されるのでカスタムソフトウェアと考えられる。コンピュータ化システム適正管理ガイドラインによると、カスタムソフトウェアの場合、FS、DS、DQ、IQ、OQ、PQが必要とされる。本講座ではこのようなスプレッドシートを合理的にかつデータインテグリティ適合となるようにバリデートする方法を紹介する。CSV (コンピュータ化システムバリデーション) の基礎からわかりやすく説明する。
- CSV対応の基礎
- ソフトウェアカテゴリ分類とバリデーションアプローチ
- スプレッドシートの分類とバリデーションの必要性
- FDA査察におけるスプレッドシート指摘
- スプレッドシートの信頼性要件
- URSの書き方
- バリデーション方法
- 再バリデーション
- 運用段階における留意点
第2部 データインテグリティ対応実務のポイント
データインテグリティガイダンスを読んだだけでは、どの程度の対応が必要となるか捉えづらい。本講座においては、FDA 483 指摘事例を紹介し、データインテグリティ実務対応のポイントを、どなたにも判るようERESの基礎からやさしく具体的に解説する。
- ERES対応の基礎
- 真正性 (アクセス管理、監査証跡) 、見読性、バックアップとアーカイブ
- データインテグリティとは
- FDAとEMAの査察指摘
- 国内におけるFDAの指摘
- FDA 483に見る査察現場における指摘
- データインテグリティ対応における用語
- 生データ
- メタデータ
- ダイナミックレコード
- スタティックレコード
- オリジナルレコード
- 真正コピー
- MHRAガイダンスの要旨
- FDAガイダンスの要旨
- PIC/S査察官むけガイダンスの要旨
- GAMP データインテグリティガイドの読みどころ
- PMDAの動向
- 実務対応
- 記録の特定
- インテグリティの確保
- アカウント管理/権限
- システム管理者
- データレビュー
- 監査証跡のレビュー
- QAレビュー
- 監査証跡のバリデーション
- 記録の維持
- HPLC試し打ち指摘への対応
- OOS処理指摘への対応
- 今すぐ行えること/行うべきこと
- 紙ベースシステムにおける対応
ブランク書式の管理、ブランク書式ファイルの管理、印鑑の使用、記録の検証方法など
- 業務委託における対応
定期監査、委託業務のデータレビュー、データインテグリティの評価方法など
- 良くある質問 (FAQ)
- 質疑応答
良くある質問 (FAQ)
以下をはじめとする質問、および事前に提出いただいた質問にお答えする。
- 監査証跡の定期的レビューをどのようなタイミングで行えばよいのか
- 監査証跡の定期的レビューをどのような方法で行えばよいのか
- 監査証跡機能がない場合どのように対応すればよいのか
- 監査証跡はどのようにバリデートすればよいのか
- 試験関係者がシステム管理者になるとなぜ指摘を受けるのか
- HPLCのプリントアウトを生データとすると指摘を受けるのか
- データインテグリティはどのように査察されるのか
- 工程内検査のインテグリティは査察されるのか
- 個別のアカウントを設定できない器機/システムは更新が必要か
- 電子生データはどのように管理・運用すればよいのか
- スタンドアロン器機のデータインテグリティ対応はどの程度必要か
- ハイブリッドシステムはどのように対応すればよいか
- FDA査察をのりこえるにはどのような対策が必要か
- 治験薬における対応はどの程度必要か
- リスク対応はどのように行えばよいのか
- OOS処理の査察指摘はどのようにすれば回避できるのか
質疑応答
スプレッドシートやデータインテグリティのみならず、CSVやERESなど日常の業務において困っていることや疑問などにお答えします。事前質問は大歓迎ですが、準備の都合上、可能であれば2週間前までにご提出いただけると助かります。
講師
望月 清 氏
合同会社 エクスプロ・アソシエイツ
代表
主催
お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。
お問い合わせ
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)
受講料
1名様
:
42,750円 (税別) / 46,170円 (税込)
複数名
:
22,500円 (税別) / 24,300円 (税込)
特典 : 付録資料
- データインテグリティ入門 19ページ
- HPLC試し打ち指摘とその対応 3ページ
- MHRAガイダンス 意訳 (対訳) 28ページ
- WHOガイダンス・ドラフト 要旨訳 11ページ
- FDAガイダンス・ドラフト 意訳 (対訳) 32ページ
- FDAガイダンス・ドラフト 解説 27ページ
- PIC/Sガイダンス・ドラフト 要旨と解説 42ページ
- データインテグリティの是正 FDA WLの常とう句 9ページ
複数名同時受講の割引特典について
- 2名様以上でお申込みの場合、
1名あたり 22,500円(税別) / 24,300円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 42,750円(税別) / 46,170円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 45,000円(税別) / 48,600円(税込)
- 3名様でお申し込みの場合 : 3名で 67,500円(税別) / 72,900円(税込)
- 受講者全員が会員登録をしていただいた場合に限ります。
- 同一法人内(グループ会社でも可)による複数名同時申込みのみ適用いたします。
- 受講券、請求書は、代表者にご郵送いたします。
- 請求書および領収書は1名様ごとに発行可能です。
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