技術セミナー・研修・出版・書籍・通信教育・eラーニング・講師派遣の テックセミナー ジェーピー

高分子系繊維強化複合材料の疲労破壊メカニズムと特性および耐久性向上方策

高分子系繊維強化複合材料の疲労破壊メカニズムと特性および耐久性向上方策

大阪府 開催 会場 開催

開催日

  • 2017年7月4日(火) 10時30分 16時30分

修得知識

  • 複合材料の基礎
  • 各種F-PMCの特性
  • 複合材料の種類ごとの静的破壊メカニズム
  • 材料疲労の基礎
  • 一般材料の疲労寿命設計
  • 各種F-PMCの疲労破壊 (過程)
  • 耐久性を増す技術

プログラム

 FRPに代表されるように、高分子系繊維強化複合材料 (F-PMC) は今日大変身近な存在となっています。主としてガラス繊維を強化材とするGFRPでは、大きな漁船や数百トンの掃海艇、遊園地のボート、家庭ではバスタブなど幅広く使われています。最近では、カーボン繊維を強化材とするCFRPも航空機 (B787やA350) にフルに使われ、新聞紙上でこれらが大きな荷重を支える構造用材料として活躍している様子を見ます。これらの素材では、軽くて丈夫 (強い) 、錆びないなどの特長が喧伝されますが、耐久性について言及されることはほとんどありません。
 荷重が繰り返し作用する場合、人と同じく材料も疲労します。鉄鋼材料では明確な疲労限があり、長期間使用される構造物、機械要素では疲労限を目安に耐久性を考えた構造設計がなされます。しかし、F-PMCの場合、その形態が複雑で多様 (強化繊維の種類も多数ある、積層材の形態も多種多様) なため、代表的な疲労寿命曲線は存在しません。材料や複合材料の構造形態により破壊様相も異なります。また、疲労限も存在しません。そのため、耐久性を考えた設計そのものを合理的に進めることが難しいのが現状です。アルミ合金に替えて、プレス成形ができ、軽量で腐食にも強いカーボン繊維を使ったSMCによる自動車用ホイールは上市されなかったのでしょうか。
 F-PMCを用いた構造物、機械要素の耐久性も考えた設計、開発を行うためにはそれらの疲労損傷メカニズムを知るとともに、その特性がいろいろな要因によって影響されることを理解する必要があります。耐久性を高めるためには、それらの知識が欠かせません。本講座では、異なるF-PMCの種類ごと、疲労破壊に至る過程を示し、そのメカニズムを解説するとともに、耐久性向上の方策についても説明します。加えて、疲労寿命推定方法についても言及します。

  1. 複合材料とは?
    1. 複合材料の定義とはじまり
    2. 複合材料を分類する
      • 金属基材複合材料 (MMC)
      • セラミックス基材複合材料 (CMC)
      • 高分子系複合材料 (PMC)
    3. 高分子系繊維強化複合材料 (F-PMC)
      • 強化繊維
      • 樹脂母材
      • 副資材
      • 成形法 (作り方)
  2. 高分子系繊維強化複合材料の特性
    1. 種々のF-PMCの機械的性質
    2. 異なるF-PMC、異なる破壊
    3. 時間依存性と破壊 (時間とともに伸びる=クリープ、応力緩和)
  3. 材料と疲労 (損傷発生から破壊に至るまで)
    1. 金属材料
    2. 高分子材料
    3. 疲労しない繊維
  4. 高分子系繊維強化複合材料の疲労と破壊
    1. 各種F-PMCの疲労破壊とそのメカニズム
    2. 疲労のモニタリング
  5. F-PMCの耐久性を高める
    1. 母材樹脂の特性と疲労寿命 (耐久性に及ぼす母材性能の影響)
    2. 母材を物理的に変性する (高じん化)
    3. ナノ繊維による疲労寿命の飛躍的向上
      • CNF (セルロースナノ繊維) による母材の変性
      • 剛性の小さいナノ繊維による母材の変性
      • 剛性の高いナノ繊維 (サブミクロンガラス繊維) による母材の変性
  6. ナノ繊維はFRTP (熱可塑性線強化プラスチックス) にも役立つか?
  7. 長期耐久性を保証する?
    1. 鉄鋼材料の疲労設計
    2. Master曲線法は役に立つ?
    3. Miner則
    4. 加速試験
  8. おわりに

会場

滋慶医療科学大学院大学

9F 視聴覚大講義室

大阪府 大阪市 淀川区宮原1-2-8
滋慶医療科学大学院大学の地図

主催

お支払い方法、キャンセルの可否は、必ずお申し込み前にご確認をお願いいたします。

お問い合わせ

本セミナーに関するお問い合わせは tech-seminar.jpのお問い合わせからお願いいたします。
(主催者への直接のお問い合わせはご遠慮くださいませ。)

受講料

1名様
: 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)

割引特典について

  • R&D支援センターからの案内登録をご希望の方は、割引特典を受けられます。
    • 1名でお申込みいただいた場合、1名につき 43,750円 (税別) / 47,250円 (税込)
    • 複数名で同時にお申し込みいただいた場合、1名につき 23,139円 (税別) / 24,990円 (税込)
    • 案内登録をされない方は、1名につき 46,278円 (税別) / 49,980円 (税込)
本セミナーは終了いたしました。

これから開催される関連セミナー

開始日時 会場 開催方法
2024/11/21 二軸スクリュ押出機を用いたリアクティブプロセシング技術の基礎から応用へ 東京都 会場・オンライン
2024/11/21 架橋技術によるポリマーの性能向上と物性・特性改良方法 オンライン
2024/11/21 高分子結晶化の基礎と解析技術および結晶成長 オンライン
2024/11/22 マレイン酸変性による樹脂複合材料の界面密着性向上とその構造分析 オンライン
2024/11/22 プラスチック射出成形の基礎知識とトラブルシューティング オンライン
2024/11/22 押出混練機内の樹脂挙動と混練評価、最適化技術 東京都 オンライン
2024/11/22 高分子結晶化のトポロジー的メカニズムとその制御 オンライン
2024/11/22 実践ねじ締結設計 オンライン
2024/11/25 バイオマスフィラーの樹脂への分散、複合化技術 オンライン
2024/11/26 光学用透明樹脂の基礎、屈折率制御および光吸収・散乱メカニズムと高透明化 オンライン
2024/11/26 ポリマー・高分子材料のモノマー化・解重合技術の基礎とケミカルリサイクルの技術動向 オンライン
2024/11/27 光硬化型材料の基礎と応用のポイント オンライン
2024/11/27 ゴム・プラスチック材料の破損、破壊原因とその解析法 東京都 会場
2024/11/27 プラスチック成形品における残留ひずみの発生メカニズムおよび対策とアニール処理技術 オンライン
2024/11/27 プラスチックのマテリアルリサイクル技術入門 オンライン
2024/11/27 加速する国内外のプラスチック規制の動向とリサイクルの最新事情 オンライン
2024/11/27 粘着・剥離のメカニズムとその制御 オンライン
2024/11/28 金属破断面解析技術の基礎と解析事例 オンライン
2024/11/28 固体高分子材料の動的粘弾性測定 オンライン
2024/11/28 プラスチック成形品の残留応力発生メカニズム&長期信頼性の予測法 オンライン

関連する出版物

発行年月
2024/7/29 サステナブルなプラスチックの技術と展望
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026
2024/7/22 世界のレトルトフィルム・レトルトパウチの実態と将来展望 2024-2026 (書籍版 + CD版)
2024/7/17 世界のリサイクルPET 最新業界レポート
2024/6/28 ハイドロゲルの特性と作製および医療材料への応用
2024/5/30 PETボトルの最新リサイクル技術動向
2024/2/29 プラスチックのリサイクルと再生材の改質技術
2023/10/31 エポキシ樹脂の配合設計と高機能化
2023/7/31 熱可塑性エラストマーの特性と選定技術
2023/7/14 リサイクル材・バイオマス複合プラスチックの技術と仕組
2023/3/31 バイオマス材料の開発と応用
2023/1/31 液晶ポリマー (LCP) の物性と成形技術および高性能化
2023/1/6 バイオプラスチックの高機能化
2022/10/5 世界のプラスチックリサイクル 最新業界レポート
2022/8/31 ポリイミドの高機能設計と応用技術
2022/6/28 GFRP & CFRPのリサイクル技術の動向・課題と回収材の用途開発
2022/5/31 自動車マルチマテリアルに向けた樹脂複合材料の開発
2022/5/31 樹脂/フィラー複合材料の界面制御と評価
2022/5/30 世界のバイオプラスチック・微生物ポリマー 最新業界レポート
2021/12/24 動的粘弾性測定とそのデータ解釈事例