第1部. ナノマテリアルの医療応用における最新研究動向と今後の応用展開
(2016年7月19日 10:00〜11:30)
- ナノマテリアルの医療応用の最新研究動向
- ナノマテリアルの医療応用の現状の課題
- ナノマテリアルの医療応用の今後の展開
- 質疑応答
第2部. PLGAナノ・微粒子設計によるDDS製剤、医療デバイス、機能性化粧品の開発と実用化
(2016年7月19日 11:45〜13:15)
演者らは生体適合性で生体内分解性である乳酸・グリコール酸共重合体PLGAナノ粒子を用いたDDSの研究開発を進めてきた。本講演ではPLGAナノ粒子を用いた機能性化粧品の実用化の例や医薬分野での成果を紹介し、DDSツールとしての有用性と今後の展望を述べたい。
- PLGAナノ粒子の特徴と製法、実用化のための複合化技術
- PLGAナノ粒子の安全性、DDSキャリアとしての有用性
- PLGAナノ粒子の調製法、原理とスケールアップ特性、無菌調製技術
- PLGAナノコンポジット粒子の設計
- PLGAナノ粒子による医薬DDS製剤設計
- ペプチドの経粘膜ナノDDS製剤技術
- 経口核酸医薬製剤の開発
- 経皮DDSキャリアとしての特性
- 薬物溶出型医療デバイスへの応用
- 新規コーティング技術を用いたPLGAナノ粒子塗布型ステントの開発
- 薬物溶出バルーンカテーテルへの応用
- DDS型機能性化粧品への応用
- 美白、アンチエイジング、保湿、抗ニキビ化粧品の開発とその有用性
- 毛穴浸透型の新規育毛剤開発
第3部. ナノマテリアルの優れた特性がもたらす生体影響の原理
(2016年7月19日 14:00〜15:30)
ナノマテリアルは独特の体内動態のほか優れた電気的特性、工学的特性などを持ち医療応用への期待が高い。本講演では、同時に起こり得るナノマテリアル独特の負の作用 (生体影響) について、明らかになっている原理と最新の知見を概説し、さらに発展するであろう新技術の安全性評価を考察する。
- 微小粒子の健康影響 – きっかけはPM2.5の疫学
- ナノ粒子の健康影響 – 動物データ
- なぜ「ナノ粒子」の問題が注目されるのか
- 医療応用への可能性、大きいからこそ負の側面も重要
- 大きな比表面積、反応性
- 独特の体内動態・クリアランス (排出)
- ナノ粒子の次世代影響 (発達毒性)
- ナノ粒子の胎盤透過性 ・次世代免疫系への影響
- 次世代中枢神経系への影響
- 低用量ナノ粒子曝露による影響 (developmental neurotoxicity)
- 脳血管周囲マクロファージ – 鋭敏かつ定量的指標と疾病との関連
- ナノ粒子によるリスクの低減に向けて
- ナノ粒子とは「未知の遭遇」か?
- ハザードとリスク – 何をもって安全か?
- 環境基準/ガイドライン ・規制対象の定義と課題
- ナノ粒子の凝集性と規制の範囲
- リスク・コミュニケーション
- 情報提供者の懸念に応えるリスク・コミュニケーション「パターン集」
第4部. ナノマテリアルの医薬品への応用とリスク解析に資するナノ安全科学研究
(2016年7月19日 15:45〜17:15)
本講演では、医薬品領域をはじめ、多岐にわたる分野への応用が期待されているナノマテリアルについて、我々が取り組む、ナノ安全科学研究、およびナノ最適デザイン研究に関する最新の知見について紹介し、ナノマテリアルの安全性評価研究の現状の課題と今後について議論したい。
- ナノマテリアルの発展と安全性への懸念
- ナノマテリアルとは
- ナノ医薬の発展と現状
- ナノ医薬に対する懸念
- ナノ安全科学研究の重要性
- ナノマテリアルの動態解析 (吸収、分布、代謝、排泄、蓄積性)
- ナノマテリアルのハザード解析 (急性毒性試験、生殖発生系への影響など)
- ナノ最適デザイン研究の推進
- 安全生評価マーカーの探索研究
- 表面修飾の違いによる生体影響の変化
- 生体内蛋白質との相互作用解析
- ヒトにおける曝露実態の解明に向けた課題と取り組み
- ナノマテリアルの曝露実態の解明に叶う新規検出法の構築