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光学透明樹脂の低複屈折化

光学透明樹脂の低複屈折化

~ポリマーブレンド、延伸による複屈折の低減 / ゼロ複屈折高分子の設計事例~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2016年7月8日(金) 10時00分 17時00分

プログラム

第1部 ポリマーブレンドによる透明樹脂の複屈折の波長分散制御

(2016年7月8日 10:00〜12:00)

 本講座は、特定の波長における複屈折ではなく、可視光域全体における複屈折の値 (複屈折の波長分散) を制御する方法について、ポリマーブレンドによる例を用いて解説することを目的としている。そのために、屈折率ならびにその異方性である複屈折の波長依存性の理解に必要な基礎的な内容から、ポリマーブレンドを用いた実例に至るまでの解説を行う。初学者でも理解できるよう、できるだけ丁寧に説明していく予定である。

  1. 屈折率の基礎
    1. 屈折率とは
    2. 屈折率が波長依存性をもつ理由
    3. 高分子 (有機物) の構成原子と屈折率の波長分散
    4. 量子化学計算を用いた屈折率分散の推定方法
  2. 複屈折の基礎
    1. 複屈折とは
    2. ホモポリマーの複屈折
  3. ポリマーブレンドによる複屈折の制御
    1. ブレンドによる光学特性制御の考え方
    2. ブレンドの複屈折およびその波長分散特性
    • 質疑応答

第2部 高分子延伸による分子配向・複屈折制御技術

(2016年7月8日 12:45〜14:45)

 高分子の延伸は、要するに温めて引き伸ばすだけなのですが、実際にはなかなか奥が深く、製品の物性に大きく影響する重要な工程です。この講演では、延伸条件の考え方と、延伸によって得られる繊維・フィルムの分子配向、およびそれによって決まる光学物性に関して、基礎から解説します。

  1. 高分子の延伸工程
    1. 延伸装置と延伸条件
    2. 延伸工程で加わる力と熱
    3. 延伸の基礎方程式
  2. 延伸による分子配向制御
    1. 分子配向の3要素
    2. 延伸による分子配向
  3. 屈折率と複屈折制御
    1. 光学現象と屈折率
    2. 屈折率楕円体と光学異方性
    3. 複屈折の起源
    4. Lorentz-Lorenzの式と固有複屈折
    • 質疑応答

第3部 ゼロ複屈折高分子の設計と課題

(2016年7月8日 15:00〜17:00)

 光学樹脂の複屈折の起源と分子構造の関係について述べ、複屈折を示さないゼロ複屈折高分子の設計方法について解説する、さらに、現状の課題とその解決方法について述べる。

  1. 高分子の屈折率と複屈折の基礎
    1. 屈折率の微視的理解~分極率とローレンツ・ローレンツの式
    2. 配向複屈折と固有複屈折~配向複屈折の起源と分子構造との関係
    3. 応力光学則~ゴム状物質の複屈折と応力
  2. 光学樹脂の複屈折
    1. 高分子ガラスの複屈折~光弾性則と複屈折の緩和
    2. 複屈折パラメーターと分子構造~複屈折マップの導入とその見方
    3. 種々の光学樹脂の特徴~ベンゼン環の効果
  3. ゼロ複屈折高分子の分子設計
    1. 共重合法による複屈折パラメーターの制御~複屈折マップによる設計
    2. 緩和と温度の効果~具体例と複屈折の非理想的振る舞い
    3. 複屈折の波長依存性~波長依存性の起源とその制御
    4. 課題と展望
    • 質疑応答

講師

  • 久保山 敬一
    東京工業大学 大学院 理工学研究科 有機・高分子物質専攻
    助教
  • 大越 豊
    信州大学 繊維学部 繊維システム工学科
    教授
  • 井上 正志​
    大阪大学 理学研究科 高分子科学専攻
    教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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