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アトピー性皮膚炎の新薬開発と理想的な治療像

かゆみ評価を含めた皮膚炎モデル動物の選定、作成方法は

アトピー性皮膚炎の新薬開発と理想的な治療像

~マスト細胞の重要性・プロアクティブ療法・生物学的製剤への期待~
東京都 開催 会場 開催

開催日

  • 2015年12月21日(月) 12時00分 17時00分

修得知識

  • 痒みの基礎
  • 新しい痒み治療の可能性
  • 痒み治療薬の開発
  • アトピー性皮膚炎の新規治療法

プログラム

第1部. アトピー性皮膚炎の新しいメカニズムと創薬への応用

(2015年12月21日 12:00〜13:30)

 Phospholipase C (PLC)-β3欠損マウスにおいてはアトピー性皮膚炎 (AD) 様の皮膚炎が自然発症し、抗原誘発性のADモデルが重症化する。PLC-β3はStat5とSHP-1に結合して複合体 (SPS複合体) を形成し、Stat5の過剰なリン酸化を抑制しているが、この機能が特にマスト細胞で失われることがADの発症に重要であることが分かった。ヒトのアトピー性皮膚炎患者においても、同様の機構が働いている可能性が示唆される。

  1. マスト細胞のアレルギー性炎症における役割
  2. Phospholipase C (PLC)-β3欠損マウスにおける皮膚炎のフェノタイプとマスト細胞の重要性
    1. 自然発症皮膚炎
    2. 抗原誘導性皮膚炎
  3. マスト細胞におけるPLC-β3の役割
    1. PLC-β3欠損マスト細胞のフェノタイプとその発現機序
    2. マスト細胞のStat5, SHP-1の重要性
    3. Jak2阻害薬のアトピー性皮膚炎モデルに対する効果
  4. Stat5経路に関与するサイトカインの重要性
  5. ペリオスチンをめぐる悪循環経路におけるマスト細胞とPLC-β3の役割
    1. 悪循環経路へのマスト細胞の関与
    2. 線維芽細胞における役割
    3. ケラチノサイトにおける役割
  6. ヒトAD患者におけるSTAT5, SHP-1とPLC-β3
    1. 生検サンプルの解析
    2. SNP解析
  7. 創薬への応用の可能性。
    • 質疑応答

第2部. アトピー性皮膚炎治療薬開発でのモデルマウス作成と薬効評価

(2015年12月21日 13:45〜15:15)

 アトピー性皮膚炎の治療の多くはステロイド、カルシニューリン阻害剤などの外用剤によってなされているが、いまだ重篤な痒みに悩まされる患者は少なくない.本講では、アトピー性皮膚炎治療薬開発に携わった経験から、掻痒評価を含めた皮膚炎モデル動物の選定及び作成方法、評価方法について各モデルの特徴と合わせて解説する。

  1. アトピー性皮膚炎の概要
    1. 臨床症状
    2. 疫学
    3. 現在の治療方法など
  2. アトピー性皮膚炎の病態
  3. 各種皮膚炎モデルの作成及び評価方法
    1. 遅延型過敏性皮膚炎モデル
      • ハプテン誘発
    2. 慢性皮膚炎症モデル
      • ハプテン誘発
    3. NC/Nga皮膚炎モデル
      • ハプテン誘発
      • ダニ抗原誘発
    4. NC/Nga掻痒モデル
      • ハプテン誘発
    5. 機械的刺激誘発皮膚炎モデル
  4. 各疾患モデルの臨床上の位置づけ
  5. 新薬開発状況のアップデート
    • 質疑応答

第3部. アトピー性皮膚炎治療の現状と皮膚科医が求める治療薬へのニーズ

(2015年12月21日 15:30〜17:00)

 アトピー性皮膚炎は過去にステロイドバッシングという治療の混迷期を経験した。日本皮膚科学会などの治療ガイドラインが作成され、標準治療が浸透することで重症患者は減ったが、ステロイド忌避症の患者さんは現在でも存在する。今回、アトピー性皮膚炎の好発年齢や発症要因、バリア機能の異常、かゆみによるストレス、標準治療や重症例に対する特殊な治療法など、実際の臨床現場で行っているアトピー性皮膚炎に対する治療戦略を解説し、今後の期待される治療薬や皮膚科医が求める新薬などについてお話ししたい。

  1. アトピー性皮膚炎と好発年齢や発症要因
  2. アトピー性皮膚炎におけるバリア機能の異常
  3. アトピー性皮膚炎のかゆみに伴うストレス
  4. アトピー性皮膚炎の標準治療
    1. 外用療法
      • ステロイド外用薬
      • 免疫抑制薬
      • その他
    2. 内服療法
      • 抗アレルギー薬
      • 免疫抑制薬
      • その他
    3. プロアクティブ療法
  5. 慢性で難治性のアトピー性皮膚炎に対する治療戦略
    1. 外来患者に行う免疫抑制内服薬の使用法
    2. 入院療法の有用性とステロイドの影響
  6. 今後アトピー性皮膚炎の治療薬として期待されるもの
    1. 生物学的製剤
    2. 核酸医薬外用など
    3. 皮膚科専門医が求めるもの
    • 質疑応答

講師

  • 安藤 智暁
    理化学研究所 統合生命医科学研究センター アレルギー研究チーム
    研究員
  • 石井 直人
    株式会社 カン研究所 次世代標的研究部
    主幹研究員
  • 向井 秀樹
    東邦大学医療センター大橋病院 皮膚科
    客員教授

会場

株式会社 技術情報協会
東京都 品川区 西五反田2-29-5 日幸五反田ビル8F
株式会社 技術情報協会の地図

主催

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