ドロップアウトが相次ぐ要因はどこにあるのか、被験者選定の留意点とは
血液がん治療薬開発におけるフェーズ別での臨床試験デザイン
~多発性骨髄腫 / 慢性白血病 (骨髄性とリンパ性) / 悪性リンパ腫~
東京都 開催
会場 開催
開催日
-
2015年12月15日(火) 11時00分
~
16時30分
プログラム
第1部. フェーズ段階別での多発性骨髄腫の試験デザインと被験者選定
(2015年12月15日 11:00〜12:30)
20世紀までの多発性骨髄腫は、旧来の抗がん剤に対する感受性が低く、有効な治療法が少なく、血液内科医にとっては無力感を感じる病気でした。
ところが21世紀になり、サリドマイドを皮切りにボルテゾミブ、レナリドマイドと新たな薬が世に登場してから、治療成績は目覚しく改善され始め、その後も次々と新たな治療薬の開発が進んでいるのが現状です。20年前までは、治療法も少なく、亡くなっていく患者を見守るしかなかった病気が、今日では治癒が期待できるのではないかとすら言われ始めています。
従来の殺細胞性抗がん剤では効果の乏しかった腫瘍が、新たな機序の薬剤により劇的に治療成績が改善された経緯を知ることは、他のがんに対する今後の新規治療薬開発を考える上で参考になると思います。 本講座では、多発性骨髄腫のこれまでの治療薬開発の経緯と今後の展望をレビューします。
- 多発性骨髄腫とはどういう病気か?
- 多発性骨髄腫はどのように診断するか?
- 世紀の多発性骨髄腫の治療
- MP療法
- VAD療法
- 自家造血幹細胞移植療法
- 21世紀の多発性骨髄腫の治療 (これまで)
- ボルテゾミブ
- サリドマイド
- レナリドマイド
- 多剤併用療法
- これからの多発性骨髄腫の治療
- カルフィルゾミブ
- パノビノスタット
- エロツズマブ
- ダラツズマブ
- 多剤併用療法
- 多発性骨髄腫の骨病変に対する治療
- ビスフォスフォネート
- デノスマブ
- これからの多発性骨髄腫治療開発の方向性と見通し目標は治癒か?有病での長期生存か?
- 臨床試験の進め方と試験デザイン
- 多発性骨髄腫の臨床試験の現状
- フェーズ段階別での留意点
- 被験者選定
第2部. 慢性白血病 (骨髄性とリンパ性) の治療の実際とフェーズ別での臨床試験の進め方
(2015年12月15日 13:15〜14:45)
慢性型の白血病には、大きく分けると骨髄性とリンパ性があります。その2つは、病態が全く異なり、それに応じ、診断のプロセス、治療法も全く異なってきます。
本講座では、これら2つの疾患の病態、診断法、治療法について説明致します。また、CMLに関しては10数年前にチロシンキナーゼ阻害剤 (TKI) のイマチニブという画期的な分子標的治療薬が登場し、現在では第2・3世代のTKIも日常診療で用いられるようになり、治療成績は格段に向上しています。CLLに関しても抗CD20抗体を始めとする抗体薬や、さらに最近になって、イブルチニブというTKIが登場したことで治療成績の向上が期待されています。上記のような治療法の進歩と今後の展望についてお話しします。
- 慢性骨髄性白血病 (CML) について
- CMLの病態
- CMLの遺伝子異常
- CMLの診断のための検査
- CMLの治療法の変遷
- チロシンキナーゼ阻害剤 (TKI) によるCMLの治療
- CML stem cellを標的とした治療法の開発
- CML治療の今後の課題
- 慢性リンパ性白血病 (CLL) について
- CLLの病態
- CLLの診断のための検査
- CLLの予後因子
- CLLの治療法の変遷
- CLLの新規治療薬 (BTK阻害薬:イブルチニブ)
- CLL治療の今後の課題
第3部. 臨床的問題点から提案する悪性リンパ腫のフェーズ段階別での臨床試験デザイン
(2015年12月15日 15:00〜16:30)
悪性リンパ腫について、基礎的知識と治療の現状について理解し、臨床の立場から求められる薬剤と臨床試験について考える。
- 悪性リンパ腫についての基礎知識
- 悪性リンパ腫という疾患の特異性
- 病因と病態 (分子病態を含む)
- 病理組織分類
- 悪性リンパ腫治療の現状と問題点
- 治療法とその選択
- 治療の現状
- 治療における問題点 臨床効果と副作用
- 悪性リンパ腫治療の今後の展望
- 治療の目標は?
- 求められる治療薬の具体像
- 悪性リンパ腫治療薬の臨床試験
- 臨床サイドが求める臨床試験とは? 臨床医が知りたいこととは
- どのような試験デザインが好ましいのか?
- 臨床試験フェーズと留意点
- 対象被験者の選定
- 新規薬剤と併用療法
- 第I相試験
- 第II相試験
- 第III相試験
- 第IV相試験 (製造販売後臨床試験および市販後の臨床試験)
- 求められる臨床試験とは (信頼性と透明性)
- 信頼性と透明性
- 今後の臨床試験のあるべき姿 バイオマーカーの確立など
講師
-
柴山 浩彦 氏
大阪大学医学部附属病院 血液・腫瘍内科
講師
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